映像制作のプロがfreeeに転職したら設備も野望もガチだった
・はじめに
はじめまして、2023年2月にfreee株式会社のカルチャーインフラ(通称:カルフラ)というチームにjoinしました、kingです。
簡単に自己紹介させていただきます。
私は2023年1月まで約3年間、スポーツ中継を中心とした映像製作に関わる仕事をしていました。 例を上げると、Bリーグ中継やサッカースタジアムの場内演出、東京オリンピックやFUJI ROCK FESTIVALなど 大規模イベントにも映像製作に関わる様々な分野で仕事をしてきました。
そんな映像製作の最前線で働いて来た私が、なぜfreeeのカルチャーインフラに入社を決意したのか。それは圧倒的な「企業カルチャーへの共感」と「チームミッションへの共感」です。
テクノロジーでカルチャーは醸成できるのか、どんな新しい体験を創り出せるのか。 世の中に新しいロールモデルを提示できるのか。
今回は、社内スタジオがカルチャー醸成に与える影響から、今後の展望まで「原点から未来へ」・「現状から理想像まで」と幅広く書いて行こうと思います。
カルチャー×テクノロジーの存在感よ高まれ!!
・社内スタジオの利点と存在意義
通常、ライブ配信や映像製作を行う際は映像製作会社や製作会社に外注を行います。 そのため、多くの工数が発生します。 業者選定から始まり、金額調整、会場の確保、コンテンツの準備、画作りの決定‥etc
参考までに・・・
外注する場合:4時間で20万円強(king調べ、freeeにある「ツバメスタジオ」と同じような環境)
内容:スタジオ使用料、機材レンタル代、人件費(オペレーションは別料金)
以上を踏まえると、ある程度日程に余裕を持って動かなければなりませんし、社内調整にも時間を要します。 事前に決まっている定期的なイベントだったら問題ないかもしれません。 またそんなスピード感で動いている会社であれば問題ないと思います。
freeeのスピード感はそんなもんじゃないです。「速さ」へのこだわりは強いです。
freeeの社内イベントは数多く開催されます。私は入社して2ヶ月で15本の配信・撮影を担当しました。 この本数を外注するとなるとどれだけ大変なことか。
もはや外注するのであれば、開催を断念せざるを得なかったイベントもあったはずです。
それではfreeeのカルチャーは進化していかないと思います。
また配信・撮影を私たちカルフラ、つまりfreeer(freeeで働くメンバーのこと)が中心となって制作するからこそ表現できることがあります。 業者さんは職業柄ミスなく、完璧に業務を遂行することを美学とします。
それも間違いではありませんが、私たちはfreeerはHackすることに魅力を感じます。
Hackとはつまり、既存の枠組みに囚われず、本質的であれば積極的にリスクを取っていくということです。
※freeeの価値基準の一つにこんなものがあります。
「Hack Everything★」:取り組んでいることやリソースの性質を深く理解した上で、枠を超えて発想する。多くのことは楽しいだけでインパクトが大きくなる。
先日のfreee speed wayでも本番中にカルフラのYoが「このカメラで手元映しちゃえ!」 と突然のHack。これがコメント欄で大反響。
※freee speed way:「速さ」をテーマに、エンジニアが27分間で人事労務ソフトのパフォーマンス改善をライブコーディングしたイベント
もし外注していたらこんなHackは起こり得ない。これがカルフラの存在意義です。
私はそう思うと同時に、これからもfreeerの想像をテクノロジーとアイデアで越えていきたい。と思いました。
前述したように、外注する場合は事前準備に多くの時間を要します。しかしfreeeでは、コンテンツの企画とカルフラに依頼を投げるだけで実現することができます。
詳細が決まっていなくてもよく、「こんなことがやりたい」だけでイベントを成功に導いています。テクノロジーとアイデアでチームと一緒にイベントを作り上げていきます。
映像業界にいた保守的な自分には持てないアイデアをfreeerが持っている可能性が大いにあり、その可能性を僕自身とても楽しみにしております。今後私自身も「攻めの技術者」になり、カルチャー醸成を推し進めていかなければいけないと自覚しております。
