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ZINEことはじめ

noteには本当にたくさんの人が文章を綴っていて、彼ら彼女らなりの言葉で想いを届けている。
言葉を紡ぐのが上手な人はそれこそ沢山の共感を得て読む人の心に足跡を残す。

今や広く周知されているとおり、発信はテレビやメディアのものだけじゃないし、著名人や偉人の言葉じゃないといけない理由はない。
個人が個人へ向けて発信し、むしろその方が多くの共感を巻き起こしているようにも思う。

そしてnoteの中でもとくに誠実で切実な言葉や文体で、エモーショナルな記事を読んでいると僕はZINEを手に取っているような感覚になる。
以前から個人が熱意と丹精を込めて自ら製本をしたZINEを集めて読むのが好きだ。

個人の発信においてもインターネットだけが手段じゃないはずだ。
確かにインターネットにさえ繋がっていればツールを選んで気軽に想いを発信ができる。
でもそこは情報という渦に飲み込まれているし、熱意や丹精の込め方に担保はないから、どうでもいい情報も平気で溢れかえっている世界だ。

ZINEは手間がかかる。文章を綴ってサイズを決めてレイアウトをして印刷して製本をする。
けれどその分、ある程度は担保されている。
たくさん刷ったらやり直しの効かない紙での発信に、だからこそ込められる誠実で切実な想い。
それがとにかく僕の感情を揺さぶるのだ。

僕が著名人や偉人の言葉に飽きだした頃から、より身近で共感のできる個人制作のZINEに魅せられていくのは自然な流れだった。

今日はコレクションしているZINEの中から一冊を紹介したいと思います。

馬馬虎虎(マーマーフーフー)〜気づけば台湾〜 壇上遼

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あれは2年前くらいだったかな。大阪の北加賀屋という所にある名村造船所跡地で行われた北加賀屋フレアというイベント内の、ASIA BOOK MARKETというアジア中から主に独立系書店が集まるイベントの中で彼に会った。

若い青年で堂々とこの一冊だけのラインナップで机に並べて立っていた。
手に取ってパラパラと見て彼と少しだけ話した。
以前に台湾で過ごした日々、その素晴らしさ、体験したことを伝えたくて本にした、と。
その表情は今でも忘れないくらいイキイキとしていて楽しそうで、今さっき台湾から帰ってきましたと言わんばかりの生々しい言葉で話してくれた。

僕は躊躇せず購入して彼は喜んでくれた。
家に帰って読み進めて彼の話す言葉にも劣らない文章から滲み出ている情景と現地の空気感。
こっちまで行きたくなるし彼に憑依して体験しているかのような世界観。

これだよな、文体に少々の荒々しさも混じりつつのリアル感、これだよなZINEは、と溜息する一冊でした。


noteでエモーショナルな記事を書いている人も、ぜひZINEとして紙に残して手触り込みで届けて欲しいなと、ちょっとした希望を欲しています。

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