30.小3にして自堕落に不登校

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両親と小さな弟がストリップ劇場の巡業へ行くと、また祖父母と食事を共にする生活になる。
それ以外はだだっ広い一軒家に一人ぼっちだ。
初めて”自由”だと感じられた。

小さな弟は可愛かったけれど、性別も違うし年齢も離れていたし”一緒に遊ぶ”という感覚は程遠かった。
それにお世話はよくしていた方だと思う。
自我が出てくるまでは、私の後をくっついてきて可愛かったけれど。
弟は無条件に親を愛していた。
なんだかその光景が、不気味なものに思えたのだ。
「この子はまだ何も知らないから仕方ない」
という気持ちと
「何も知らないなんて羨ましいな」
という気持ちが複雑に積み重なっていた。
相変わらず両親は喧嘩が絶えなかったし、家族がいる家というのはどうにも落ち着かないものになっていたから。

ある朝、寝坊して気付いた。
「学校行く必要、あるかな?」
家族が家にいるのもしんどかったけれど、やっぱり私は学校という場所そのものに馴染めていなかった。
友達が少しは出来てきたけれど、”自分の居場所”とも思えないし。
結局のところ、疲れるのだ。
誰かと過ごす事に向いていないのかもしれない。

遅刻して行くのも恥ずかしいし、休んじゃおう!
祖母には腹痛だと言って欠席の連絡をしてもらった。
家に娯楽がいっぱいある!というわけでもないのに、私は学校を休んだ。
そこから自堕落な生活が始まった。

特にしたい事もない。
母は知り合いからもらったホラー漫画をたくさん持っていたので、ひっぱり出してきて片っ端から読みふけった。
ホラー雑誌によってエロ要素がふんだんにあるものと、全くないものの何が違うのだろう?
っていうか何でエロとホラーが交じり合うの?
これはアラフォーになった今でも解けない謎だ。

翌日もまた同じような生活を送る。
雨戸も開けず、暗い部屋でマンガを読みふけった。
食事も一日一食で問題ないと気付いた。
その代わり、氷を貪り食うようになっていた。
ガリガリと歯が氷を砕く音が気持ちいい。
まさに”無”になれる瞬間だった。
いつの間にか氷を食べる事をやめられなくなっていた。
それが”氷食症”というものだと知ったのは大人になってからだった。(貧血からくるものです)

そして、お風呂にも入らなかった。
めんどくさい。
誰に怒られるわけでもないし。
元々髪の多い私は洗髪が苦手だったし。
誰に会うわけでもない。
入る理由が見つからなかった。
でも数日すると自分の異変に気付く。
フケだ。
そういえば頭を洗っていないせいか痒いし、白い粉が指先についていた。

そういえば学校にいる知的障害を持っている子が
「あいつの机の周り、フケが落ちてるから汚いよ」
と噂になっているのを聞いた事がある。
知的障害だからみんなに避けられていたのではない。
強烈な匂いがするからだ。
そうか、きっと今、私も臭いのか。

それはさすがに恥ずかしい。
ようやくできた友達さえ失ってしまう。
でも自堕落に過ごしたい。
私はいつもフケが出ないギリギリのラインを狙っていた。

(汚すぎて書いてても自分に引く。。)


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