・スタジオ使用事例の現状とこれから
各チームや経営陣からの情報共有(Aekyou Hour・freeers総会など月3回ほど行われている全社イベント)も基本的にオンラインとオフラインのハイブリッドで行われており、全て社内のイベントホール&配信スタジオで内製されています。
その他にも
・セミナー動画の撮影
・他社をお招きした合同採用イベント
・メディア向け記者会見の配信
・ラジオ収録
・テキストでは伝わり切らない情報共有
社内コミュニケーションツールであるWorkplaceを初め、YouTube LiveやZoomなど様々なプラットフォームへの配信が可能です。 また配信上で、オンラインの方に登壇してもらう事、オンライン参加者とオフライン会場とのコミュニケーションを成立させる事も可能です。
まだまだスタジオの活用法を模索中であり、様々な可能性を秘めております。今後スタジオの稼働率を高めていくべく、多くの施策を打ち出して行く予定です。
ある日Yoから「king、君は社内スタジオというお店の店長である。いまこの店には豪華な厨房と材料があるだけでメニューも何も提示できていない」という言葉をもらってから、日々メニュー開発に取り組む日々です。
私たちカルフラだけが使用するのではなく、今後ライブ配信や動画コンテンツの制作にfreeerが気軽に参加することを理想として、様々な可能性を提示していきたいと思っています。
例えば、
・今まではテキストベースであったマニュアルやルールブックを動画にする。
・Workplaceにチャットで流していたイベントの告知をCM風に動画にする。
・技術レベルが高いと思い込み、外注していたものを内製する
などなど、
カルフラに依頼せずに、チーム内で完結してもらう事も大歓迎としています。
そのためにまずは、映像制作やライブ配信をより身近に感じてもらう必要があります。現在kingによる配信トレーニング企画を行っていますが、想像以上のリアクションや要望があり、好奇心旺盛なfreeerっぽさを改めて実感しています。マニュアルも随時更新し、いかに手軽に映像テクノロジーに触れてもらえるかを模索しています。
・なぜfreeeは配信スタジオを社内に作ったのか
「テクノロジーでカルチャーを醸成する」私たちカルフラのMissonです。
スタジオが導入された背景は、カルフラが立ちあがった背景と一致します。
コロナ禍になり、これまで開催してきたディスカッションイベントなどの開催が難しくなる中でも テクノロジーを最大限に活用して、工夫を凝らした取り組みを行ってきました。
しかし、単発的な設備ではできることが限られていました。もっとHackしたい。
コロナ禍とか関係なく、新しい体験を作り出したい。オンラインでもオフラインでも差異なく体験を創り出す。 どこにいてもfreeeのカルチャーをfreeerが体験する。
カルチャーの進化を止めてはいけない。freeeのカルチャーに対するこだわりは圧倒的。
社員一人一人のカルチャーへの共感度が本当にすごい 。
これだけ企業カルチャーにこだわりを持っている、そして社員一人一人のカルチャーへの共感度が高い企業は世の中にどれだけあるのか。個人的に非常に気になっています。
そしてそれを更に進化させようとする取り組みが社内に沢山ある。カルフラの立ち上げ・スタジオの設置もその取り組みの内の一つですが、ほんの一部に過ぎません。スタジオの常設はカルチャーへのこだわりが具現化したもの。「アウトプット→思考」そのもの。
※これもfreeeの価値基準の一つ
「アウトプット→思考」:まず、アウトプットする。そして考え、改善する。
できるかどうかじゃない、Hackして、アウトプットして、振り返って、新しい何かを生みだしていこう。 そんな想いでスタジオが常設されました。
その想いを更に具体的にするべく、店長である私は一辺倒なメニュー展開を用意するのではなく、ユーザーが二度でも三度でも体験したいと思えるメニューを開発していきます。四季折々様々な体験を用意し、ユーザーを飽きさせない。
