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伊藤国際教育交流財団奨学金に合格するには?

大変ありがたいことに、200人以上の方にいいねをいただきました!
また、このNoteを読んで合格された方も多くいらっしゃいます。
最新の情報を踏まえ毎年改訂していますので、ぜひ参考にしてください!

大学院留学には奨学金確保が必要です。海外での生活は、学費と合わせて年間1000万円単位のお金がかかります。

なかでも、伊藤国際教育交流財団日本人奨学金は、最も手厚い支援をしてくれる奨学金のひとつです。最近ではフルブライトなどの有名奨学金を辞退して、伊藤国際教育交流財団の奨学金を受給する人も少なくないそうです。

今回は伊藤国際教育交流財団奨学金に合格したわたしが、出願書類の考え方と書き方、面接への準備の仕方をご紹介します。

なお、面接の内容に関しては、守秘義務の都合公開することができません。そのかわり、わたしがあちこちから情報を集めて、面接前に準備した想定問答集をお示しすることで、どのように合格者が実際準備したかをご紹介していきます。

伊藤国際教育交流財団奨学金の特徴は、

  • 手書きでとにかく手間がかかり

  • 英語でのステートメントは、奨学金のなかでも最も長文のひとつであり、なんと1500−2000語、かつ

  • 芸術から科学まで、分野が様々な応募者のあいだで競争がある

ことです。
(注:英語圏留学の場合。他言語の場合は書類が若干異なるようです。)

何より、手書き書類は他の奨学金と大きく異なります。実際手書きの手間で諦めたという話もちらほらと耳にします(余裕を持って準備する必要があるのです)。

ただし、手厚い支援は本当に魅力的です。たとえばフルブライトよりも金額面で高額であり(かつ、2年帰国ルールなどの制限もなく)、異分野交流もできるなど、メリットはとてつもなく大きい奨学金だと思います。

さらに言えば、たしかに倍率の高い奨学金ではありますが(200人応募で10人前後の採用が毎年続いています)、たとえば本庄国際奨学財団などと比べると、そこまでの倍率ではないように見えます(もちろん、倍率が高いのは事実ですが)。

したがって、早めの締め切り、手書きの手間、長文の英語などを考えると、

早く緻密に準備すれば、合格の可能性は十分ある奨学金

だとわたしは思います。多くの出願者が直前にあわてて準備を始めて間に合わなくなることが予想されるわけですから、結果として、早めに準備した人ほど、合格可能性が高まるのです。

大学院出願には資金が必要です。複数校出願でさえ出願費用の面で大変です。ここに留学コンサルタントなどの費用が加われば、100万円単位の出費も珍しいことではありません。TOEFLやGREなどを複数回受験する場合は、ここにさらに出費が重なることでしょう。

わたし自身、そうした資金面での工面に苦労しました。投資といえばそこまでですが、出費は少ないに越したことはありません。

この記事では留学コンサルタントに高いお金を払わなくても、書類作成から面接準備にいたるまでを、すぐに活用できる形でまとめました。1万5000字近く、この記事だけで対策の全容がわかるよう、網羅的かつ詳細に書きました

留学コンサルタントは1時間あたり3万円程度することもありますが、このNoteはコンサルティング5-6時間分(15万円以上)にあたる内容を詳細にまとめています。今のところ先着限定で9980円としていますが、今後値上げを予定しています。このNoteを活用することで、少しでも留学準備が楽になれば嬉しいです。

このNoteでは、これまで複数の奨学金に合格した私がかつて行った方法をご紹介したいと思っています。ここに紹介する内容は、書類審査の項目などから推察できる選考の舞台裏なども交えています。奨学金に応募し、そして合格していくなかで私が気づいた点をまとめています。

伊藤国際の対策が網羅的に記載された記事は、その対策の特殊さゆえか、ウェブではあまり見つかりません。わたしが調べた限りでは、このNoteに記載している内容が、最も網羅的な対策のひとつだと思います。ただし(くりかえしですが)面接の内容については守秘義務があります。したがってここでは、わたしが実際に行った面接の対策だけを記載する形で、情報提供を行いたいと思います。

目次をご確認いただき、コストとベネフィットをお考えのうえ、もしお役に立てそうであればご購入を検討いただけたら嬉しいです。

もちろん、この記事の内容は、合格を保証するものではありません。ひとりの合格者であるわたしが行った方法論ですので、たとえば分野や背景によって合う合わないなどがあるかと思います。そうしたこともご判断のうえ、購入を検討していただければと思います。

わたしの経験が、ひとりでも多くの方のお役に立てれば、ひとりの経験者としてとても光栄に思います。

なお、併願が多い伊藤国際とフルブライトについては、セットでのマガジンとしてもまとめています。こちらもあわせてご検討ください。



伊藤国際教育交流財団奨学金とは

伊藤国際教育交流財団とは

伊藤国際教育交流財団は、宗教法人真如苑によって設立された奨学金です。日本人留学生や外国人留学生への手厚い支援を行う財団として、留学生なら誰でも知っている財団で、歴史や実績も豊富です。近年ではフルブライトなどの超有名奨学金を蹴って伊藤国際教育財団を選ぶ方も少なくないようです。

それだけ支援が手厚くて魅力的、ということですね。

伊藤国際教育財団奨学金の倍率

手書きの書類などでハードルが高いにもかかわらず、上記の理由で非常に人気が高い奨学金です。近年では

200人応募して10人程度採用(採用率5%)

がひとつの目安になっており、非常にハードルが高いです。したがって、心して準備をしていく必要があります。

伊藤国際の奨学金関連のブログも少ない

さらに。フルブライトなどと比べて、そもそも奨学金関連の情報が集めにくいのも出願を難しくしています。

奨学生のブログは皆無に近く、もちろん対策法について詳しくまとめているリソースは全くと言っていいほど存在しません。

したがって、十分に戦略を立てることが難しい奨学金です。このNoteは、そんな困難を少しでも取り除き、より多くの方にチャンスをつかんでいただくことを目標にしています!

