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【映画評】ゴードン・ダグラス監督『七人の愚連隊』(Robin and the Seven Hoods, 1963)

 『オーシャンと十一人の仲間』(1960)でお馴染みの「シナトラ一家」(ラット・パック)の面々が主演する、見た目は完全なギャング・ミュージカルなので分かりづらいが、実はこれは、舞台を12世紀イングランドから禁酒法時代の米国に置き換えた、歴とした「ロビン・フッド映画」なのである。監督のゴードン・ダグラスにも1950年に『剣侠ロビン 』(1950)という正統派ロビン・フッド映画を撮った、ふさわしい経歴がある。
 配役はと言えば、フランク・シナトラがロボ(ロビン)、ディーン・マーティンがリトル・ジョン、サミー・デイヴィス・Jr. がウィル・スカーレット、ピーター・フォークがガイ・ギズボーンをそれぞれ演じる。
 エドワード・G・ロビンソンをギャングのボスとして登場させる冒頭からして、本作はギャング映画やフィルム・ノワールのパロディ(ミュージカル)な訳だが、ケヴィン・コスナー版『ロビン・フッド』(1991)のモーガン・フリーマンに先駆けてアフリカ系のサミー・デイヴィス・Jr. を——ラット・パックの一員なので当然ではあるにせよ――「陽気な仲間」に登用し、マリアン(バーバラ・ラッシュ)をヴァンプとして描いている辺りが、ロビン映画として未だ斬新だ。

・『剣侠ロビン』についてはこちらを参照:【映画評】ゴードン・ダグラス監督『剣侠ロビン』(Rogues of Sherwood Forest1950)。|岡田尚文 (note.com))。
・ケヴィン・コスナー主演の『ロビン・フッド』についてはこちら:【映画評】ケヴィン・レイノルズ監督『ロビン・フッド』(Robin Hood: Prince of Thieves, 1991)。|岡田尚文 (note.com)


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