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その6。悪魔のボーダーに飼い慣らされた悲しいポンコツの物語。

一緒に過ごしていて、どんどんしんどくなっていったのは言うまでもなく。

ある日の夜。僕が「眠い」と言っただけでブチギレられた。
昨日「明日エ○チしようね♡」と言われてたのを忘れてたか、ほんとに疲れて眠かったのか。覚えてないけど、僕が約束をやぶったのは事実。
「嘘つき!!!」と何回言われたんだろう。すげー怒ってるし、いまさらもうそんな気にはなれないじゃん・・

それより「疲れてるんだ、じゃあまた今度ね」のひとことぐらい欲しいじゃん。僕が次の日、朝早いとか、疲れてるとか、そういう気遣いはゼロで、僕はただの嘘つき。自分は嘘をつかれた、という事実。

「トイレの電気付いてたよー」って何気なく言っただけで最低3時間は怒鳴り散らして、奇声発して、暴れる。いつだったかは、大きめのソファがひっくり返ってた。

職場の話で「○○さんがあーでーこーで面白かったんだよー」なんて言ったら「は?そのひと女でしょ?」で終わり。「女の話は聞きたくない」と。当時○○さんは50代女性だったんだけど・・

何も言えなくなってきた。言うと、暴れる。夜中だろうと時間は関係ない。むかついた話より、楽しい話ができないのはつらい。X子はむかついた話が好きだったけど。

テレビを見ても、かわいい子を見るんじゃなくて「足太い」とか「性格悪そう」とか、なんか嫌なことしか言わない。「整形でしょ」と。うんざり、ゲンナリするよ。毎日だから。

誰のことも褒めたことがなかった。「あの人かわいいよね」とか「あの人すごい」とか、誰かを褒めるのを聞いたことがなかった。
なんなら親友(同性ね)のこと、褒めるどころかけなしまくってた。『ずっと親友でいようね♡』って手紙書いてたけど、けなしまくってた。親友と出かけて、帰ってきたら愚痴と文句のオンパレードだった。
かと思えば、親友が家に来たとき、(いつのまにか買ってきた)見たことないグラスを用意したり、なんていうんだろ、おしゃれな布を棚にかけたりして、めちゃめちゃおもてなししてた。もちろんずっと笑顔で。

意味わからないよね。好きなのか嫌いなのか不明。僕には(誰にも?)理解できないよ。


本人の希望もあって、病院に連れてったことがあった。けど、2回目に「なんで薬飲まなかったの?」と看護師に言われたことがむかついたらしく、もう行かなくなった。一縷の望みってやつがなくなった。

「それは病気のせいだよ」と言うと「なんでも病気のせいにするの!?」と言われ、「病気は関係ないよ」と言うと「わたしのせいだっていうの!?」と。

どうしろと・・無理。

本を読んで「境界性パーソナリティ障害」について、僕なりに勉強したけど、そんな付け焼き刃の知識じゃとうてい無理だった。

そんな日々の中で、症状をかなり軽減してくれた漢方があった。

加味逍遙散カミショウヨウサン

飲んだ日は落ち着いて穏やかに過ごしてた!これはおすすめ。ほんと。生理前のイライラとか更年期障害のイライラとか、そーゆーのにもいいみたい。

ボーダーの心は穴の空いたバケツ

で、いくら水を注いでもそのそばから漏れ出ていく、というのをどこかで見た。
だから絶対満タンにはならない。
絶対に満たされない。
いくら相手が、僕が、頑張っても頑張っても頑張っても空っぽのまま。
だから、満たされないから、本人は常に不安だから、僕が責められる。あなたのせい。あなたのせいで私はこうなった。ほら、やっぱりあなたもそうなんだ。あなたにできるの?できないでしょ。あなたも今までの男と同じ。どうせムリ。あなたのせいだからね?

呪文だよもう。
ああ、僕が悪いんだ。どうすればいいかな。
ってそんなことばかり考えてた。

「奥さんが悲しそうにしてたら、それは俺のせい」っていう所さんの言葉を間違って受け取って、自分が悪いって思ってた。ほんとトチ狂ってた。

X子が僕に言うこと・することは、噂のためし行動ってやつ。要求をひとつこなすと、難易度を上げてまた困難な要求をしてくる。ひとつこなして、またこなして、また・・

エンドレスなんだよね。100個あるうち99個できても、残りの1個ができなかったら爆発。「ほら、できないじゃん、嘘つき」っていう。台無しにするプロ。

確かに自分に非があったのは事実だし(会ってないけど神子ちゃんに連絡してた、めっちゃそこを突いてくる)X子がいまこうなってるのは自分のせいだし、もっと僕がどうにかしなくては・・エンドレスな要求だし、ポンコツの僕にはちゃんちゃらムリなんだけど、あがいてた。周りに誰もいなくなってた。

ボーダーにとって、ボーダーの知識がない、無知の人間をコントロールするのは、TKGを作ることより簡単なんだよ。ほんと。まじ。もちろん、あの人なりに計算してる。けどそれも無意識の範疇で、自分が生きるための、当たり前の行動なんだよね。たぶんそれしか方法を知らないんじゃないかな。

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