#labo.03 コミックエッセイの構成を考えよう
大変間が空いてしまい失礼いたしました。お正月開けたら結構本業が忙しくなりまして…って言い訳ですね、すみません!頑張ります。
写真は、私が実際に描いていた表紙のラフです。現役時代の奮闘を物語る貴重なラフなのでW この後もちょいちょい出てくるかと思います。
では、コミックエッセイ描き方講座、第3回始めます~。
今回のテーマは、「構成を考えよう」です。
ここでいう「構成」とは、「どんな内容の話を何本くらい描くか」だと思っていただければ結構です。
編集者視点から言うと、書籍編集を行う場合、合計ページ数を企画段階で決める必要があります。決めとかないと、原価がどのくらいかかるかわからないためです。ほら、紙も印刷代も結構するから・・。
最初の計画よりも大幅にページ数が違ってしまった場合は、もう一度企画会議に出さないといけないくらいでした。なので、最初の読みは結構大事。
なので、私はいつも一番最初に、「1話●Pのお話を、15話~20話」と決め、作家さんにその分のネタ出しをお願いし、話の順番も内容もそこで考え、その上でネーム(お話の骨子となる下絵のようなもの)を描いていただくようにしていました。
例えばこんな感じです(架空ですが、「拾い猫」をテーマに考えてみました)
↓
1話目 8ページ 自己紹介、プロローグ的なもの
2話目 8ページ 主人公が猫と出会った日の情景
3話目 8ページ 主人公が猫を家族に紹介したときの家族の反応
(ちなみに、コミックエッセイは1話6~12P が最適ページ数だと感じています。コマ割り展開の場合ですが。)
最初に内容を決めすぎるのはどうなの?という声も聞こえてきそうですが、このやり方は実は作家さんにも好評でした。
作家さんによっては描きたいことがたくさんありすぎて、1話にお話を詰め込みすぎがちなのですが、それだとコミックエッセイ特有の「間」や「抜け感」がなくなってしまいます。
でも、最初に全話の構成を考えておくと、「1話目にもう1つエピソードを詰め込みたいけれど、そのエピソードは3話目で展開できるから、1話目はここまでにしておこう」という自制が効くのです。これができると、1話目の話は1話目で描くべきテーマに絞られて、読者はスッキリ読み進めることができます。
コミックエッセイは、1話1話の展開が遅めです。そのシチュエーションをじっくり描くことで、読者との共感をはぐくむことができるジャンルだと思っています。
なので、できるだけゆっくり、細部を丁寧に、「そのテーマ以外のことは詰め込まない」、ことをルールに、編集しておりました。
最初に「構成を考える」ことはあとあとの展開や読後感にも影響を及ぼすので、一番最初に考えておくことをお勧めします。いわば、「お話の設計図」みたいなものですね。新人の編集さんも、ここを意識してみてください。
いかがでしたでしょうか?
読んでみれば実にあたりまえ、特段テクニックもいらない手法なので、どうも最後まで物語を描ききれない方は、一度この手法を試してみるといいかもしれません。
さて、次回は。
「ネタに困ったときの整理方法」をお伝えしたいと思います~。
また、近々noteさんから素敵なお知らせが発表されると思います!
私のこのページでもご案内しますので、情報解禁までしばしお待ちくださいませ!
コミックエッセイ編集者として会得したあれこれを、ここでシェアできればと思います。応援よろしくお願いいたします~!