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念願の出雲大社に行った

はじまり


10月某日、私は念願だった出雲大社に行ってきた。

自撮りできない性格なのでイラストで自分を追加してみた。いいぞ、これ!

今年の1月にひとり書き初めをした際、「出雲大社に行く!」と書いていたことを唐突に思い出したのが8月下旬。思い立ったが吉日!ということで早速、出雲大社までの道のりを検索したのだった。

休憩するためのパーキングで。この時期はまだ半袖でも大丈夫だったのに急にこの日の夜だけ寒かった。次の日着るはずだった服を重ね着して凌いだ。 


最初は飛行機で行く予定だったが結構なお値段だったため、夜行バスへと変更した。
夜行バスに久しぶりに乗ることもあって、座席はトイレの前にした。これで後ろの人に気を遣うことなく席を倒せるぞ!あとは前の席の人が喫煙者じゃなかったらいいな…なんて願っていたらありがたいことにその通りになった。
そしてその方は一度も席を倒すことなく、私と同じ目的地まで乗っていた。
一度も席を倒すことなく、私と同じ目的地まで乗っていたのだ!!
(大切なことなので2回書いた)
えっ…席倒さなくていいのかな…?大丈夫?首とか大丈夫?!と何度思ったことか。いや、私が率先して声をかければいいのだが、しん…と静まり返ったバス車内では勇気が出なかった…(チキン野郎)
「いつでも席、倒してくださいね!私のことは気にせずに!」と念じて眠ったのだが私の念は届くことはなかった…。

「うっわ…さむ…」あまりの寒さに目が覚めた私は時計を見た。時刻は朝の5時前。日が昇る前に起きれたのは偉いぞ!と自分を褒めながら日焼け止めを塗る。日焼け止めで真っ白な顔になって満足した私は「あとどれくらいで出雲市駅に着くか」Google先生に聞いてみる。ふむ、まだ結構時間かかるなぁ。
暇だったのでスマホで出雲市の名物やお土産を検索することにした。
そう!私は出雲大社に行くことだけを考えていたため、他のこと(名物・観光地・お土産など)はこの瞬間まで頭になかったのだ!
スマホに出てくる美味しそうなお土産や食べ物を見ながらウトウトする。
2時間ほどすると車内が明るくなりアナウンスが流れ始めた。
やっと念願の出雲に着くんだ!!

出雲市駅めちゃくちゃ良かった。どこに何があるかわかりやすいし、お土産屋さんがたくさんあるし、待合室は綺麗だし、駅内のコンビニ店員さんは優しいしで最高だった。

出雲市駅に着いた私は長時間運転してくれた運転手さんにペコペコしながらお礼を言い、さっそく駅内にあるコンビニでおにぎりを買った。本当だったら近場のお店にでも入って出雲市名物をいただこうと思っていたのだが時間が時間のためお店は閉まっていて選択肢がコンビニ一択だったのだ。
とりあえず目に入ったおにぎりを2個とお水をレジに持っていく。メガネをかけた、とても優しそうな女性の店員さんが接客してくれた。そして私が県外から来た観光客だとわかったのか、はたまた普段から丁寧な接客をされているのか「行ってらっしゃいませ」と声をかけてくれたのだった。
一人暮らしの身には染みる言葉だぜ…と早くも出雲市の虜になる。(ちょろい)

出雲市駅から出雲大社まではバスで行くことにした私はホクホクした気持ちで出雲大社行きのバスを待っていると、一緒にバスを待つ観光客の中に気になる人を見つけた。彼女は一心不乱に何か白くて大きいものを食べている。
なんだろう?と気になってそっとその人のそばまで行く。パンだ!でっかいパンみたいなのを食べてる!!でもなんだろう…不思議な形をしているな。もしかしてここの名物的な食べ物なんだろうか…?と考えているとそういえば、と思い出す。いまさっき行ったコンビニにあの不思議な形のパンがあった気がする。なんだか私も食べたくなってきた…どうしよう、買いに行くか?と迷っているとバスが来てしまった。どうせまたここに戻ってくるから、その時に買おう!と潔く諦めてバスに乗った。

出雲大社から帰ってきてすぐコンビニで買った。

調べてみるとなんぽうパン「バラパン」と呼ばれるパンだった。出雲ではお馴染みのパンでバラの花をイメージして作られたらしい。どうせなら、と牛乳も一緒に購入した。パンとパンの間にクリームが塗られていて素朴で懐かしい味がした。牛乳と一緒に食べることで美味しさ増し増しだ。ただ、このパンの形に慣れていないこともあってボロボロとパンとこぼしながら食べることになった。もしかしたらこのパンの食べ方で地元の人間かどうか見極めることができるのでは…?とボロボロこぼしながら思った。それとも私の食べ方が下手なだけか…?


