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【映画評】ゴードン・ダグラス監督『剣侠ロビン』(Rogues of Sherwood Forest1950)。

 これは、「今日我々が享受する権利と自由と正義の法の起源はマグナ・カルタにこそあり」と冒頭の字幕に謳わせ、その制定過程を描くコロンビア製のロビン・フッド映画である。
 舞台は当然、1215年のイングランドだ。但し、ロビン・フッドは既に亡く、その息子が主役である。ロビン・フッドの息子、ハンティンドン伯ロビンも父に勝るとも劣らない騎士として勇名を馳せており、英王ジョンに何かと疎まれている。新税の支払いを拒否したのを口実に、先王から承認された領土や権利をすべてジョンに奪われた彼は、父のかつての仲間を集め反撃する。この度のライバルは王に悪知恵をつけるフランドル伯だ。
 製作会社は異なれど、ダグラス・フェアバンクス主演の『ロビン・フッド』(1922)、エロール・フリンの『ロビンフッドの冒険』(1938)に続き3度目のリトル・ジョンを演じたアラン・ヘイルが本作をして正統なロビン・フッド映画足らしめる。タイトル・ロールを演じるジョン・デレクもスタジオ・セットとテクニカラー画面を縦横無尽に馳せ、自らの正統性を証明してみせる。

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