マガジンのカバー画像

映画の動物/動物の映画

24
映画に動物が登場しないことは殆どありません。ここではとりあえず動物イメージが映画の中でどのような役割を担ってきたかを見ることとしましょう。人間もまた動物であることを忘れてはなりま… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

【映画評】ベネディクト・エルリングソン監督『馬々と人間たち』(Hross I Oss, 2013…

 アイスランドが舞台のオムニバス映画で、とはいえ相互に繋がっているそれぞれのエピソードの…

岡田尚文
3か月前

【映画評】スティーヴン・ギャガン監督『ドクター・ドリトル』(Dolittle, 2020)

 子供向けに作られているのであって、大人がそれに目くじら立てても仕方ないのかもしれないが…

岡田尚文
4か月前

【映画評】ゾーイ・ウィットック監督『恋する遊園地』(Jumbo, 2020)

 原題の“Jumbo”とは、本作に出てくる《Move it 24》という米国製の移動式アトラクションに…

岡田尚文
5か月前

【映画評】クリス・バトラー監督『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』(Missi…

 スタジオライカ15周年記念作品だそうで、今回も素晴らしい人形劇(ストップモーション)とな…

岡田尚文
5か月前
1

【映画評】クリス・サンダース監督『野性の呼び声』(The Call of the Wild, 2020)

イギリス動物文学との影響関係  本作が映画館にかけられる前、さもハリソン・フォードが演じ…

岡田尚文
4か月前

【覚書】マーク・フォースター監督『プーと大人になった僕』(Christopher Robin, 201…

 セピア色の森にプーやティガー、イーヨーらが登場するだけで号泣し、その後、「見えたものを…

岡田尚文
5か月前

【映画評】ナ・ホンジン監督『哭声 コクソン』(곡성(哭聲) 、2016)

●(イエスがペトロに対して)「私についてきなさい。人間を漁る漁師にしてあげよう」  『マタイによる福音書』:十二使徒のうちヤコブとヨハネの兄弟も漁師。 ●(同上)「あなたは今夜、鶏が鳴く前に三度、私を否認するだろう」  『マタイによる福音書』 ●(イエスが「姦通の女」に対して)「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」 『ヨハネによる福音書』:石打ちはユダヤ教における伝統的な処刑法 ●教皇グレゴリウス「キリストは、悪魔をひっかける

【映画評】ジャック・オディアール監督『君と歩く世界』(De rouille et d'os, 2012)

 このフランス/ベルギー/シンガポール合作映画の原題(仏語)を直訳すれば「錆と骨の」で、…

岡田尚文
3か月前

【映画評】アン・リー監督『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(Life of Pi,…

 動物園の虎に勝手に餌をやろうとして父親に窘められ「動物には心がある」と反論する幼い主人…

岡田尚文
5か月前

【映画評】ルイ・シホヨス監督『ザ・コーヴ』(The Cove, 2009)

海外版DVDと日本上映版の違い  以下は、このアメリカ製ドキュメンタリー映画が日本で公開さ…

岡田尚文
3か月前

【映画評】ウェス・アンダーソン監督『ファンタスティック Mr. FOX』(Fantastic Mr. …

脱獄、あるいは「人形の家」からの脱出  これはロアルド・ダールの児童文学(Fantastic Mr F…

岡田尚文
4か月前
4

【映画評】北村龍平監督『ミッドナイト・ミート・トレイン』(The Midnight Meat Trai…

映画雑感  クライヴ・バーカーの同名小説(1984)の映画化作品である。北村龍平が撮った映画…

岡田尚文
4か月前

【試訳】シャルロット・ギャルソンによるR・リンクレイター『ファースト・フード・ネ…

 『チャーリーとチョコレート工場』(注1)がギトギトの様相を呈したのに対し、この反・工業…

岡田尚文
5か月前

【試訳】ジャン=ピエール・レームによる『いのちの食べかた』(2005) 評(Jean-Pierre Rehm, Cahiers du cinéma, mars 2007, 31-32)

「節度ある消費を」  カメラが十字架を切るのを我々は今までに一度でも目にしたことがあるだろうか。前後に動いた後に横に動くのだから、それは厳格で非常にカトリック的な動きだといってよいのだが、そこには、冷淡な固定ショットを除けば、オーストリア人ニコラウス・ガイルハルターの目つきが反映されている。この動きが天の啓示なのかそれとも悪魔を祓うためなのかは、それぞれが己の胃の強度において判断すればよい。最大限に近代化されたヨーロッパ農家の中で二年の歳月をかけて撮影された『我らが日々の糧