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22時間かけて名古屋から仙台までフェリーで移動した話

フェリー、それは最も贅沢に時間を使う移動手段。今回の内容は前回名古屋で鉄オタ活動をしていた続きになる。

名古屋から仙台は新幹線を使うと3時間半。東京駅での乗り換えを考慮すると飛行機を利用する人の方が多いかもしれない。

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18きっぷを使う場合は在来線で13時間。1日移動に使いたくなければ夜行バスも走っている。
そんなわけでわざわざ22時間もかけてフェリーを利用するという選択肢はあまり合理的ではないだろう。

……それでも、フェリーでの旅にはロマンがある

太平洋フェリーは名古屋から仙台、苫小牧を結ぶ路線を運行している。今回利用するのは名古屋から仙台の区間のみ。

フェリーに乗船

さっそくフェリー乗り場に到着したところから本編開始。

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事前に予約してあるため窓口で手続きを済ませすぐに乗船。

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でかい!

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ボーディングブリッジを渡る。飛行機のものとは比べ物にならないほどでかい。なにもかも規模が違いすぎる。

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船の中はこんな感じになっている。普通にホテルのような内装

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フェリーというよりはむしろ豪華客船といった方が良いかもしれない。豪華客船乗ったことないけど。

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寝室はこんな感じ。部屋は大部屋の雑魚寝から豪華ホテルの一室のようなものまであるのだが、これはB寝台という区分で1部屋に寝台が何台もある感じになっている。夜行列車のB寝台とはかなり異なる。

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さっそく出港

デッキに上がり出港の様子を観察。遠くには名港トリトンを渡る車のランプが連なっておりなかなか良い夜景。

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風を遮るものがないため、めちゃくちゃ寒い。冬用の手袋を持ってきておいてよかった。

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港を出るとすぐに名港西大橋をくぐる。名港トリトンの一角を成す橋だ。

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名港西大橋は太平洋フェリーの船舶を基準に造られており、下をくぐる際にはマストがギリギリのところまで接近する

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伊勢湾に出たあとはすぐに船内に戻った。肉眼で中部国際空港を見たかったのだが外はあまりにも寒すぎる。
その後は夕食を食べたりお風呂に入ったりしてすぐに就寝。大浴場の水面が波の揺れに合わせてゆらゆらと動く光景を見れたのは貴重な体験だった。

翌日

日の出の時刻に合わせて起床。さっそく極寒のデッキへ。ちなみに場所は千葉県沖合となっている。

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東の空には雲がかかっていたがなんとか朝日を拝むことができた。

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広大な太平洋に日がさしていく。

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素晴らしい光景!

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その後

寒さで体力がジワジワと削れていくため船内に戻る。朝食をとるにはまだ早い時間だったこともあり壮大に二度寝した

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そして遅めの朝食。外海をのんびり眺めながらもしゃもしゃ食べる。

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朝食後は船内を少し探索。……といっても特に面白いものがあるわけではなく、結局部屋に戻ってまた寝てしまった。船の心地よい揺れのおかげで横になるだけで気絶できる。

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お昼頃にまた起きて昼食へ。寝て食べてまた寝て食べるという完全に堕落した生活を送っている。こんなに長時間心地よく寝れたのは何年ぶりだろう。ここ数年、私にとって睡眠という行為は体力を回復させ健康を維持する以上の目的を持っていなかった気がする。

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正直普段の生活で考えたらありえない時間の使い方だ。人間、生きているだけでお金がかかってしまうものだが、大学生という身分でいるには特にお金がかかる。
だからこそ時間は有効に活用しなければならない。すでにコストがかかっているわけだから、そこそこのパフォーマンスを出さなければならない。スキマ時間があったら勉強したり、作業したりするし、スケジュールが空いていれば何か有意義な予定をねじ込む。空白を塗りつぶしていくのが普段の私の生活だった。

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移動時間というのは最大のスキマ時間だろう。通学通勤の電車内、話し相手も窓からの景色もない飛行機の中など、何もせずに時間を浪費するのはもったいない。スキマ時間を活用するために電子書籍は常に何冊か入れてあるし、見たい映画なんかもすぐに見れるようにしてある、ネット環境がなくともタブレットとキーボードがあればある程度作業はできるため、スキマ時間を潰すのに困ることはない

