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夢は呪い、そして趣味。


最近読んでいる『ハヤテのごとく!』という漫画の中でこんなセリフがあった。

夢っていうのは呪いと同じなんです。
夢を叶えられなかった人間は途中であきらめてもずっと呪われたままなんです。

ただのラブコメ系マンガの中に人の心に深く根ざすような名言を差し込んでくるのだから面白い。

たしかに夢は呪いだ。
本気で追いかけた夢ほど、諦めると決心しても自分の後ろにぴったりくっついてはついてくる。そしてその夢を思い出してしまった瞬間、目の前に現れては「あの時、君が諦めた夢だよ〜」と自分をあざわらう。

ぼくは小学生の頃、ディズニーランドの清掃員になりたかった
結論からいうと、その夢を叶えることはなく諦めてしまった。

それ以来、ぼくはディズニーランドに行くとあの頃なりたかったんだよなあと感慨にふけつつ、羨ましく感じてしまう。

夢はパンドラの箱のように、触れてしまった以上はその運命からは逃れられない。


けれど、一度追いかけたのならそれは趣味にすることもできる。

小学生の頃のぼくが夢のために頑張れたことといえば掃除だ。あの頃は、聖堂員になるためには身の回りを綺麗にできるスキルが必要だと思ってて、学校の机の引き出しや自分の部屋、洗面台。

あの頃のぼくは周りを綺麗にすることでそういったスキルを自然と身につけられると信じていた。今思うとそんなことはないのだけれど、所詮10歳くらいの子供が考えることだ。考えて行動しただけでも褒めてほしい。


夢は諦めてしまったけれど、ぼくは身の回りを綺麗にする楽しみを知った。いらないものを捨てることで心まで軽くなる気がすることや、どこになにがあるか自分で把握できるようになること。

夢を追いかけているあいだにやったことは無駄ではなかった。掃除の楽しさを知らなかったらぼくはきっと、掃除なんてただの生活の一部だと思っていたはずだ。

夢は諦めると自分を縛り付ける呪いになるが、同時に自分の生活を豊かにする趣味にもなる。

良いのか悪いのかはわからないけれどぼくはあの頃夢を持ってよかったなあと今では思っている。

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