26.ストリップ劇場で全国制覇?な小学生
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私が自分の世界を広げていく中で、両親はまだ幼い弟を連れてストリップ劇場の巡業へ行ったり、母だけが行って父は主夫に徹したり、相変わらず”普通”ではない生活を送っていた。
巡業がない時は、母は「家族で」買い物に行こうとかお出かけしようとか、とにかく「家族で」という形にこだわった。
でも小さな弟を連れているし、父は渋滞や混雑が大嫌いで母と喧嘩になるし、私はできれば一緒に行きたくなかった。
それでも私に拒否権はない。
で、案の定また夫婦喧嘩に巻き込まれるのだった。
いや、「家族で」という方にこだわったのはオフだけではなかった。
例えば夏休みに入る頃に巡業があると、私は終業式まで祖父母に食事の面倒を見てもらいながら一人で生活をし、終業式の後には東京駅まで祖父母に送って行ってもらい新幹線に乗るのだ。
九州と四国の時には一人で飛行機にも乗った。
「そこまでして一緒にいなくても」
というのが私の本音だったが、それもやっぱり私に拒否権はないのだった。
私が呼ばれるという事は、パチンコに勝ったという事だ。
「臨時収入があったから呼んでやろう」という事らしかった。
地方に行ったって基本的にストリップ劇場にいなくてはならないし、オフがあれば家族で観光くらいはしたけれど。
北海道、宮城、福島、群馬、東京、神奈川、富山、岐阜、愛知、京都、奈良、大阪、和歌山、岡山、熊本、沖縄・・・小学校を卒業する頃にはたくさんの都道府県に行った事になる。
なかなかこんな小学生もいるまい。
まぁほとんど地域特有の思い出なんかないのだけれど。
私はなぜだか子供の頃から食に対しての興味が薄かった。
空腹を我慢する事が多かったからなのか、元来そういう性質なのかわからないけれど。
なのでいまだに空腹さえ満たせればいい。
毎日同じメニューでも構わないし、一日三食カロリーメイトだけでも構わない。
子供をもたなかったら、とっくに生きていなかったと思う。
地方に行ったところで「あれ食べたい」とか「これ食べたい」がないのは、本当につまらない人間だなと自分でも思うのだけれど、これは子供の頃からだ。
ついでに言うと、私は家にある物ならば食べてしまうが、それも母からしたら「卑しい」「あさましい」らしい。
「弟に残しておこうとか、譲ってあげようと思わないの?」と。
とはいえそんなに量を必要としないので、いわゆる”食いつくし系”ではないと思う。自分では。
こういうのも”食育”とかいうのだろうか。
ならば残念ながら私の食育は失敗に終わったんだろうと思う。
つづく
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