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フェリーの中でも少し作業を進めようとした。……が、指が働こうとしない。普段だったらやる気が出ないと時間の浪費に繋がってしまい焦り始めるのだが、フェリーの中では何もせずにただ時間を浪費することが心地よかった時間効率を追い求める現代社会から解放された気分だ。やはりフェリー旅は素晴らしい。

昼食後デッキに上がってみる。空も海も怖いくらいに青く澄んでいた。

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天気はバリバリ快晴。波も穏やかで揺れはあまり感じない。

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陸の方には福島第一原発

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太平洋フェリーの他の船舶とすれ違う。こちらは仙台を出発して名古屋に向かう船だ。

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日本でも海の上では右側通行

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仙台に到着

そんなこんなで仙台に到着。丸1日近くフェリーで過ごしたことになる。

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港から仙台駅までは直通の路線バスが走っているためアクセスは困らない。

仙台観光

仙台市民には申し訳ないがここからはほぼおまけ。仙台観光と言えば松島が定番だがここではあえて外していく
ちなみに前回同様、友人の465系とは基本的に別行動。文面だけだと喧嘩したような雰囲気だが全くそんなことはない

鉄分補給

仙台には地下鉄が二路線走っているが、東西線は2015年末に開業したばかりのかなり新しい路線。車両も駅もピカピカ。

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東端の荒井駅では一面畑の中にいきなり新品の駅舎がぽつんと建っている面白い光景が見れる。

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逆に西端の八木山動物公園駅は完全に山の上となっており、ものすごい勾配をゴリゴリと登った後に終点に到着する。

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駅の上の展望台からは仙台市内を一望できる。

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頑張れば太平洋まで見えるという素晴らしい景色。

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地下鉄なのに登山するという意味不明すぎる東西線だが、実は普通の地下鉄よりも一回り小さいミニ地下鉄と呼ばれる規格となっており、リニアモーターで動いている

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リニアというとフワフワと浮かぶイメージがあるかもしれないが、推進力をリニアモーターから得るというだけで、普通に車輪とレールを使う方式もあるわけだ。このような方式は鉄輪式リニアと呼ばれており、都営大江戸線や横浜市営地下鉄グリーンラインなども含まれる。

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動力を伝えるためのリアクションプレートがレールの間に敷かれている。

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一方で前回登場したリニモは磁気浮上式リニアと呼ばれ、フワフワと浮かぶ方式となっている。

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南北線はごく普通の地下鉄路線となっている。東西線と同様にとりあえず全線乗車しておいた

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ちなみに仙台地下鉄は地味に運賃が高いためフリー切符を活用すると良い。

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観光

「松島以外に観光地なんてあったっけ?」と思ったが仙台城があることを思い出し行ってみることに。このあたり前回の名古屋と完全に同じノリ。

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東西線の駅から頑張って山を登っていく。傾斜が思ったよりもきつくいきなり山登りスタート

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頂上に到着。

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ここも展望台となっている。

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伊達政宗像

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城が見当たらないと思ったら跡地だった。リサーチ不足。

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市内散策

山を降りて市内に向かう。川を越えるとすぐに都市部になるのは面白い。

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いろは横丁。ごちゃごちゃ感がいい雰囲気。

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仙台市はジョジョ4部の舞台である杜王町のモデルと聞いていたのが、ビビッとくる聖地巡礼スポットはなかった。

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仙台駅は東北のボスだけあってかなり規模が大きい。

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仙台駅と立川駅が似ていると以前聞いていたのだが、個人的にはあまり似ているようには感じなかった。立川は人が多すぎる。

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遠くにはテレビ塔が見える。夜間はライトアップされるため目立つが、昼間は全く存在に気づかなかった。

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いざ東京へ

そんなこんなであっという間に帰る時間になってしまった。行きの東京から名古屋は在来線を利用したが帰りは豪華に新幹線を利用する

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ちなみに私は鉄オタを自称しながらも新幹線には全く興味がないため、実は東北新幹線を利用するのは今回が初めて。東北とか用がないから仕方ない。

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最後にいきなり東北をディスってしまったが、仙台は海も山も都市もほどよく揃っておりかなり楽しむことができた。また機会があれば今度は松島にも行ってみようと思う。

……といったところで今回はここまで。


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