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第94回全国高等学校野球選手権埼玉大会準々決勝

花咲徳栄ー浦和学院

第94回全国高等学校野球選手権埼玉大会準々決勝 試合実況


 
花咲徳栄ー浦和学院   県営大宮公園球場
 

見どころ


どちらの高校も強豪校同士。打線も素晴らしいですし、ピッチャーもいい。
とても楽しみな試合だ。どちらが先に先制点を取るのか。そしてどのように試合を優位に進めていくかが見物だ。そして花咲徳栄も浦和学院の名監督の采配にも注目だ。

先発


花咲ー高橋 189センチ
浦和ー佐藤 172センチ
 

1回おもて


先頭の関口がショートのエラーで出塁。浦和学院はこの地方大会で初の失策。0アウト1塁で山本。浦和学院のエース佐藤は小柄な体格だが体を低重心で投げてくる。コントロールがよさそうだ。球速はあまり速くないがコントロールで勝負していく感じか。山本はライトフライ。三番の楠本。好打者だ。そして好調だ。しかし楠本の打球はキャッチャーフライ、ランナーはタッチアップして2塁でタッチアウト。3アウト。0-0

1回うら


先頭は竹村。いきなり死球。0アウト1塁。花咲の高橋は体格は189センチ89キロ十いう申し分のない体格だ。ピッチャーらしい体格といっていいだろう。球速はあまりないが重そうな球質だ。バントでしっかり送って1アウト2塁。3番でピッチャーの佐藤だったがセカンドゴロ。バッターは4番の山根。この試合前までの打率.769 {13-10}と当たりに当たっている。しかもまだ2年生だ。期待されたが三振で3アウト。0-0

2回おもて


4番の加藤から。死球で出塁。この回で試合が動いてきそうな雰囲気だ。5番の若月がバントの構え。きっちり送れるか。しかし予想に反して連続死球。0アウト1,2塁。花咲にとっては願ってもないチャンスが訪れた。打席には藤原。まずは1点を取りに来るか。浦和学院の佐藤はコントロールに苦しんでいる。普段のピッチングとは程遠い感じだ。しかしバントの構えから見逃したところで2塁ランナーが飛び出してしまい1アウト1塁。藤原はショートゴロ。2アウト2塁でこの回3個目のデットボール。2アウト1,2塁。打席にはピッチャーの高橋。佐藤は少し心配になる投球だ。右バッターのインコースがことごとく死球となっている。しかしインコースにしつこく放ってくる。結果はピッチャーゴロ。どうなるかと思ったが結果的に花咲徳栄は無得点でチェンジ。0-0

2回うら


この回から先程デッドボールを受けた高橋に代わって上田が急遽マウンドに。こんな早い段階で継投になるとは花咲徳栄は思ってもいなかっただろう。上田は緊急登板、期待にこたえられるか。この回は5番の笹川から始まる。ピッチャーの上田はセットポジションからの投球。身長はあまりないが腕が振れていていいピッチャーだ。笹川はセンター前ヒットで出塁。高田が送って明石に打席が回る。1アウト2塁。上田はスライダーの切れがいい印象だ。実績はあるようだ。しかし四球を出してしまう。8番の西岡が打席に。1アウト2塁。まだ上田は試合の流れに乗り切れていないか。少し浮足だっている。ちなみに先発の高橋は右手の裂傷で降板したようだ。西岡は高めのボール球をセンターへタイムリーヒット。欲しかった先制点を浦和学院が奪った。なおも1アウト2,1塁。緑川がバントで送って2アウト2,3塁。きっちり送ってきた。ここで一番バッターの竹村が打席に。浦和学院は追加点を奪いたいところだ。花咲徳栄はなんとか1点で抑えたいところ。上田はコントロールが安定しない。だがなんとかサードフライに抑えてチェンジ。1-0

3回おもて


野沢はサードゴロ。1アウト。関口が打席に。花咲徳栄は歴代の左バッターは好打者が多い印象。センターフライ、セカンドゴロで三者凡退。いいリズムで佐藤が抑えた。

3回うら


林崎が打席に入る。結果は低めにいいスライダーが決まり空振三振。続く佐藤がセンターフライ。2アウト。ここで4番の山根が打席に。死球で出塁。2アウト1塁。5番の笹川が打席に。サードゴロに上田が抑えてランナーを出すが抑えた。1-0

4回おもて


3番の楠本が大きな当たりで左中間にナイスバッティング。0アウト2塁。花咲徳栄は初ヒット。バントで送って1アウト3塁。5番の若月。当たりはショートゴロ。ホームに返す事はできず。藤原が打席に。2アウト3塁。どうしても花咲徳栄はこの場面で追いつきたいところ。しかしインコースの真っすぐに詰まってしまいセカンドゴロ。3アウト。1-0

4回うら


高田はサードゴロ。上田はまだ変化球が浮いている。もう少し低めに投げ込みたいところ。ここでまたデッドボール。1アウト1塁で西岡。ここでヒットエンドラン。外角のスライダーをセンターにはじき返す。エンドランが決まったのはこれで二回目。森采配が成功している。次のバッターはファーストゴロ、その間にホーム突入でタッチアウト。1-0