出願スケジュール

伊藤国際教育交流財団の海外日本人留学生奨学金は、例年7月に募集が始まり、8月末に書類の締切があります。大学院に通常は合格していない段階で出願するため、

大学院に合格する可能性をしっかり示すこと

が大切になる奨学金です。

また、比較的長文のエッセイが多いため、ここである程度形をつくっておくと、それを要約する形で他の奨学金出願にも応用できるメリットがあります。

面接は秋から冬にかけて行われます。したがって、スケジュールとしてはフルブライトに近いかたちと思っておけばよいと思います。

伊藤国際奨学財団の奨学金、何より大きな障壁になるのは、

出願書類が手書き

という点です。研究に関する内容はタイピングできますが、志望動機などは手書きです。どれほど内容を準備したとしても、ぎりぎりになってしまえば手書きの書類作成が間に合わなくなります。

ネット上などでは、手書きがあったので諦めた、という声さえあるほどです。

ただし! 手書きで諦めるのはとっても勿体ないです。なぜなら

  • 金額は日本の財団では最大級(フルブライトより圧倒的に多いです。そしてアメリカの場合、これはたとえば、JビザをTwo-year ruleなしで取れる可能性を意味します。これはとてつもなく大きなメリットです。留学直後に帰国することを求められず、またキャリアチェンジをしてしばらくアメリカに残る、といった場合も柔軟に対応できます。)

  • 2年間しっかりと支援してくれる(たとえばフルブライトは厳密には1年で、2年めは再度応募をしたりと手間がかかります)

  • 前後の義務がほとんどない(交流会への参加などのみで、将来のキャリアに関する義務がありません。たとえばフルブライトは日本への帰国が必須となります)

  • 分野の制限が殆どない(芸術から科学、社会科学など、聞くところによると結局何でもありのようです)

など、とにかくメリットが大きい奨学金だからです。伊藤国際教育交流財団の奨学金に合格できれば、

  • 学費も年間300万円まではカバーされる

  • 生活費は毎月15−20万円支給される

  • 往復航空券も支給してくれる

  • 学費の不足分さえ工面できれば、北米などでも(ルームシェアなどを行えば)持ち出しなしで留学ができる

  • 特に義務もないので、先のことを考えずに学業や就職活動に集中できる

  • 年末までに結果がでるので、大学院出願に際してもアピールできる

  • 3年間プログラムなどにも対応している(ただし合計支給金額はおそらく同じ)

など、メリットだらけです。

出願は大変ですが、頑張って出願にこぎつけるだけの価値がある奨学金といえるでしょう。

繰り返しになりますが、手書きの手間で諦めるのは、本当にもったいない奨学金です。そして手書きも、半日から一日程度あれば対応できます。このNoteでは、こうした手書きの対策も含めて解説していきます。

出願書類

伊藤国際教育交流財団の奨学金出願書類は、大きく応募書類(手書き)と、過去に執筆した論文の概要研究計画(米英圏の場合は英語)、そしてもし応募に際して30歳を超えている場合は、なぜ今留学を希望するのか、をまとめたエッセイです。

応募書類に書く項目は、通常の履歴書のような項目に加えて、7つ程度のエッセイがあります。これらすべてが手書きなので、ざっと見積もって10ページ程度を手書きしなければなりません。これがまた結構な手間になります。

  • 応募書類(手書き)

    • 留学予定先での研究テーマ概要を、専門外の人にもわかるように、わかりやすく説明する(およそ半ページ)

    • 留学予定先での研究テーマを、(1) テーマ選定の動機とそこに至った経緯、(2) 研究に留学が必要となる理由、(3) 大学院の志望校について、第一志望として選択した理由、の観点から説明する(およそ半ページ)

    • 研究テーマの、社会や学問領域における重要性をまとめる(およそ半ページ)

    • 財団設立趣旨をふまえての、奨学生としての抱負や決意を述べる(およそ半ページ)

    • 卒業後の計画を具体的に説明する(およそ半ページ)

    • 長所、短所、性格などをまとめる(およそ半ページ)

    • アピールポイントをまとめる(およそ半ページ)

  • 研究論文要旨(タイピング)

  • 研究計画(タイピング、英語)

  • なぜ今留学なのか(30歳以上の出願者のみ、タイピング)

とにかく書く量が多く、しかも事細かに内容を指定されているので、準備には時間が必要です。

ただし、内容が設定されているということは、それだけ書く内容がはっきりしている、ということでもあります。ふわっとした短いエッセイを求められて何を書くべきか迷うことになるよりは、むしろ書きやすく準備がしやすいかもしれません。通常、短ければ短いほど、エッセイは難しくなるものです。

さらに言えば、ひとつひとつは半ページ程度であることも、対策を比較的行いやすくしてくれているのでは、とわたしは思います。

推察できる専攻の舞台裏

これだけやることがあると、どうしてもすぐ取り掛かりたくなるものですが。。。

書き始める前にまず考えたいのは、これらの出願書類から何が言えるのか、というところです。

奨学金の出願書類は、たとえ明確に書いていなかったとしても、出願のプロセスについてたくさんのことを教えてくれます。

さきほども述べたとおり、伊藤国際教育交流財団の奨学金出願書類は、とにかく事細かにいろいろ指定されています。それだけ詳しく指定されているのであれば、なおさら出願プロセスについて多くを学び取れるはずです。

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