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🎬ボーン・アルティメイタム 感想

記憶のない暗殺者『ジェイソン・ボーン』シリーズ第3弾にして完結編。
『アイデンティティー』『スプレマシー』と観てしまったら本作を観ないわけにはいかない。

再びCIAの前に姿を現した最重要人物ジェイソン・ボーンは、CIAに追われながらも自分を作ったのが誰かという謎に迫っていく。

このシリーズの見どころであるリアリティは今回も健在。ボーンは秘密兵器など使わず、ほぼ生身だけで巨大な敵と渡り合う。
「トレッド・ストーン作戦」はボーンの活躍で中止に追い込まれたが、CIAは極秘裏にさらにブラッシュアップされた超法規的な「ブラックブライアー作戦」を発動していた。
CIAの「ブラックブライアー」司令センターがニューヨークの普通のビルの事務所にあり、職員がパソコンを操り世界中の監視カメラや携帯電話を傍受して現地での作戦行動を指示する様子は9.11以後よく見られる光景だがリアル。
しかし超人的作戦遂行能力を発揮するボーンは司令センターの指揮官ノア・ヴォーゼンの何手も先を読み、ターゲットへと確実に近づいていく。
無双のボーンの強さはいつもながら爽快。
また今回はボーンの記憶が抜け落ちていたことで準レギュラーの"あの人"との意外な過去が明らかになり、行動をともにする展開もおもしろい。
『スプレマシー』に続いてボーンを追う側にパメラ・ランディが加わるのだが、ボーンに誘導され秘匿されている「ブラックブライアー作戦」の真実に迫っていくのはスリルがある。
またこのシリーズの究極の謎「誰がボーンを作ったのか?」がついに明かされるのはシリーズ完結編にふさわしい。
ボーン誕生に深く関わる人物として、アルバート・フィニーが登場するのもラスボス感があってよかった。

3作をとおして"ジェイソン・ボーン"に人物としての深みを与えたマット・デイモンのキャラクターづくりがやはりこのシリーズ成功の要因だと考えると、ボーン3作がその後のデイモンのキャリアをより厚みのあるものに方向づけたと言っていいと思う。『フォードvsフェラーリ』、『AIR/エア』は最近の出演作で特に好き。

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