円滑にプロジェクトを進めるスキル

ベンダーコントロールではよく起こるトラブルがあり、今回はその事例を紹介します。製品の設計や製造、テストなどを担当するベンダーが複数存在する、大規模なプロジェクトがありました。ある日、主となるベンダーのA社から、品質に関する不具合やバグが発生していると、製造工程での問題が報告されたのです。A社は改善策や修正案を提示しましたが、それによって他のベンダーの工程にどのような影響が及ぶのかが不明でした。

こうした場合、ベンダーコントロールの担当者は単にA社の問題解決に焦点を当てるだけでなく、他のベンダーも巻き込みながら状況を評価する必要があります。たとえば、B社は製品の設計を担当し、C社はテストと品質管理を担当していたとしましょう。

A社の提案が採用されると、設計や品質管理に関わる他のベンダーも変更が必要になる可能性があるのです。ベンダーコントロールでは、まずA社の提案内容を詳しく検討し、それが他のベンダーに与える影響を予測します。次に、B社とC社の担当者と連携し、A社の提案が他の工程にどのような変更が必要になるのかを話し合うのです。

最終的に担当者が顧客に対して、A社の提案とそれに伴う影響を説明することになるでしょう。アプローチをすることで、プロジェクト全体の円滑な進行を図りつつ、ベンダー間の調整と協力を確保できるのです。ベンダーコントロールではエンジニアのスキルだけでなく、こうした幅広いスキルが求められます。