見出し画像

王道のおもしろさと先が読めるつまらなさ#001

晴河です。

本でも映画でも物語には王道のストーリーがあります。
主人公のピンチに現れるライバルだったり、いつも身近にいた仲間が真の黒幕だったり、みんなの力を合わせてラスボスを倒すアレです。
王道は意外性はないかもしれませんが、受け手が期待しているカタルシスをもたらすため、いつでも人気のある展開です。
それと同じような展開にも関わらず、先が読めてつまらなく感じるも同時に存在します。

先日古い警察もののドラマを見ていて、先の展開が読めすぎて最後の山場を前に見るのをやめたことがありました。
いつもであればつまらなかったな、さっさと次の作品を見ようとなるところですが、なぜつまらなかったのかを考えたいなと思います。

まず最初に思いつく原因は、キャラクターに愛着が湧かなかった点です。
主人公となるキャラクターの行動心理がまったく理解できなかったんですよね。
斜に構えていたかと思えば、急に熱血漢になるという振れ幅についていけませんでした。
のちの伏線のために過去に何かあったような描写がありましたが、それとは全然関係性がないことも原因のひとつです。
やはりメインとなるキャラクターにはある程度の共感性、もしくはもっと知りたいと興味を引く何かが必要なのだと思いました。

次に受け手に対してどういうストーリーなのか伝えきれていない点です。
具体的な作品名はあげたくないのですが、警察物のドラマだったのです。
時効まであとわずかの事件をドラマ冒頭に始めてこれを追っていくのかと思いきや、それは思わせぶりでたった2話で終わらせてしまうあっけなさ。(これだけでタイトルがわかるかも)
その後は一話完結型で単調に進んでいくのですが、物語全体の謎についてのヒントが少しずつ過ぎて飽きてきてしまいました。
題材自体はとても興味を引くものだったので、なんとなく残念感が漂う時間が過ぎていました。

最後に冒頭の話に戻るのですが、特に意外性のないある意味王道のストーリーで、主人公たちの邪魔をしてくる人が協力してくれたり、悪役がしっかり悪役をしていたりするわけです。
普通だったら最後まで見届けようと思う流れで楽しめるはずですが、これについては今後こうなりそうだな、もういいやって感じてしまいました。

これを書いていて改めて思ったことは、どんな物語でも登場人物のキャラクターに愛着や興味を持てないとつまらなくなってしまうということです。
王道のストーリーでも意外性のあるストーリーでも、受け手は登場人物に連れられて物語を辿ります。
そのエスコート役に魅力がなければ、どんなにいい題材やテーマでもつまらないもので終わってしまうのではないでしょうか?

今まであまり深く考えずにエンタメを消費してきましたが、もっといろんな目線で見ることができるようになりたいなと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?