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第15回:多額の損金計上ができる理由【日本型オペレーティングリース】


こんにちは、JOLアドバイザーです。

日本型オペレーティングリース(以下:リース事業)は、日本に存在する金融商品の中で多額の損金算入が可能な唯一の投資商品です。

その事から建て付け上は投資商品ですが、その実体としては利益の繰り延べ商品として活用されています。

損金算入率は商品ごとに異なるものの、一般的には出資金の70%−80%がリース事業の初年度に損金算入が可能です(この比率は商品毎に異なり、50%台の物もあれば100%のものも存在します)。

このように多額の損金算入が可能な理由は、投資家はリース事業で必要な資金の約20%−30%しか拠出していないにも関わらず、リース事業から発生する全て(100%)の損益が投資家に分配される事からレバレッジがかかりリース事業の投資家出資金部分にかかる損益の3−5倍を取り込む事ができる為です。

そして、このレバレッジが生じる理由は、匿名組合契約による出資をしている事に起因するのです。

そこで今回の記事は、匿名組合契約を用いる事で、なぜリース事業に出資をするとレバレッジが聞いた損益分配が可能になるのか、その仕組みを解説します。

※下記<図1>のスキームのリース事業をベースにお話します。スキームの詳細について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

<図1>

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※私について知りたい方は、下記の自己紹介をご覧ください。


1.匿名組合とは何か

匿名組合は商法第535条から第542条に規定される組合です。組合自体は権利・義務の主体となり得ない為、法人格がなく、また個人でもありません。

2.匿名組合が獲得した損益の扱い

前述の通り、匿名組合は法人でも個人でもない事から、リース事業を介して獲得した損益を享受する受け皿とはなれない為、匿名組合がリース事業を通じて獲得した損益は全て出資者に配分されます。

その為、出資者はレバレッジを効かせた損益の享受が可能となるのです。

補足1:匿名組合が獲得した利益への課税

匿名組合は課税主体とならない為、獲得した利益は全て投資家に配当金として分配され、その配当に課税がなされ投資家が納税を行う事になるのです。

補足2:匿名組合が獲得した資産と負債の扱い

匿名組合が出資した金銭は、商法第536条に基づき営業者に帰属する事が定められています。

つまり、匿名組合員の出資金や金融機関からの借入金の他、それらの資金を用いて購入した航空機や船舶等のリース物件は、営業者であるリース会社SPCに帰属します。

そして、リース会社SPCは最善の注意を払い、投資家の利益を最大限確保する為に責任を持って資産の運用を行う必要があるのです。

3.まとめ

(1)匿名組合には法人でも個人でもなく、権利主体になり得ない
(2)組合が獲得した損益は全て出資者に分配される
(3)その為レバレッジが効いた損益の享受が可能
(補足1)匿名組合が獲得した利益は投資家経由で納税する
(補足2)匿名組合の資産と負債は営業者に帰属する

P.S. 日本型オペレーティングリース出資の教科書を作りました


損をしない投資の為の検討ポイントを記載した、日本型オペレーティングリース出資の教科書を作成しました。

リース事業の組成担当がその裏側を書いており、公にはできない情報がたくさん含まれています。

元本割れリスクの低い商品選びのポイントについてここだけの情報をこっそり記載していますので、これから出資を検討している方は是非読んでみてください。

<こんな方にオススメです>
・絶対に損をしない商品に出資したい
・何を基準に商品を選べば良いのか知りたい
・税理士や銀行の紹介で出資を検討している
・過去リース事業に出資した経験がない
・出資リスクをしっかり把握したい


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