日々進化するテクノロジーとアイデアで五臓六腑に染み渡る驚きを提供します。想像の斜め上を常に見据え、野望を現実にします。テクニカルな業務を行う中で、苦汁を舐めることもあると思いますが、逃げずに挑戦し続けます。
・技術的な裏話
ツバメスタジオでは、基本カメラ1台で全体を捉え、グリーンバックで合成をします。登壇者の1shotや2shotなどを作る際は、OBSでトリミングを行い、シーンを使い分けるなどの画作りを行っています。
先月には、イベントホールの状況を配信するスタジオ(asobibaホウソウシツ)のOBS PCが 7 in 1 out に進化を遂げました。 (今までは 3 in 1 out)
※asobibaホウソシツ:ツバメスタジオと違い、ハイブリット配信を行う前提で設備が整えられているスタジオサブ的な部屋
これでより面白い画作りを作り出すことができるようになりました。
先日のfreee speed wayで大好評であった手元を映すアングルなど、様々なHackを起こしやすくなりました。 Video hubの切り替え作業の負担も軽減されます。
freeeのイベントではよく自社プロダクトのライブデモを行うことがあるのですが、今後は手元専用のカメラも用意し、臨場感を味わえる画作りに取り組んでいきます。これも入力数が増えたことにより可能になりました。
写真は先日行われたNew社式の様子です。
New社式運営チームのクリティカルな要望に応えるべく増強した設備を最大限活用。増強していなかったら応えられなかったかも・・・(笑)。
有人カメラを2台ステージ脇に用意し、雛壇に座っている新入社員の方の表情を一人一人映せる体制を構築。タリーランプがないため、インカムで逐一やり取り。自己紹介動画に合わせて、10秒ごとに一人一人の顔をアップで捕えました。
その影響でOBSでのスイッチング工数が爆増。恐らくfreee内製史上最高難易度。しかし、当日は大きな事故なくクリア。天井についているリモコンカメラも合わせると全部で7カメ体制。雛壇後方に集まってくれた既存freeerも配信に載せ、現場の臨場感を演出。
OBSで7カメなんて贅沢すぎる!!
またライブ配信の盛り上がりを体験してもらうため、配信を行っていたWorkplaceのチャット欄を会場の返しモニターへout、ブラウザ経由でOBSに取り込み、配信上にも合成。
会場にいる新入社員の方々にも既存社員の反応がわかる構成に。当日コメント欄には800件近いコメントが集まる大盛況。
いま考えると当日使用していたPCデバイス8台、返しモニター4台もすごい数。
PC内訳:配信用、配信管理用、司会スライド用、司会台本送り用、台本カンペ用iPad、プロジェクターコントロール用、チャット用、動画再生用
モニター内訳:配信PGM OUT、スライドOUT、新卒向けチャット用×2
これだけやった甲斐があり、チャット欄で配信チームに対して「配信技術がすごい」「エモいアングル」「テレビ番組みたい」などの嬉しい言葉をいただくことができました。こんな言葉が何よりのモチベーション。そして、素直なリアクションを沢山の人がアウトプットしてくれるのがfreeeの素晴らしいカルチャー。
もちろん各所オペレーションは大変でしたが、freeeでは制作会社的な立ち回りになる企画チームに、「できるかどうか」ではなく、「やりたいこと」をベースに企画を立てていただいています。私達技術側の人間はどうしても「無事に本番を終える」ことを理想としていますが、それでは新しい体験を生み出しづらく、freeeのカルチャーにもマッチしないからです。そして、新しい体験とは私たちの想像力の外側にあると考えているからです。
「テクノロジーでカルチャーを進化させる」カルフラのミッションであると同時に、もはや私自身の野望になりつつあります。このミッションにゴールはないと思います。評価指標は日々どれだけfreeerにインパクトを与えられるか。そして、freeeはカルチャーが強い会社であると世の中に認知されていくかだと思います。私たちカルフラの挑戦はまだまだ続きます。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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