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小説 縁 高校生活

高校は寄宿舎生活だった。山の中にあって個室が与えられ自由に過ごせる。

私は最高点で入った特待生。授業料も生活費も無料だ。必死に勉強してよかった。母の負担もほとんどない。

朝、精神統一の時間があって、みんな校庭に並んで無の時間を過ごすように言われる。

いろんなことを考えてしまう私を見抜き、指導の先生が「無の時間を」と注意する。どうもうまくいかない。

新入生はみんなそんな感じで指導の先生の「無の時間を」という声が何度も聞こえる。

そんな朝を過ごしてから、普通に高校生活が始まる。勉強、悪ふざけ、体育の時間で走り回ったり、学園祭の催しをみんなで考えたり、女子はファッションについて語り合う。

男女交際は禁止だというけど隠れて付き合ってるのもちらほら。

1学年50人でみんな仲良しだ。喧嘩もあるけどすぐ仲良くなる。時間が止まってほしいくらいだ。

想像通りの楽しい高校生活。たまに創造の時間というのがあって好きなことをする授業がある。みんなそれに夢中になる。

あっという間に楽しい時間が過ぎ、3年になると大学の推薦や大学受験に必死になってみんな一変する。そして、進路が決まっていき卒業だ。私は家の近くの大学に決め合格した。母とまた暮らしたい。

開眼 につづく

序章→中学で→フリースクール→高校生活→開眼

全6話

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