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映画感想 『ジョーカー』

映画「ジョーカー」を観てきた。予告編はこちら。

主人公アーサー(後のジョーカー)が後半になるにつれて、どんどん狂っていくので、何をしでかすかわからず、終始緊張感のある映画だった。「ダークナイト」のヒース・レジャーのジョーカーも不気味で怖かったが、今作のホアキン・フェニックスのジョーカーも恐ろしく不気味だ。観る人によっては、結構不快に感じる場面も多いと思うので、バイオレンス系苦手という方は注意。ピエロってもはやひょうきん者の位置付けではないだろう。。

今作はアメコミヒーローであるバットマンの宿敵ジョーカー誕生までの物語だ。子供のブルース・ウェインは出てくるが、バットマンは出てこない。

見所は何と言っても、ジョーカー役ホアキン・フェニックスの怪演だろう。アカデミー賞主演男優賞の最有力候補と言われているようだ。見事にハマっていた。

何をしでかすかわからない狂人的な雰囲気を纏ってて、見てて本当に不安になる人だった。喋る間、表情、仕草から体型、走り方まで何もかもが不気味に見えた。ゆっくりとした動きのダンスとかかなり怖かった。一見すると滑稽な動きなんですが、作品の雰囲気やアングル、場面展開によって何か恐ろしいものを見ているような気分になった。

ただそういった雰囲気を醸し出し、荒廃した感じを出しつつもやっぱりどこかかっこいい。まずスタイルがめちゃくちゃいい。多分映画見たら足長っ!ってなると思う。そんな人が赤いスーツでバシッとキメて、髪をオールバックにして後ろに流している。そして顔には雑なピエロのメイク。このアンマッチさが不気味さを演出してるとともに、妙にかっこいいん。多分今年のハロウィンは、ジョーカーの仮装する人多いんじゃないだろうか。

そういったところもあって、この映画少し危険だなとも感じた。アメリカでは、以前ジョーカーに感化されたと見られる犯人による銃乱射事件があった。それもあって、今回の映画の上映は、アメリカでは、かなり警戒態勢の中行われているようだ。今作でジョーカーは普通に見ればめちゃくちゃ悪い奴なのだが、映画の中ではカリスマ・救世主みたいな扱いをされている。ほとんどの人は大丈夫かと思うが、この悪に憧れを持っちゃたりする人もいるんじゃないかなぁと少し心配だ。まぁ、そんなこと言ってたら映画なんて撮れなくなっちゃうよって話なので、とにかく悲しい事件だけは起こらないことを祈っている。

話が逸れてしまったが、最後にこの映画の終わり方、作中のジョーカーの言動に由来したものだと思うだが、これも作中の雰囲気との対照で非常に効果的だったと思う。なんだかゾッとした。全然笑えない。。

というわけで、「ジョーカー」結構気持ちの悪い映画なので、是非是非観て欲しい。


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