北大路魯山人展と同時開催の展示見たよ
11月2日現在近美にて開催されている「北大路魯山人展」と同時開催されている「揺さぶる絵 変貌する日本画のイメージ」を見に行きました。感想をざっくばらんに。
魯山人では西洋美術の潮流に影響を受け日本の画壇が大きく変貌していくその最中を体感したような華やかで勢いのある展示でした。
写実性が高まる日本画は西洋の油絵をナポリタンとするならそうめんのような爽やかであっさりした中にコクを感じる作品が多い印象でした。以前のものと比較して構図も色使いもより大胆に空気感を感じさせるようなものだったと思います。西洋美術が入る以前の日本画の持つ特徴を動のダイナミズムとするなら、以後の日本画には静のダイナミズムが強く現れ出したなと感じました。
一方の揺さぶる絵展は前述展示の時代からおよそ40〜60年程経った時代の作品が並び、日本画壇は西洋美術からの教習がひと段落し、精神的、概念的な方法によるアプローチが多く散見されました。世界大戦と戦後復興の激動の時代の中で作品の性質は作者がその瞬間に体感した激しい情動や衝撃を直に焼き残したかのような、荒々しさがありました。混沌とした環境の中で作品は作者と鑑賞者により密接に寄り添うようなパーソナルなものへと変化したのかもしれません。特筆したいのは片岡珠世氏の作品です。ユーモアがありながらあらゆる実験を重ねて描いた緻密な画面構成にとても惹かれ、現代美術という新たなステージへ先陣に立ち果敢なアプローチをし続けた彼女の作品群にはえも言えぬエネルギーが満ちており、片岡珠世という画家を知れたのが今回の展示においてかなりの収穫であったと感じます。
魯山人の陶芸品については教養や関心を養えていない点であまり印象を持てなかったのがとても残念です。少しは予習をしようと思います。
魯山人展なのに.…(泣)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?