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いまさらながらiOSをAndroidと比較してみる

世の中には多種多様な派閥争いが存在する。「きのこ派vsたけのこ派」、「つぶあん派vsこしあん派」、「目玉焼きの醤油派vsソース派」などなど、なぜか食べ物ばかり思い浮かぶがとにかく枚挙にいとまがない

このような派閥争いは時にどちらが良い・悪いといった極端な二極化・二元論的な論争につながることもある。
そうなってくると建設的な議論はもはや成立せず、思考停止の批判・誹謗中傷が飛び交う不毛な争いと化してしまう。

「民主主義的な規範の弱まりは政党の極端な二極化に根ざしたものである」("レビツキー&ジブラット 民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁への道"より引用)

こういった事態を回避するために、多様性を持った意見を取り込むことやより多次元的な評価軸で判断をしていくことが必要とされている。

……といきなりものすごい勢いで話が脱線していったが、今回はそんな危険な派閥争いの1つである「iOS派vsAndroid派論争」に参戦してみたいと思う。というのも私は完全なるAndroidユーザーであり、iOSのメリット・デメリットについても実際に触ってみて実感しておくべきではないかという思いがあった。

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そんな中、ほぼ新品のiPhone7をタダで譲っていただいたのでさっそく比較してみよう!と思ったわけだ。

(iPhoneを手に入れた経緯はこちらを参照してほしい)

比較環境

さっそくiOSを比較してみる……前に、私のスマホ環境についてまとめておきたい。そもそも性能を比較すると言っても、その評価軸はスマホをどういった用途で使用しているのかに大きく依存するだろう。

私の場合、普段は(特にここ1年は)デスクトップPCをメインに作業しているためスマホに関してはSNSやらニュース閲覧程度にしか使わない

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そんなわけで、ガジェットオタク気質ではあるものの比較的一般人の視点から評価できるのではないかと勝手に自負している。というか、そもそも一般人はスマホをどんな用途で使っているのだろうか。ハイエンドモデルがポンポン売れている理由が理解できない。

スペック比較

本編開始。まずはカタログのスペックを見ていく。こちらのサイトによるとiPhone7のAntutuベンチマークは約20万点とのこと。さすがiPhoneと言うべきか、2016年発売にも関わらず今でも普通に通用するスペック。Xperia 10 Ⅱよりも高いというのだから驚きだ。(まあローエンドモデルと比較するのは失礼かもしれないが)

しかしながら、実際に触った感じではあまり違いを実感できなかった。というのも重たい作業をしないのであればエントリーモデルでのスペックでも十分サクサク動くので、これ以上スペックが向上しても特に変化はない。
現行モデルのスマホであれば、普段使いでスペックがボトルネックになることはほとんどないと思う。上記のサイトではiPhone12のスコアが57万点となっているが、一体どんな用途でそのスペックが発揮されるのだろうか

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一方で、メモリについてはカタログスペックよりもかなり良い気がした。おそらくOSとの相性で、少ないメモリでも効率的に動くようになっているのだろう。私はついついアプリを大量に立ち上げてしまう人だが、全くストレスを感じることはなかった。素晴らしい。

個人的に1番「おおっ!」となったのが計測アプリ。iPhoneのAR技術と無駄に積んだCPU性能がフル活用されている感じだ。精度に若干の誤差はあるものの、軽く測るだけなら十分使える。

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ただしCPUをフル活用する分、本体がものすごい勢いで熱くなるのに加え、充電もバリバリ減るので長時間の使用は控えたほうが良さそうだ。

UI/UX

次にインターフェイス面について見ていく。OSの比較としてはスペックよりもこちらを重視するべきだろう。
実際に触ってみたところ、OSの違いはあるもののスマホでやることが変わるわけではないため困ることはほとんどなかった。「iOSの方が操作が直感的」という話はよく聞いていたが、これはあまり実感できなかった

戻るボタンがないのは少し不便だが、ジェスチャー操作はAndroidよりも充実している感じ。というか最近のAndroidの操作性はiOSに寄せてきているのかもしれない。
そんなわけで操作性については慣れればどちらもたいして変わらんだろうという結論に至ったが、インターフェイスでかなり気になった部分がこちら。

ホーム画面のアイコンを自由に動かせない

正直なところ、Androidユーザーとしては頭の中が疑問符で溢れかえった。アイコンの並び順は変えられるものの、位置については何が何でも左上に詰まっていく。「iOSはカスタマイズができない」とよく聞くが、ここまでとは思っていなかった。意味がわからない。

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というのも、親指で操作する場合タップしやすいのは画面の下の方であるため、アイコンは下から配置していくのが合理的なわけだ。
画面の上の方は開けたい病のためとりあえずウィジェットを設置して誤魔化してはいるものの、これはこれで通知バーを開く際にウィジェットをスワイプする事故が発生しておりUX的にはかなり残念な感じ。どうしたらいいんだろう。

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(メイン画面から純正ソフトはほとんど追い出され、半分くらいGoogleに支配されている)

また、個人的な好みだがホーム画面は左右対称にしたい主義のため、これまた詰まっていくのに苦労した。当然ランチャーアプリなんかもないため、純正のホーム画面で我慢するほかない。さすがに不便すぎる気がするが、iOSユーザーはこのあたり文句言わないのだろうか。

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(こんな感じの画面にしたかったのだが……)

また、iOSの1レイヤーホーム画面よりは2レイヤーの方が使いやすいと感じた。名前順・インストール順などで全アプリをソートできるドロワー画面がある方が便利だと思うんだけどなあ。

