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中編まとめ

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#乃木坂46

「妹のちヤンキー、時々メイド」

「妹のちヤンキー、時々メイド」

〇〇(4歳)「あやちゃん、おいで〜。」

あや(0歳)「んむぅ。」

小さな彩は〇〇に抱えられてそのまま布団に2人で倒れ込む。

4歳の〇〇の小さな体の上に、さらに小さな0歳の彩が乗っかる形に。

〇〇(4歳)「かわいいね〜。あやちゃん。おにいちゃんだよ〜。」

あや(0歳)「んにゅぅ!」

〇〇(4歳)「おにいちゃんだってわかってくれてるのかなぁ。えへへ〜。」

そしてそのまま…。

「○○〜、

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「悪魔の片思い」

「悪魔の片思い」

○○「よいしょっと…」

先生から言われた資料を運ぶ僕。

手がキツくなってきたので持ち直す。

真夏の今日、この資料の束を運ぶのは苦痛でしかない。

言うまでもなく長い長い廊下にはクーラーがない。

しかしこれは日直の業務であり、僕の横では同じように資料を運ぶ女子がいるのだが…。

○○「あ…じゃあ岩本さん、この辺に置いてもらって…。」

岩本「ん…。」

岩本蓮加。同じクラスで、外見も良い。

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「秋に開く美の花」

「秋に開く美の花」

俺が彼女と出会ったのは、高2の春だった。

俺は次のコンクールに出す絵のアイデアが浮かばず、キャンパスを抱えながら校内を彷徨っていた。

放課後の校内というのは、9割近くの音が運動部の声か吹奏楽部の音楽だった。

2年にもなり完全に聞き飽きたそれらは、俺の中で、ただけたたましいという印象だけが残り、静かに絵を描く俺の作業を邪魔する雑音でしかなかった。

音楽室から遠ざかり、吹奏楽部の音声が小さくな

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「甘え」

「甘え」

私は今日、多分、彼氏と別れる。

というのも、彼に非があるわけではない。

多分日があるのは私の方、なのかもしれない。

わからない、思い当たる節はない。

でも、最近気付いた彼のある兆候から、私が何かしたのかも、彼はもう私を嫌いになったのかも、と思うようになった。

それも最近に始まったではない、付き合ってからずっとそうだと気付いた。

もしかして、最初から好きだったのは私だけだったのかな。

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「一筋のオモイ」

「一筋のオモイ」

空が橙色に染まり、今にも日が落ち夜が近づいている事を知らせる夕刻。

剣道場から一つの足踏みをする音と声が聞こえる。

やっぱり。

道着で来て正解だった。

覗いてみると、案の定音の正体はあいつだった。

○○。

小中高と一緒で、いわゆる、幼馴染。

そして、私と同じ剣道部に所属している。

私は、6歳までは関西にいたから方言があるけど。

彼は額に玉のような汗をかきながら、それらを全く気にせ

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「新しい世界へ」

「新しい世界へ」

僕は今、空港にいる。

もうすぐ遠くへ行ってしまう彼女の絢音を送り出すためだ。

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数日前のことだった。

家で一緒に飲んでいた時のこと。

僕は2人で食べたご飯のお皿を洗っていて、彼女はテーブルに腰掛けて俯いていた。

絢音「ねぇ、○○君。」

○○「ん?どうした?」

すると、伏し目がちに彼女が言った。

絢音「私ね、今度留学しないかって話が来て…。」

○○「…えっ?」

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