見出し画像

(2024年2月)上野でみた大道芸 その1

2024年2月の、とある土曜日に見たもの。

2月上旬三連休の初日。
昼間は厚手の上着がいらないくらいな暖かさであったものの、朝はまだ寒さが厳しく人々の行動の出足が遅い、そんな日に西郷隆盛で有名な上野公園へ行きました。

西郷隆盛像近くの階段を降りていくと、小さな人だかりがありました。
特に音楽もないその空間で、男性がコインを使った芸を見せていました。
右腕の手の甲に乗せたコインを空中にあげ、自らキャッチ。
なんかそれぐらいなら誰でも出来そー、と思って見ていると、手の甲の他にもう一枚コインを手首のあたりに乗せて、同様に空中にあげ、自らキャッチ。
さらに手首に乗せたコインの隣にもう一枚コインを追加し3枚にして、空中にあげ、自らキャッチ。
さらにさらに手の甲から肘にかけて4枚のコインを並べて投げ上げ、自らキャッチ。
すいません、とても真似できそうにありませんでした。
右腕に3枚のコイン、左腕に同じく3枚のコイン、左右の腕を軽く振るようにすると、右手と左手、それぞれ3枚、合わせて6枚のコインをキャッチ。
手で握られる瞬間、コインが手の中でぶつかり合うカチカチカチという音が心地よく響きました。
地味だけど、すごい。
見ている人たちも思わず感嘆の声をあげ、自然と拍手をしてしまいます。
その様子から察するに、その男性は大道芸人の人でそーゆー芸で道ゆく人を楽しませているのでしょう。
派手さはないもののコインだけでこれだけ盛り上げるのってすごいぁ。

大道芸人の人は「膝の関節はずします」と言ったかと思うと、膝から下がありえない角度に曲がってしまい、、。
見てる方としては、そんなことしてお体は大丈夫なんだろうか、と思いつつ。
もっと頑張れば、ボストンバッグに入れるんじゃないか、と思いつつ。
でも寿命を縮めてしまうことになるかもしれない、と思いつつ。
そんな飛吉の心配をよそに、大道芸人の人は「今度は足首を」と言う。
両手で靴を掴みながら、足首を回転させていくと、今度は足首がありえない角度に!!
と思ったら子ども達から「脱いでる!脱いでる!」の声。
足首を回転させるようにしながら靴を脱いでるだけでした。
ここで笑い。
いや、大人であってもこーゆーのを見て笑えるっていうのは、人生を得していると思います。

パントマイム的な異様な動きをしながら、子ども達の声にうまく反応する大道芸人の人。
そのあともペットボトルやルービックキューブを使ったり、細かいながらもついつい見入ってしまう芸が繰り出されて行きました。
そして華やかなエメラルド色の水晶、ここまでのその大道芸人の人の使う道具と比べると実に華やかさが際立つ色の水晶を手にし、操り始めました。
動きはやっぱり地味でした。

やってることが細かかったり地味だったりするけれど、どこか楽しい。
いわば地味の楽園です。
大道芸人の人の体に吸い付くように動き回る水晶玉は不思議と見ていて飽きないものがありました。
お客さんのスマホから流れる音楽を使う即興のなかで4個の水晶玉が大道芸人の人の手のひらのうえでウニュウニュと回転までしていました。
ショー冒頭で子ども達と約束をしたと言うコマを遥か上空まで高々とあげ、見事にキャッチして最後が締めくくられました。

基本的にBGM的な音楽もなく声を張り上げながら続けるパフォーマンスではあったけれど、お客さんとのコミュニケーションを成り立てながらの大道芸に、見てて楽しい気分になれて、また見たいなと思えるのでした。

(2024年2月)上野でみた大道芸 その2 につづく


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?