見出し画像

(2024年2月)上野でみた大道芸 その2 前編

(つづき)

2月上旬の三連休初日の土曜日はまずまずのお天気で、上野公園への人出も昼過ぎから順調に増えて行き。
西郷隆盛像の前を通り、公園内部へと歩いて行きました。
すると、サングラスをかけトランクを片手に持ち、赤いマフラーで頭を覆うようにし、歩行体勢のまま止まってる人がいました。
足を前後に開き歩き出しそうだけれど、歩行体勢のまま止まってる人。
なんじゃらほい?と思った飛吉は、遠巻きに観察開始。
美術館へ行くのか、博物館へ行くのか、動物園へ行くのか、ただの散歩なのか、上野公園内を次々に人が歩いて行きます。
歩き通り過ぎていく人々のなかに、動かずに「歩行体勢のまま止まってる人」がいる図がなんともシュールです。
しかし飛吉と同じように、歩行体勢のまま止まってる人に興味をもち足をとめ見ている人もちらほら。
歩行体勢のまま止まってる人は、やおら動き出しました。
そして唐突に皿回しを始めました。
唐突すぎる(笑
ぱらぱらとした拍手に、これから大道芸を始めたいのでもっと近くに寄って欲しいと、やや離れたところにいた親子に言いました。
歩行体勢のまま止まってる人あらため唐突な皿回しの人は、大道芸人の人だったのです。
そういえば確かに持っていたトランクに「ストリートシネマパントマイム」と書かれていました。

お客さんの一人にルービックキューブを渡しゴチャ混ぜに回転させてもらいました。
そのルービックキューブを受け取ると、どこからともなくミッ◯ョン:イン◯ッシブルのテーマ曲が流れてきました。
大道芸人の人はテーマ曲をBGMに軽やかにルービックキューブを回転させて行きました。
そして曲の終わりと同時にドヤ顔でルービックキューブをお客さんの方へ見せました。
すると!
わずかな時間でルービックキューブが見事に一面だけ揃っているではないですか!!
なにか微妙な空気。
一面だけ?
ルービックキューブは六面あるので、六面すべて揃えるとすごいのですが。
残念ながら揃っていたのは一面だけでした、、、。
うっすらとした拍手。
一面だけのルービックキューブというのも半端過ぎると思ったのか、大道芸人の人が再びルービックキューブを回していると、、、今度こそ六面が揃いました!
一面の時よりも6倍の拍手が起こりました。

大道芸人の人が言うには、スパイアクションをモチーフにした映画のようなパントマイムショーを見せてくれるとのこと。
「近くで見てください」「前に来てください」の声がけに少しずつ増えて来たお客さんを前に、大道芸人の人の手には黒電話の受話器(電話機そのものはない、受話器のみ)。
その受話器に電話がかかってきた模様。
ミッションでしょうか。
ダイナマイト(のおもちゃ)がセッティングされました。
スパイアクションぽいです。
大きなトランクのなかをまさぐる大道芸人の人。
・・・なにかガッカリしたご様子。
曰く。
「ダイナマイトに向かってムチでパチンとやろうと思ったんだけど、ムチを忘れて来ました。なので、ストーリーを変えます」
予定調和ではないのも大道芸の良いところです。

(2024年2月)上野でみた大道芸 その2後編 につづく


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?