5回おもて


まず先頭がアウトになり打席はピッチャーの上田。しかしピッチャーごろ。2アウト。野沢が打席に。浦和学院の佐藤はテンポよく打たせて取って3アウト。1-0

5回うら

先頭はセカンドの好守で1アウト。両チーム守備が鍛え上げられている。1アウトから林崎が出塁。1アウト1塁。打席はピッチャーの佐藤。打撃は前評判の高い打者だ。チームで一番の好打者らしい。期待できる。佐藤はしぶとくライト前へ1塁ランナーは3塁まで進みこれで1アウト3,1塁。浦和学院は追加点の大チャンス。4番の山根。花咲徳栄は絶対に0点で抑え込みたいところ。ここでなんと1塁への牽制暴投。思わぬところで花咲徳栄は追加点を許してしまう。もったいない。2-0。笹川が続けるか。しかしセンターフライでチェンジ。前半を2-0で折り返す。試合は拮抗したいい試合だ。後半はどんな試合展開になっていくか。

6回おもて


これから後半戦スタート。花咲徳栄は1番バッターの関口から。結果はセカンドゴロ。先頭は出ることができなかった。2番の山本が打席に。この回が点数が入らないと花咲にとっては苦しくなる。山本もセカンドゴロ。楠本が打席に。好打者の楠本が高めを叩いてライト前ヒット。出したかったランナーを出すことができた。加藤は続きたいところだったが、ピッチャーごろ。3アウト。2-0

6回うら


先頭がキャッチャーフライ、明石がファーストフライ。テンポよく2アウトまで取ったが、西岡がライト前ヒット。2アウトからランナーを出す。しかし緑川はセカンドゴロ。3アウト。2-0

7回おもて


この回はセンターフライ2つで2アウト。やはり浦和学院の佐藤は安定したピッチングが続く。松本が2アウトから佐藤のカーブが浮いたところを叩いてレフト前ヒット。チーム3本目のヒット。しかし上田がショートゴロ。2-0

7回うら


竹村が変化球を逆方向へレフト前ヒット。大事なランナーが0アウトから出塁。林崎が送って、ピッチャーの好打者の佐藤が打席に。ここでの追加点は非常に大きいものになる。しかし佐藤は大きなライト犠牲フライ。2アウト3塁。バッターは4番の山根。しかし花咲の上田も粘りのピッチングで抑え込んでいる。2回からの緊急登板だったが、指揮官にとっては十分過ぎる結果に。結果山根はセンターフライ。
2-0

8回おもて


ライトフライ、ピッチャーごろで2球で2アウト。少しあっさりしすぎている。四球でランナーを出したが、好打者の楠本に期待が高まったが、セカンドフライ。2-0

8回うら


先頭はセカンドフライ。6番の高田が打席に。上田はテンポよく、気持ちよく投げ込んでいる様子だ。高田もスライダーで三振。上田のスライダーの切れが増している印象だ。明石もレフトフライで3アウト。2-0

9回おもて


先頭の加藤がライト前ヒットで2点を追う花咲は何としてでも続きたい。しかし若月、藤原とアウトとなる。0アウトでランナーを出すがあっさりと2アウトになってしまう。代打は小林。ここでもう終わってしまうのかと思われたが、小林がセンターへ大きな打球。センターを超すタイムリー3ベース。執念の気持ちのこもったタイムリーだった。ここで1年生の代打古川が打席に。追いつけるか花咲。抑えられるか浦佐学院佐藤。最後は古川の打球がセンターへ抜けるかどうかの打球をセカンドの緑川が好守でセカンドゴロに。ここぞの所でファインプレーが出た。試合終了。2-1浦和学院が2-1で花咲徳栄を下す試合となった。浦和学院が準決勝に進出。
 

試合の感想


花咲徳栄と浦和学院の強豪校対決。ロースコアの接戦が期待されていたが、そのとおりになった。2回に浦和学院佐藤が突然崩れたがここで大崩れしないで0点に抑えたのが結果的に大きかった。この2回に花咲徳栄のピッチャー高橋がアクシデントに見舞われ右手を裂傷してしまう緊急事態が起きてしまい、結局2回の裏からは上田が緊急登板する形に。その上田はマウンドに上がって落ち着くことができずに1点を先制されてしまう。5回には牽制球悪送球で追加点を許してしまう。花咲のピッチャー上田は牽制球がとても上手くもったいなかった。花咲徳栄は9回になんとか1点をかえすのがやっとで2-1で浦和学院が勝利する試合となった。浦和学院の佐藤は2回こそ崩れたがそのほかのイニングは粘りのピッチングでコースもよくとても安定したピッチングだった。本当に危なげない見事なピッチングで抑え込んだ。ピッチャーの佐藤は球が見るからに速いわけではないし、変化球も驚くほど曲がる球を持っているわけではないが、やはりメンタルが安定していたり、終始落ち着いて投げていたので抑えることができたのか。しかし強豪校対決、予想通りの締った接戦となる試合。高校野球好きにはたまらない試合となった。