稲佐の浜で砂をいただく


バス停はスタバが目印だ!にしてもオシャレすぎんかこのスタバ…


出雲大社の正門前でバスを降りた私は出雲大社に向かう一行とは逆の方向へ歩いていた。そう、稲佐の浜へ向かうためだ!

出雲大社の西方1kmにある海岸で、国譲り、国引きの神話で知られる浜。
浜辺の奥に大国主大神と建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)が国譲りの交渉をしたという屏風岩があり、海岸の南には、国引きのとき、島を結ぶ綱になったという長浜海岸(薗の長浜)が続いています。
また、この浜は旧暦10月10日に、全国の八百万の神々をお迎えする浜でもあります。

出雲観光ガイド(https://www.izumo-kankou.gr.jp/213)

夜行バスの中で出雲市のことを調べていて稲佐の浜を知った海好きの私としてはこ
の情報は見逃せない。
しかもこの浜は全国の八百万の神様たちを迎え入れる場所でもあるらしいのだ!そんな縁起のいい場所に行かずしてどうする!と興奮しながら歩く。
そんな私の手にはジップロックが握られていた。
この稲佐の浜に行く理由がもう一つあった。それはこの浜のをいただくためだ。

手に持つそれはジップロック。何かあった時用でいつも入れていた。ジップロックもまさか自分に砂を入れる者がいるとは思うまい。

15分ほど歩くと見えてきた!
着いた、海だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
潮風気持ちいぃぃぃいいい!!!!!

2礼2拍手1礼をするべきか、2礼4拍手1礼をするべきか悩んだ。なぜなら地元の人は2礼2拍手1礼をしていて観光客の人たちは2礼4拍手1礼をしていたからだ。どっちが正解なのかわからないが、私は観光客側だしなと思い2礼4拍手1礼で参拝した。違ってたらごめんね神様。

稲佐の浜についた私はさっそく浜辺にある弁天島のそばまで行く。

神仏習合の頃には「弁財天」が祀られていましたが、明治のころから豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)が祀られています。

出雲観光ガイド(https://www.izumo-kankou.gr.jp/213)

弁天島の際の方に祀られている祠の場所に驚きながらお賽銭を入れてヘコヘコと手を合わせる。ここに祀られている豊玉毘古命様は安産・結縁・海上安全・子孫繁栄・農業守護などのご利益があるようでカップルや家族が参拝していた。
私はというとご利益を受けることも忘れて「こちらの浜の砂をいただきます!」と宣言して満足していた。
ポケットに入れていたジップロックを改めて手に持ち、どこから砂を取ろうか考えてふと思い出す。
そういえばここら辺で散歩していた犬がさっきう○こしてたな…。そっと犬の散歩ルートから外れた場所に行き、ジップロックに砂を詰める。
周りにいた家族連れは「こっちの砂は濡れてないわよ!」と言いさっきのワンコの散歩コースで砂を取ろうとしている…待ってその場所は!…何も見なかったとこにしよう。大丈夫、きっと飼い主はう○この周りの砂も取っていったはず…と自分に言い聞かせる。

さっきコンビニで買ったおにぎりをモリモリとベンチで食べながら弁天島に行き交う人を観察した。みんな一生懸命に砂を袋に詰めていて可愛かった。

いただいた砂をリュックにしまい、歩いてきた道を戻る。
がしかし、方向音痴の私は歩いてきたはずの道ではない方向へ進んだらしい。
どうも行きの時に見た景色ではない。ふと周りを見れば私と同じように砂を手に入れた人たちが同じ方向に歩いているのが見えた。よし、この人たちについて行けば出雲大社に着くだろう!と雇われた探偵のような足取りでその人たちの後を追った。



出雲大社


着いたー!嬉しー!!

探偵気取りで前を歩く人の波に着いて行くこと10分、兼ねてから念願だった出雲大社に到着した!ありがとう、前を歩いてくれた人たちよ!!

