守り神の龍
この神社かな?この3つの祠。お父さん達が言ってたの。きっとそうだな。大きな木もあるし。
本当にここに来てお願い事したら叶うのかな?
僕は、小学四年生。
ここにお参りに来たんだ。
どうするんだっけ?
あ、お賽銭を入れて鈴を鳴らして…それから。。
『住所は?お名前は?』
『あ、僕は…』
住所と名前を言って、ハッとした。
『え?誰?』
誰もいない。
優しい女の人の声だった。
キョロキョロしてると。
『2回おじぎして2回手を叩くんだ』
『は、はい!』
え?今度は男の人?
誰?何??
ふと、見上げた。
え?浮いてる?
綺麗な女の人と凛々しい男の人が祠の上に立ってる。
不思議と僕は怖くなかった。
『お前、リュウジっていうのか?』
『う、うん』
『前にもいたよな。リュウってつく名前の子』
『あ、そうね、あの子の時はだいじょうがお世話したわね』
『そうそう!ま、あの子も素直で良い子だった。あの子の父親もな』
『あのー、リュウって?』
『知ってるのか?』
『近所に中学生のお兄ちゃんがいる』
『年はいくつだ?』
『13歳』
『ほう!あいつもうそんなに大きくなったのか』
『知ってるの?リュウ兄ちゃんのこと』
『ええ、知ってるわ、お兄ちゃんねぇ、フフフ』
『お前の願いは何だ?言ってみな』
僕はちょっと考えた。この人達が神様なの?
お願い事言っていいのかな?
でも、2人とも優しそう。
『えーっと、僕の願い事は弟のことです』
『どこか悪いのか?』
『足。ケガしちゃって早く治って走れるように』
『運動が大好きだから、動けないのが可哀想で』
『そういうことか、どうする?ちよ』
『そうねぇ、弟思いなのは分かるけど、ねぇ、せいじさん、だいじょうに直接会わせてみる?』
『だいじょうか、怖がらないか?』
『この子本当に弟の事心配して1人でここまで来てるのよ。だいじょうを見てどんな色に見えるか見てもらいましょう。それから考えましょう』
『うん、そうだな。おい、お前に会わせたい奴がいる。決して怖がるなよ。怖がって逃げ出したら、お前の願いは叶わないぞ。』
『せいじさん、そんなに怖がらせてはダメよ。リュウジ大丈夫よ。さぁいらっしゃい』
ちよさんは僕の肩に手を置いてそばにいてくれた。せいじさんも僕の隣に来てくれた。
格好は着物。どこの人だろ?
すると、強い風が吹いた。
目を開けてられない!!
やがて風がおさまった。
僕は目を開けた。
あっ!!
僕は声が出なかった。
でも、怖くない。全然怖くない。
金色の光に包まれて透き通るような青い色の龍だった!!
『ぼうず、私の姿がそう見えるのか?』
『うん、とっても綺麗だよ!』
『ハッハッハッハ、そうか、お前の心は透き通るように綺麗だな。よーし、その願い叶えてやる』
綺麗な龍は笑って言った。
『だいじょう、ありがとう。』
そう2人が言うと、また強い風が吹いた。
目を開けるとあの綺麗な龍はいなかった。
『リュウジこれであなたの願いは叶えられたわ』
『お前、良かったな!』
『う、うん!ねぇ、あの龍は?』
『お前の住んでる町の守り神だ。俺たちとここでずっと見守ってるんだ』
みんなが言ってた事、本当だったんだ!!
『ありがと!ねぇ、また来てもいい?』
『いいわよ』
『ありがとう!!』
僕は不思議だった、でも、とっても気持ち良かったんだ!!
心がとっても気持ち良かったんだ!!
おしまい
🍀最後までお読み下さりありがとうございます。
また、書いてしまいました。何作目でしょう?🤭これまでに書いたお話し全部繋がってる感じに😁
もういいよ〜って思われるかも?😅と、思いながらも、龍神が大好きな私です🐉
ヘッダーはマキさんのイラスト!私がお願いして使わせていただきました😊マキさんありがとうございます💕✨
これまで書いた龍神のお話しです🐉
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