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「フランス外人部隊、ウクライナ人兵士に戦闘装備を持ったまま帰国を許可」は誤り

検証対象

フランス外人部隊、ウクライナ人兵士に戦闘装備を持ったままウクライナに帰国することを許可

まとめサイト「保守速報」記事タイトル(2022年2月27日)

判定

誤り 判定の基準について

 フランス陸軍が、公式Twitterでこの情報を否定している。また、軍司令官の話として、外人部隊所属のウクライナ人兵士14名の東部への移動を阻止したと報じられている。

ファクトチェック

元情報はベラルーシの独立系メディア

この記事は、現在削除されている(アーカイブはこちら)。

一方で、保守速報のTwitterアカウントによる投稿は削除されていない。この投稿は3月3日時点で約1200RT、4800いいねを獲得している。

ベラルーシの独立系メディアNEXTAも2月27日に、「フランス外人部隊の ウクライナ人たちは、完全装備でウクライナに行くことができるようになる」と投稿している。

本当にフランス外人部隊は、ウクライナ人兵士に戦闘装備を持ったままウクライナに帰国することを許可したのか。以下、詳しく見ていく。

フランス陸軍が公式Twitterで否定

ネット上で、フランス外人部隊が、ウクライナ人兵士に戦闘装備を持ったままウクライナに帰国することを許可したとの情報が拡散したことを受けて、フランス陸軍は公式Twitterで以下の投稿を行った。

訳文:
フランス陸軍は(@armeedeterre)は、この虚偽の情報を否定します。出身国がどこであろうと、外人部隊の兵士はフランスへ奉仕することになっています。


NEXTAも訂正済み

また、NEXTAもフランス軍が上記の投稿を行う前に、「更新:戦闘整備を支給するとのニュースは確認できていません。しかし、フランス外人部隊にはウクライナに行く意思のある兵士が多くいます。(Update: The news about the issuance of combat gear has not been confirmed. Nevertheless, there are many soldiers within the #French Foreign Legion willing to go to Ukraine.)」と投稿していた。

仏軍 外人部隊所属のウクライナ人兵士14名の移動を阻止

フランスの英字メディアThe Localは、司令官の話として「フランス陸軍は、外人部隊のウクライナ人兵士14人が祖国での戦闘に参加する可能性があるため、東部への移動を阻止した(The French army has prevented 14 Ukrainian members of the Foreign Legion from traveling east with the possible intention of joining the fighting in their homeland)」と伝えている。

これらのことから、「フランス外人部隊、ウクライナ人兵士に戦闘装備を持ったままウクライナに帰国することを許可している」との情報は誤りだと判定した。

(森青花、鳥尾祐太)

謝辞

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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