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幼少期のスパルタ教育の功罪

小学生相手に、大の大人がブチギレて机を蹴りまくり、その結果大人が脚を骨折する。
そんな光景を目にした人が、この世に何人いるだろうか。
少なくとも5%もいないのではないか?

今回は、中学受験のためにスパルタ塾に通っていた時のお話。
子供にお受験をさせたい人、教育に興味がある人はぜひご覧頂きたい。

【好奇心は猫を殺す】
きっかけは、兄がその塾に行っていたからとか、そんな些細なものだった。
小3の自分には、塾という学校以外のコミュニティが、選ばれし者の集まりのように輝いて見えたのだ。
そこまで勉強熱心でもなかったが、無邪気に母親に「塾に行きたい」とねだり、
高い入学金と授業料を払ってもらい入塾した。
なんだか非日常の世界に飛び込めるようなワクワク感でいっぱいだった。
冒頭のような出来事を目にするとは夢にも思ってなかった。

【Too muchの熱意】
自分が通っていた塾は、超がつくスパルタだった。
先生がブチギレてくるのは当たり前。
成績によってカーストが決まる、完全実力授業。
クラスでは毎回テストがあるのだが、上位3名と下位3名は黒板に名前を書かれ、
特に最下位の者は皆んなの前でひたすら先生に詰められる。

「なんでこんなに出来ないんだ」
「勉強してないだろ?」
「もうお前向いてないわ」
というセリフを言われ続け、生徒に発破をかけてくる。
ひどい先生になると、黒板を叩いて脅したり、胸ぐらを掴まれてるやつもいた。
今にして思えば、パワハラ・モラハラのダブルコンボだし、
そもそもキレる大人ってどうなの?とも感じるが、子供にはそれがわからない。
先生は唯一神であり、逆らってはいけない究極の存在だったのだ。

しかし、いくら神に宿題をやれと言われようと、真面目に勉強しろと説教されようと、
今ひとつ響かない人間も少なからずいる。
そんな下々の者に、時折神の鉄槌がくだる。

あれは確か国語の時間だった。
ずっとだらけた様子だった生徒に対し、
「お前いい加減にしろ!」
という怒号と共に、実力行使に出る神が現れたのだ。
(たしかにその生徒の態度は芳しくなかったが、そこまで怒ることかな?というレベルだった)
まさしく鬼神のような迫力で生徒に詰め寄り、
「お前もう辞めてしまえ!」
とサッカーのような蹴りを連発し始めた。
机に。

静まりかえった教室で、隅々まで響くキック音。
あまりの剣幕に、怒られてる生徒も流石に涙目になっていた。
そんな時、急に鬼神の動きが止まった。
「う…」
と言う呻き声と共に、脂汗をかきながら教壇に戻る先生。
その後先生は着席したまま授業を進め、なんとか終わらせて去っていった。
骨が折れていたという話を耳にしたのはその翌日であった。
そこまでして我々に向き合ってくれていたのか…
などと感動するわけもなく、
「あの先生は異常だった」という話でしばらくは仲間内で盛り上がった。

【スパルタ塾に4年通った結果】
そんなスパルタ教育の塾だったので、拘束時間もとにかく長かった。
休みの時は一日12時間は塾にいて、帰宅後にさらに宿題をするというストイックぶり。
小学生が、全てを捧げて受験に挑んでいたと言ってもいい。
教育方針も超詰め込み型だった。

そんなスパルタ塾に通ったおかげで、希望の中学にも受かり、
それなりに恵まれた日々を送ることが出来た。
色々とキツかったが、終わら良ければなんとやらである。

【詰め込み型スパルタ教育のもたらしたもの】
幼少期の環境や体験は、大人になった今でも強く影響が残っている。

◯得られたもの

・成功体験(完全に結果論だが)
・ズバ抜けた暗算力
・塾で出来た友達
・タフな精神力

◯失ったもの
・自発的に考え学ぶ力
・幼少期なりの遊ぶ時間
・家族との時間
・自己肯定力

こうやって見ると、社会人になってから必要な力が悉く失われていることに気がつく。
そこまでの対価を払ってお受験をする意味があったのかは正直わからない。

しかし、あの頃があったから今がある
小学生相手に、大の大人がブチギレて机を蹴りまくり、その結果大人が脚を骨折する。
そんな光景を目にした人が、この世に何人いるだろうか。
少なくとも5%もいないのではないか?

今回は、中学受験のためにスパルタ塾に通っていた時のお話。

【好奇心は猫を殺す】
きっかけは、兄がその塾に行っていたからとか、そんな些細なものだった。
小3の自分には、塾という学校以外のコミュニティが、選ばれし者の集まりのように輝いて見えたのだ。
そこまで勉強熱心でもなかったが、無邪気に母親に「塾に行きたい」とねだり、
高い入学金と授業料を払ってもらい入塾した。
なんだか非日常の世界に飛び込めるようなワクワク感でいっぱいだった。
冒頭のような出来事を目にするとは夢にも思ってなかった。

【Too muchの熱意】
自分が通っていた塾は、超がつくスパルタだった。
先生がブチギレてくるのは当たり前。
成績によってカーストが決まる、完全実力授業。
クラスでは毎回テストがあるのだが、上位3名と下位3名は黒板に名前を書かれ、
特に最下位の者は皆んなの前でひたすら先生に詰められる。

「なんでこんなに出来ないんだ」
「勉強してないだろ?」
「もうお前向いてないわ」
というセリフを言われ続け、生徒に発破をかけてくる。
ひどい先生になると、黒板を叩いて脅したり、胸ぐらを掴まれてるやつもいた。
今にして思えば、パワハラ・モラハラのダブルコンボだし、
そもそもキレる大人ってどうなの?とも感じるが、子供にはそれがわからない。
先生は唯一神であり、逆らってはいけない究極の存在だったのだ。

しかし、いくら神に宿題をやれと言われようと、真面目に勉強しろと説教されようと、
今ひとつ響かない人間も少なからずいる。
そんな下々の者に、時折神の鉄槌がくだる。

あれは確か国語の時間だった。
ずっとだらけた様子だった生徒に対し、
「お前いい加減にしろ!」
という怒号と共に、実力行使に出る神が現れたのだ。
(たしかにその生徒の態度は芳しくなかったが、そこまで怒ることかな?というレベルだった)
まさしく鬼神のような迫力で生徒に詰め寄り、
「お前もう辞めてしまえ!」
とサッカーのような蹴りを連発し始めた。
机に。

静まりかえった教室で、隅々まで響くキック音。
あまりの剣幕に、怒られてる生徒も流石に涙目になっていた。
そんな時、急に鬼神の動きが止まった。
「う…」
と言う呻き声と共に、脂汗をかきながら教壇に戻る先生。
その後先生は着席したまま授業を進め、なんとか終わらせて去っていった。
骨が折れていたという話を耳にしたのはその翌日であった。
そこまでして我々に向き合ってくれていたのか…
などと感動するわけもなく、
「あの先生は異常だった」という話でしばらくは仲間内で盛り上がった。

【スパルタの功罪】
そんなスパルタ教育の塾だったので、拘束時間もとにかく長かった。
休みの時は一日12時間は塾にいて、帰宅後にさらに宿題をするというストイックぶり。
小学生が、全てを捧げて受験に挑んでいたと言ってもいい。
教育方針も超詰め込み型だった。

そんなスパルタ塾に通ったおかげで、希望の中学にも受かり、
それなりに恵まれた日々を送ることが出来た。

価値観を磨くこと。
こうすることが、あの辛かった時間を活かし、供養することに繋がるのだと思っている。

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