🎬真実の行方 感想
敏腕弁護士マーティン・ベイルはカトリック大司教の惨殺事件の犯人アーロンの弁護を買って出る。
第一級殺人罪で死刑を求刑されたアーロンを無罪にするためありとあらゆる手を使って弁護するマーティンだったが、証拠を集めるうちに大司教が関わった巨悪の影や許されない行為が明らかになっていく。
当初功名心だけに取り憑かれているように見えるマーティンに意外な信念が垣間見える展開を、リチャード・ギアが深みのある人物として演じていて魅力的。
法廷劇として次第に隠された真実が明らかになり、攻守逆転が繰り返される展開は見応えがある。
マーティンも含め何人もの登場人物に隠された顔がいくつもある展開は、その人物の"真実"とはどの顔なのか?実は人間はいくつもの隠した顔を持っていて、"真実"というものは必ずしも目には見えないものなのではないか?という普遍的真理を問いかけていて興味深い。
ただ結末については、この作品よりも後に似たような結末の映画が作られていて、自分がそちらを先に観てしまっているためだいたい予想できてしまった。30年前の映画なので仕方ないが、この映画のほうを先に観ていたら驚きは必至だったと思う。
それにしても、アーロン役のエドワード・ノートンがオーデションから選出された映画初出演の俳優とは思えない鬼気迫る演技を見せているのはすごい。その後のキャリアを考えると、この映画こそノートンらしさを形作った記念碑的作品と言える気がする。
また個性派フランシス・マクドーマンドが重要な役で出演しているのも味わい深く、ファンにはうれしい限り。
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