ワクワクしながら勢溜の大鳥居をくぐる。こちらの鳥居なんと高さ8.8mもあるらしい。すごい、なんか自分が小人になった気持ちだ。

いや、大きすぎんか。しかもツヤツヤの黒の鳥居って初めて見たぞ。


小人気分で向かう先は祓社(はらえのやしろ)という心身の穢れを祓い清める祠。
いつも行っている神社とは違って、手水舎の前に心身を清める祠があるのは新鮮だった。そして結構な人が祠の前に並んでいる。(ので写真は撮らなかった)
それを見た観光客らしき人並みがそのまま本殿へと歩いていった。
うーむ…並ぶのが嫌でここをスルーするとは、それってどうなんだろう?と悶々と考えていると私の番になったので穢れを払ってもらう。
いろいろと私が考えても仕方ないよな、と悶々としていた気持ちまで清められた。足取りが軽くなった私はその先にある景色に息を呑んだ。

うつくしー!✨

すごい!こ、ここは本当にこの世か!?
近所の図書館にも松並木があるけど…一本一本がここまで大きくて迫力があるのは初めて見たー!!すごいすごいと写真を撮りまくる。

松の参道の迫力よ…

現在は松の根っこを保護するため、中央の道は通行できないらしい。なので横に作られた道を歩く。…でもこの道も松の根っこキワキワに作られてますけど!いいんでしょうか!!歩かせていただきますけれども!いいんでしょうかぁぁ!!!
もしかしたら数年後、この道も通れなくなっちゃってさらに松並木の横の横に作られたりして…と松の木の数年後の姿を思い浮かべる。

ルンルン♩どうして〜神社は〜♪こんなに楽しいの〜♫

拝殿

手前の手水舎でまたお清めを済ませ、いざ拝殿へ!

出雲大社のしめ縄は一般の神社とは左右逆なのだそう。なんでだろう??

しめ縄の大きさに思わず「こりゃでっけぇ…」と呟いてしまう。
こっこれが日本最大級と言われるしめ縄?!(違います)
さすがの大きさやぁ…(違います)

出雲大社では2礼4拍手1礼。…どうして他の神社とは違うのだろうか?

完全な勘違いをしたまま参拝する私。(この後ちゃんと気づく。)
するとどこからか太鼓と笛の音色が聞こえてくる。


八足門

フラフラ…この音は…?

誘われているかのようにフラフラと音色のする方へ歩いていくと見えてきたのは八足門
たくさんの人が参拝している中、中から音色が聞こえる。
祝詞かな?わからん。学がないことがバレちまうぜ!

ちょうど人並みが去っていった後だった。

ドンドコ♪とリズムよく太鼓が叩かれている中、参拝する。
小銭をお賽銭箱に入れ、2礼4拍手1礼して「こんにちは神様!」意気揚々と挨拶する。と、この後願い事を言うつもりだったのだがよくよく考えてみれば私の願い事は「出雲大社へ行くこと!」。
あれ…もう叶ってる?じゃあなんて願い事すればいいんだ…?
(ええっと、出雲大社といえば…縁結び!!)
「一緒に楽しく遊んでくれる人と出会えますように!」
その場で願い事って考えるもんじゃないだろ。と今なら思う。しょうがない。だって後ろに人が並び始めてて焦っちゃったんだもん。
また願い事ができたらここに来ますね!と次の予約をして立ち去る。いや予約すな。

素鵞社(そがのやしろ)

ここで稲佐の浜でいただいた砂の登場ですよ!

さぁ!ここ素鵞社であの砂の登場だ!
まずは参拝をして…ふむふむ御社殿の横に砂を収める場所があるぞ!
腕まくりをしてリュックから先ほどいただいた砂が入っているジップロックを取り出す。するとそばにいた親子が「この砂、何かな?」と言っている。うんうん、私もここの砂のこと調べてなかったらきっと同じこと言ってるわ…。

私の行った時間帯は人が少なかった。というか私だけだった。

まずはジップロックの中の砂をサラサラと木箱の中に入れる。次に木箱に置いてあるスコップでさっき自分が入れた砂の場所とは違うところから砂を掬う。
「稲佐の浜から持ってきた量の半分を持ち帰ってください。」とネットに書いてあったのでそうする。

これだ!半分より少なめに頂いた。やったぜ!

頂いた砂はお守りとしてお守り袋などに入れて持ち歩いたり、自宅の敷地に埋めたりするらしい。私はジャングルと化している庭に清めの砂として撒いた。残りは入れ物に入れて玄関に置いている。この間こちらへ来た母が玄関に置いてある砂を見て「これ何?」と言っていた。言われてみれば、玄関に砂が置いてあるのって不思議だよなぁ。


御本殿

御本殿に近づけるのはここまで。

素鵞社から少し歩くと見えてきたのはめちゃくちゃ大きな御本殿だ!

