子どもたちが基本的な生活習慣を身につけられるような環境を作るにあたって

前回は、子どもたちの迎え入れについて、迎え入れの準備や迎い入れ時にする多様な仕事についての意味と出欠確認と下校管理のデリケートさをお話しいたしました。

今回は、子どもたちが基本的な生活習慣を身につけられるような環境を作るためにどのようなことが必要かをお話いたします。

放課後児童クラブに通う子どもたちは、普段、朝から昼過ぎまで小学校で過ごし、そしてその後、放課後児童クラブで過ごします。それから、帰宅時刻になったり、保護者のお迎えが来たりした後、自宅に戻り過ごします。また、学校休校日は、直接放課後児童クラブに通い、ほぼ一日過ごします。そして普段同様、帰宅時刻または保護者のお迎えにより、自宅に帰ります。

放課後児童クラブに通う子どもたちはこうした生活を送っているため、放課後児童支援員は『家庭⇒学校⇒放課後児童クラブ⇒家庭』(学校休校日は『家庭⇒放課後児童クラブ⇒家庭』)といった生活の連続性を保障した上で適切な遊び及び生活の場を提供し、子どもたちの健全な育成を図る必要があります。

その中で、放課後児童クラブが行う適切な遊び及び生活の場の提供における育成支援について、運営指針には下記のように記されています。

④ 放課後児童クラブでの生活を通して、日常生活に必要となる基本的な生活習慣を習得できるようにする。
⑤ 子どもが発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができるようにする。

厚生労働省 放課後児童クラブ運営指針 第1章 第3章 放課後児童クラブにおける育成支援の内容
1.育成支援の内容(4)より項目を抜粋

子どもたちが放課後児童クラブでの生活を通して習得する基本的な生活習慣には、『健康や衛生に関すること(手洗い、うがい、衣服の着脱等)』『子どもの日常生活に関すること(持ち物の管理、片付け、整理整頓等)』『子どもの自主的な学習活動に関すること』という個人的なものと、『あそび場や生活空間や生活時間を子どもたちみんなで共有すること』『放課後児童クラブの集団生活を維持するための活動に分担・協力して取り組む』といった集団生活に関するものがあります。
放課後児童支援員等は、子どもが放課後児童クラブにおける生活を通して身に付けることができるように援助することが求められますが、その際、一人ひとりの発達の状況に応じた援助を心掛けるとともに、その必要性を子ども自身が納得し、取り組みやすい環境の中で身に付けていけるように工夫することも望まれます。また、宿題については、保護者の考えを聞き、保護者と放課後児童支援員等が共通の理解を持った上で、子どもが自主的に取り組めるようにすることが求められます。
そして、集団生活に関することについては、子どもたち一人ひとりの発達の状況やその時々の心情に寄り添いつつも、子どもたちの『時間や空間をみんなで共有していると』いう意識を育んでいかなければなりません。そのため、子どもたちに『その時間に何をし、なぜするのか』ということや『周りの人が何をして、自分たちはどう振舞うべきか』ということを子どもたちにわかりやすく伝えたり、考えてもらえるようにすることが大切です。また、放課後児童クラブの集団生活を維持するための活動に分担・協力して取り組む際には、それぞれの子どもが取り組んでいることを全員に知らせて、お互いのことを理解できるようにする機会を設けたり、定期的にその内容の改善について話し合ったりすることも望まれます。

子どもたちが放課後児童クラブの生活を通じて、基本的な生活習慣を身につけられるよう、このような環境設定や援助を行っていくこと私たちの重要な使命と言えるでしょう。

今回もご覧いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?