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戦場のメリークリスマス

昨日録画していた戦場のメリークリスマスを見て、急に感想を書きたくなったワタクシ。
知り合いが見ているインスタに長文を投稿するのは気が引けるし、Twitterはやっていなくて文字数も限られるだろうしで、昔一時期やっていたnoteを思い出して、再登録を✨
懐かしい!!途中書くことが面倒になって全部消して辞めたけど、もう一度やるか。^o^

ー本題ー

というわけで、昨日初めて全部見たのですが、
内容は結構難しい…自分なりに解釈して、でも世間はどんな感想を出しているんだろうかと気になり、ネットでポチポチ調べ、、、
びっくり!!予備知識なしで見たから、まさかヨノイ大尉が坂本龍一本人だったなんて!!
全然気づかなかった…こんな男らしい役をやる人とは…そんでもって繊細…若い時こんな顔だったのね。。。
ついでに音楽も作曲していますもんね…凄い。
デヴィッドボウイに、ビート武に、内田裕也も少し出ていたり、なんというかキャストの組み合わせもめずらしく、奇妙で不思議な。
普通の戦争映画とはまた違った角度からの戦争を描いている、残酷な状況の中で光る人間性というものを感じました。

同性愛が描かれている???

調べると、この映画は同性愛を描いている!!って出てきて、えええ?!そうなの?!と驚く私。全く気付かなかった…
まず出だしのカネモトと、デ•ヨンのシーン。
カネモトが切腹を命じられていたのは、てっきり敵兵を親切に介抱していたからと思いきや、そうでは無かったのですね、、役者の滑舌が悪くて聞き取れていませんでした💦でもそれがリアルで逆に良いんですけどね。

ヨノイ大尉はデヴィッドボウイが演じたセリアズに一目惚れして、とかなんとか色々ゲイセクシュアルについて語られている感想が多かったけれど、確かにその要素はあったかもしれないけれど、私が見た感覚では、「同性愛」とくくりつけられる愛ではなかったと思うんだよなぁ…。

〜ヨノイ大尉の心情〜


ヨノイ大尉がセリアズに興味を持ったのは、敵国に捕まっていて、今にも死刑判決が出ようとしている空気の中、あの確固たる意志の強い瞳や、怖気付かない姿に人間として魅せられたのではないかと思います。
それにしてもデヴィッドボウイのオッドアイが綺麗やった、、、。

そして、ローレンスから、セリアズの異名を聞き、軍人として優秀なことも知るヨノイ大尉。
敵軍ではあるが、同じく戦地で死線を乗り越えてきた彼に、今までに見たことのない、光る何かを持っていることに興味を示したのですね。
恐らく彼(セリアズ)の奥深くにある心の強さに気付いたヨノイ大尉。
それは、憧れでもあり、敬愛でもあり、尊敬でもあり、信頼でもあり、自分には持っていないものを持っているセリアズに対しての焦りでもあり、もしくは「愛」。でも、この愛はただの恋愛の愛ではない気がしました。

セリアズを気にかけるヨノイは、好きだから気にかける、興味があるから気にかけるのではなくて、何かセリアズに対して怖さを抱いているようにも感じました。
憧れからの怖さというのか。セリアズを知れば知るほど、近づきたくても近づけないもどかしさと共に存在する恐怖心。
そんでもって、いつかセリアズに出し抜かれて、自分が殺される(精神的に殺される)のではないか、自分の正義が壊されるのではないかという恐怖、ヨノイ大尉も自分でも間違っていることは分かっているけれど、けどどうすればいいのか分からない焦り、怖さ、セリアズへの憧れ、彼の精神はグラグラと揺らぎ、暴虐へと導かれるように、自分の感情を弱さだと捉えて隠そうと必死な感じに見えました。

クライマックスで、捕虜の人たちから睨まれるシーンがあるのですが、そこで彼の恐怖心をとても感じました。
けれども、それが戦争を背負うという覚悟にも変わったのか、その後ヒックスリー捕虜長を殺そうとしますが寸前で、セリアズに両頬をキスされて後ろへ、へたれこんでしまうという状況に。

あのシーンは、アメリカでは挨拶がわりにキスをする風習があるので、セリアズはあえて故郷の風習を行い、「同じ人間じゃないか、分かってくれ、」という最大の愛でヨノイの殺人を止めようとしたのかと思いました。
何気ない日常の風習、アメリカでは当たり前の愛の表現。それを日本兵のヨノイにもきっと通じるはず、頼むから間違った道に進まないでくれ、とセリアズの人としての強さが分かるシーンでした。決してゲイだから、キスして、とかそんなことではない。
そして、ヨノイも初めて受ける愛の表現に腰を抜かす様子。愛への恐怖心でもあり、けれど愛に触れるとたちまちその恐怖心が溶かされ、ぐらついて、後ろに倒れ、ヨノイの心にも何かが残りました。

〜リアルで残酷な描写〜

けれどセリアズはそのことにより、結局生き埋めとされ首だけがのぞいている拷問を受けることに。このシーンは本当に戦争の怖さ、残酷さを感じるシーンで、冒頭等の切腹のシーンもリアルで恐ろしく、この映画には沢山の緊迫感あるシーンが散りばめられています。

カネモトの切腹のシーンも、同時にデ•ヨンが舌を噛みちぎって死ぬのですが、デヨンは自殺ではなくて、カネモトの自害を目の前で見て、ショックを受けて、そのショックで舌を間違えて噛んでしまったのではないかと思います。カネモトを想って自害ではなく、人が目の前で自殺し、それを見物するショックですかね…。すごいシーンです。

少し奇妙なのが、セリアズの弟の回想シーン。あのシーンだけ、本当に別の映画を見ているようで、不思議な感覚でした。
愛する弟を想う兄。そして後悔。もう一度弟に会いたい。それがセリアズの強さの根源にも見えましたね。

終盤のセリアズの髪をヨノイが夜こっそりと生き埋めの首に近づき切り取るシーンは、相手の武士の首を切って、勝利を示すものと似ていて、「私はお前に勝った」けれど、逆に自身の負けを認め尊敬を込めている想いがあるのかな…。ヨノイ大尉の心情は複雑で読み取ることが難しかったです、、。
けれど、戦争が終わり戦犯としてヨノイ大尉も処刑される前に、ローレンスに自身の村の神社にこのセリアズの髪を奉納して欲しいと頼んであることからも、セリアズを神として愛している、敬愛している、死んでもなお、もしくは自身がセリアズの元に生きたい、彼の高みへと死んで同じ場所へ行きたい想いがあったのか、奥が深いです。

〜印象的なラスト〜


ラストのハラ軍曹の「メリークリスマス!ミスターローレンス」は実に印象深く、何故か無邪気に笑う少年に見えました。
戦争がなかったら、こんな出会い方をしていなかったら、一緒にクリマスを楽しみたかったな。そんな悲哀を感じさせる言葉と表情でもありました。

いや〜最後も音楽が素晴らしい!!!
ちなみに、宇多田ヒカルがアレンジして出してる「Merry Christmas Mr. Lawrence」もおすすめです。

長々と独自の解釈を見て頂きありがとうございます✨


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