後ろ側しか見えないけど、めちゃくちゃ興奮できるぞ!

大社造りと呼ばれる日本最古の神社建築、デカい!デカすぎるぞ!
やっぱりあの勢溜の大鳥居をくぐった時から私は小人になっちまったんだ!
1744年(今から279年前だ!)に再建されており高さは約24m!!
ヒェェェと情けない声を出してしまう。こんな大きな建物をどうやって作ったんだ…。近づけるギリギリまでそばに行き、御本殿を眺める。あぁ、双眼鏡を持ってくればよかった。自分の視力を最大限まで引き出しながら5分ほど眺めて満足する。ふう、なんだか視力が上がった気がするわい。

松ぼっくりやどんぐりがお供えされていた。神話「因幡の白兎」を基に作られたのだそう。

ふと足元を見るとかわいい兎がいたのでパシャリ。周りの参拝客の方達も「かわい〜!」と興奮しながら撮っていた。私はというと「これって石で作られているんだよね…?!」と別の方向で興奮していた。このクオリティの兎たちが境内のいろんな場所に潜んでいるらしい。
すごいなぁ…っていうか出雲大社に来てからずっと驚きっぱなしなんだが!
やっぱり来てよかったぜ!!出雲大社!!


本殿西遥拝場

こんなひっそりとした場所に…

ひとしきり興奮して落ち着いたので御本殿を眺めながら歩いているとポツンと道の端にお賽銭箱がある。なんだろう?とその横にある看板を見てみる。

御祭神大國主大神のお鎮まりになる
御本殿の正面は南向きですが御神座は西向きとなっています。

出雲大社境内看板より

なんやて工藤〜!!(コナン君の服部平次が出てきちゃった)
てことはここが神様からしたら正面っちゅーことやないかぁ!!
なんでこんなひっそりとしてる場所にあるんやぁ!!
周りに誰もいないのをいいことにまた興奮する。いけない、いけない。落ち着いて参拝するのよ。心の中の服部は地下牢にでもぶち込んどきましょう。
ええと、どうか楽しい人生を送りながら生きてゆけますように。
なんだか漠然としたお願いだけど大丈夫かなぁ。あっそうだもう一つ、みんなが健康に過ごせますように。って七夕で書く願い事みたいになっちゃった。
…やはり願い事は事前に用意しておくべきだな、と改めて思ったのだった。


神楽殿(かぐらでん)

この橋も良きかな…

御本殿の周りをぐるっと一周した私は人の流れに身を任せて歩いていた。
そうしてやっと間違いに気づいたのだ!

おいおい工藤!これやないかぁぁぁぁぁあ!!
アタイ、間違ってたわぁぁぁぁ!!!

これがっ日本最大級のしめ縄やあぁぁぁぁぁぁ!!!!!

長さ約13m、重さ5.2tというデカさたるや!もう!もう!!
この職人技がぎっしり詰まった大しめ縄の迫力たるや!!!うぉぉぉぉぉ!!!

興奮が心の中では抑えきれずに鼻息が荒くなる。それと同時に写真を撮る手が止まらない。撮らなきゃ!この興奮を乗せて!!気分はモデルを撮るプロの写真家のよう。パシャパシャとスマホでシャッターを切る。
これは素晴らしいぞ!いい角度だ!ん?なんだ…?
シャッターを切る手が止まった。

ぽっぽー

しめ縄の上に、は、鳩が!!

彼らはパシャパシャと写真を撮る私を「人間って変な生き物だな」とでもいうように見ていた。やめろ、そんな目で俺を見るんじゃあねぇ。あと、そこで羽繕いするんじゃあねぇ。
それにしてもこの大しめ縄、4〜8年ごとに交換だというから驚きだ。しっかり作られているから丈夫なんだな…。
私が興奮して撮っていたこの大しめ縄は2018年の7月17日に交換されたものだそうで、今年で5年目になる代物。もしかして来年あたり交換されるかも…?だったら来年も出雲大社を訪れるべきなのでは?!…気が早すぎる。
なんだか来年も「出雲大社に行く!」って今年と変わり映えしない書き初めをする気がするなぁ。でも、それも平和でいいのかもしれない。
来た道を戻りながら「来年の自分も笑って過ごせているといいな」と思った。

ルンルン気分で商店街へ消えていくのだった。


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