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タイ旅行を10倍楽しめるイサーン語遊び


前職の会社はバンコクの食器屋に頼んでオリジナル柄の皿をオーダーメイドして店で使っていたので、年に一度くらい社員旅行を兼ね、何人かでバンコクに食器を買い付けに行っていた。

1回目の買付けの時に、ちょっとした遊びを思いつき、面白かったので続けてる遊びが1つある…

その遊びとはどういう遊びかというと、仲良しのお馬鹿イサーン人コックのティンから普通の日本人は使わない、「タイ人オバちゃんにウケるイサーン語」を教えて貰って、意味は教えてもらわずに、現地のタイ人のオバちゃんに言ってリアクションを楽しむ…

と言う、くだらない遊びなのだが、コレがかなりドキドキして、スリル満点の遊びなのだ!

一回目のイサーン語は「コイシア」だった。

ティンの教えるタイ語なので、卑猥な言葉という事は容易に想像がつくのだが、程度がわからないし、「タイ人はカッっとすると何するかわかんない奴率が日本人より高い」ので、差別的な言葉や強烈なスラングはやめろよっ!
あと、長いのはダメ、忘れちゃうから!

と、ティンに真顔で言っておくのだが、「カオチャイ、カオチャイ」ワカッタ、ワカッタ、ダイヨブ!
と、ニヤニヤしながら教えてもらったのが「コイシア」と言うイサーン語だった…

いざ言うとなると、言った途端にブチ切れられ、刺されたりしないだろうなぁ…

とか、
若い頃、コサムイに行った時に朝っぱらからオカマ同士の喧嘩で、ナイフで刺されて血だらけになって大騒ぎしてたのが頭をよぎったりして、かなりドキドキしてスリリングなのだ。

ターゲットは、マッサージ屋のオバちゃんがいいだろう?
と、ホテルの近くの少し大きめのマッサージ屋に入ってみた…

ターゲットとなる俺についたオバちゃんは、ニコニコした感じの良いオバちゃんだった。

このおばちゃんなら大丈夫そうだな…
まずは、「サワディー カップ」とワイをして、礼儀正しく挨拶。

当然オバちゃんもワイをして挨拶してくる。
そして、マッサージ用のダボダボの服に着替えマッサージ開始…

当時のバンコクの比較的ローカルな場所にあるタイマッサージ屋のオバちゃんは、英語や日本語がカタコトでも喋れる人は殆どいない。

なので、大概のオバちゃんは無言で目がたまに合った時だけ「ニコっ」っとし、マッサージを淡々とこなしていく感じで、
このオバちゃんもそうだった…

マッサージを受けながら、さて「コイシア」ってどう言ったら良いもんか?

唐突に「コイシア!」って言ってもつまんないし…
とは言え、俺のタイ語力じゃ面白い使い方も出来ないし…

しょうがないから、俺でも言えるタイ語となると「自己紹介」形式で、俺の名前は「コイシア」って事にすれば、もし「コイシア」がヤバいワードでも「コイシア」は俺の事になるから、少なくとも相手を侮辱する事になる確率は低いだろう…

と、俺なりに緻密な計算を立てて「コイシア」を試す事にした…

マッサージが中盤に差し掛かった頃、起き上がる様にと「アッ、アッ」と言いながらうつ伏せ状態からおばちゃんに腕を引っ張られ、起こされた時に「よしっ、今だ!」と覚悟を決め、

「クン チュー アライ カップ?」
お名前は?

とオバちゃんに話し掛けたら、「ナムフォン カー」と笑顔で名乗ってくれた。

「ポム チュー コイシア カップ!」(僕の名前はコイシアですっ!)
と、ドキドキしながら言ってみた。

するとオバちゃんは「アライカ〜?チュー アライ カァ〜?」えっ?何て名前?
と、「まさか?」とでも言いたげな顔で聞いて来たので、もう一度、大きな声で

「ポム チュー コイシア カップ!」
と言ったら、オバちゃんが、「コイシア?」
と、再び聞き返して来たので、
「チャイ、コイシア!」と言うと。
「間違えねぇ、こいつコイシアって言ってる!」
と言う顔して、恥ずかしい様な嬉しい様なグチャグチャな様子で、俺の腕をバシバシ叩きながら爆笑し始めた…

そしてオバちゃんはゲラゲラ笑いながらスクッと立ち上がり、大声で「変な日本人ハッケ〜〜ン!」みたいなタイ語を叫びその場から走り去って行った…

えっ、何処に行ったんだあのおばちゃんは?

と、想像以上の大ウケに満足しながら待っていたら、すぐに下の階からドタバタと大人数の足音が聞こえて来た。

おばちゃんは、下でお客を待っていた同僚を4〜5人連れて来て、俺に向かってタイ語で「もう一度言ってみて!」というので、「よっしゃぁ〜〜!」と、心の中でガッツボーズし、
調子に乗って立ち上がり、直立不動でもう一度大きな声で「ポム チュー コイシア カップ!」と言うと、爆笑の嵐が吹き荒れ、マッサージ屋は大騒ぎとなった…

帰国後、タイ人コック達の前でその事を報告すると、みんな激しく爆笑し、「ハジュカシイ!ハジュカシイ!」と言っている。

何が恥ずかしいんだよっ!
ティン!早く「コイシア」の日本語を教えろ!

するとティンが「コイシア」は
「チ○コ カワ ナイ ゼンブ カワ ナイ!」と言って泣きながら爆笑し、教えてくれた。

「コイシア」とは、日本語すると「ズルムケ チ○ンコ」と言う意味だった…

それを聞いた俺は全く笑えず、
チョット待てよ…
つまり俺のした事は、いい大人がバンコクのマッサージ屋に行って、仕事中のおばさんに、嬉しそうに直立不動で何度も「僕の名前はズルムケ チ○コですっ!」と言っていい気になっていたのかぁ…

と思った途端に、余りのくだらなさに笑いが込み上げて来てタイ人達としばし爆笑し、

よしっ!
じゃあ、この逆バージョンでティンにコンビニに行かせて、レジの人に「すっとこどっこいを1つください!」
と言わせよう!
と、ティンに「すっとこどっこい」
を教えても、全く言えずに断念しました…

皆さんも是非タイ旅行に行く際にはお試しください!

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