その他気になった点

ホーム画面が衝撃的すぎてそれ以外はあまり気にすることではないかもしれないが、一応ざっと挙げておく。

・アプリの一括終了ができない

先に述べたように私は複数のアプリを立ち上げてしまう人間なのだが、大量に開いたアプリを一括終了できないのが少し気になった。Androidの場合は機種にもよるがワンタップで消えてくれるのだが……。

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まあ、片手が空いていれば3本指くらいでわっしゃわっしゃ消し飛ばすことはできるため、不便極まりないということはないだろう。

・Macとの連携が思ったよりも不便

これはどちらかというと私が期待しすぎていたのが原因。「iPhoneとMacで写真・動画・テキストをスムーズに連携させればかなり便利なのではないか」と思っていたのが、そんなことはなかった。普通にiCloudでアクセスできるという話ならGoogle Driveでも変わらないし、Microsoft Launcherを入れればOffice関連はWindows + Androidの方が便利だ

Airdropという選択肢もあるが、Mac→iPhoneはともかくとして、その逆は操作が面倒という印象を受けた。一方でWi-Fi環境下でなければ、iPhone同士でAirdropによる画像等のやり取りというのはありかなと感じた。
Airdropで写真を送受信している光景はたまに見かけていたので、きっと便利なんだろう。でも露骨なAndroid排除はよくない。

・アプリが少ない

これはまあ仕方ないかなとは感じている。むしろGoogle Playのアプリ数多すぎ&野良アプリのインストールが可能なAndroidが自由すぎると言った方がいいだろう。

例えば、ブラウザで言うと私が普段使っているVivaldiはiOS版を出していなかった。ただ、iOS版のリリースも一応計画はされているらしい。

また、Taskerの代替アプリがないのは少し困った。やっぱりTaskerがないと設定をいちいち手動で変える場面が出てくるため面倒……。

他には、野良アプリが入らないため当然LINE Liteも入らない。iOSとAndroidの二刀流をしたい人はLINE本体はiPhoneに入れ、LINE LiteをAndroidに入れる……といった使い方になるだろう。ただし、異なるOS間での引き継ぎだとトーク履歴などが消えてしまうため注意が必要だ。

(Androidでも日本のGoogle Playからは入手できない)

カメラ性能の比較

最後にOSとはあまり関係ないが、カメラについて見ていく。最近のスマホはどれもこれもカメラレンズがタピオカ状態で、3つとか4つ搭載されるのが当たり前になりつつある。「そんなにカメラ性能って重要なの?」と思うが、需要があるから発売されているのだろう。たぶん。

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ちなみにiPhone7のカメラは1つだけ。同じくシングルカメラのXperia Ace、ネオ一眼のLUMIX FZ200の3機種で比較していく。

まずはiPhone7から。先日ストレスがたまりすぎて気分転換に散歩した際、中野車両基地に銀座線の車両がいたので撮影した。

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次にXperia Ace。比較写真なのに縮尺が違うという……。

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最後にFZ 200。手前の金網を抜く関係で若干望遠になってしまった。

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以前の記事で友人のiPhoneで撮影した写真を編集した際にも述べたが、やはりスマホカメラだと暗い部分の表現が弱いなあという印象。iPhoneとXperiaを比較すると、iPhoneの方がコントラストが弱い代わりに全体的に明るくなっている。

明るさについては風景写真で比較するほうがわかりやすそうだ。ありがたいことにこの日はこれ以上無いほどの曇り空だったため、比較写真としてはよさげ。(散歩してる身としては最悪だが)

まずはiPhoneから。

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つぎにXperia。iPhoneと比べてかなり暗いが、実際目に見える明るさとしてはこちらのほうが近い

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FZ 200はこんな感じ。

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ちなみに望遠については、スマホのシングルカメラではデジタルズームになるため全く期待できない。FZ 200で撮るだけにした。

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(手前の看板の主張が激しい)

もっと映える写真が撮りたいと思い、すぐ近くにあった花を撮影することに。まずはiPhoneから。意外と背景がボケてる。

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つぎにXperia。風景写真と同じくかなり暗いが、ボケはまあまあ頑張っている感じだ。

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FZ 200はこんな感じ。

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やはり接写の場合も望遠と同じくスマホのシングルカメラだと厳しい感はするが、意外と頑張ってるな~という印象を受けた。レンズをたくさん搭載すればポートレート写真もかなり綺麗に撮れるのかもしれない。

最後に食べ物の写真で比較してみる。iPhoneから。

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つぎにXperia。なぜか画角を変えてしまった。

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FZ 200はこんな感じ。全部画角がバラバラという悲劇。

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食べ物についてはiPhoneの写真がかなり良い感じの発色。食べ物や人などを撮ってSNSにアップするのであればiPhoneの写りはわりと有能な感じだ。
個人的にはコントラスト強めの方が好みのためiPhoneの写真は白すぎる気がするが、一般的な受けは良いのだろう。

OSの比較とは全く関係ないがこうして写真を比較してみると、レンズの大きさという物理的制約を克服するためにレンズを複数搭載するというのはわりと合理的なのかなと感じた。
そしてそういったモデルがポンポン売れているのもなんとなく納得できる。望遠や接写を活用してそれっぽい写真を撮りたい人は多いのだろう。

まとめ

そんなこんなでまとめ。

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スペックについては「さすがiPhone」となったものの、私の使い方ではかなり持て余してしまう結果となった。また、インターフェイスはホーム画面のカスタマイズ性をはじめとして、ちょっと疑問の残る部分があった

内容としては「iOS Android 比較」とかで検索すればバリバリヒットするようなものだったが、実際に比較してみると両者の違いが見えてきてなかなか楽しかった。
個人的には世間のiPhoneの評価は過大評価な気がしたし、おそらく次にスマホを買い換える際にもiPhoneは選択肢には入らないかな~といった感じだ。

……といったところで今回はここまで。

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