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転職 冒険手帳【退職編】


2024年2月29日、4年ぶりの閏年。
私は3年間勤めた会社を辞めた。
(…正確には有休消化で3月末が退職日で最終出勤日なんだけど、まあそのへんはいいっしょ)

2021年4月1日に新卒で入社したから、ぴったり3年働いたことになる。
3年間というと、中学・高校時代と同じ長さである。
こう見てみると、私は新卒育成をする学校に入学して、卒業したような気がしてくる。

内定をもらった会社でどこに入るか悩んでいたとき、信頼する友人からのアドバイスもあって今の会社に入った。
この決断に間違いはなかったと言い切れる。新卒で入社しなければ得られなかった経験がたくさんあった。
ようやく役に立てるようになってきた段階で辞めるのはよく考えれば心苦しくもあるが、そこはまあ3年間頑張ったし、許して欲しい。

世間的に短期間での転職は珍しいことではなくなったが、私は幼い頃から継続を得意としていたため、この決断には自分でも若干驚いているところがある。
ピアノは15年間続けたし、部活も辞めたことがない。若者の転職について報じられるニュースもどこか他人事で見ていた。
そんな私が、ご多分に漏れず転職するのだから、人生はわからない。

内定をもらってから辞めるまで、3ヶ月あったのでかなりゆっくりしていた。
9月から新しい業務に携わった瞬間に転職を決めて、通常業務と転職活動を同時並行していた。正直このときが最も地獄だった。
慣れない業務を行い、合間でエントリーシートを書き、家に走って帰ってオンライン面接をする。
体調は崩したし、心も病んでいたように思う。
でも、転職活動が終われば地獄みたいな業務にも徐々に慣れてきた。たまには楽しいこともあった。こんな自分でも求めてくれる人、助けてくれる人はちゃんといた。
それでも、本当に辞めていいのか?と悩む時間は一瞬で、自分の決意は最後まで全く揺るがなかった。

なぜならば、私は、どんな仕事でもそれなりに楽しむことができると気づいたからだ。

学生時代のバイトから、店長、営業などを経験してみて、全部ちゃんと楽しいと思う瞬間はあった。おそらく自分はどちらかと言えば器用なほうなんだろうと思う。
きっとこれからも、どんな仕事をしても大丈夫なんじゃないかと思っている。
(まあ、たまたまかもしれないけど。頼む。これからも大丈夫であってくれ。)

だからこそ、仕事以上に、人生において叶えたいことを大切にしたかった。
遠い未来を考えたって仕方ない。未来は今の積み重ねでしかないのだから、今の自分が最もなりたい自分でいられる努力をすべきだ。
私は、住みたい街で暮らすことが、自分を最も幸福にする道だと思った。

先日、以前お世話になった上司に連絡したら、自分は仕事が人生の中心だから私の決断がよく理解できないと言っていた(尊重してくれて、全く悪い言い方じゃなかったよ)。
それで構わないと思っている。
私だけがこの決断の意義を理解できていればいい。
幸せになるために力を振り絞って、自分の足で踏み出せたから、私はしばらくちゃんと自分を認めてあげられると思う。

会社の人たちは、私の決断をかなり前向きなものだと捉えてくれた。
電話で報告した先輩は「あまりにも声が明るいからこっちがびっくりした」とか「こんなに前向きに辞める人なかなかいないよ」とか言われた。
数ヶ月しかいなかったにも関わらず、以前お世話になっていた職場の人たちと合同で送別会も開いてくださった。
優秀だったよと沢山たくさん言ってもらえた。たとえお世辞だったとしても本当に嬉しかった。
私みたいな人間が辞めないようにすべきだ!と熱く語ってくれた人もいて、胸が熱くなった。

頑張れば、誰かが見てくれているんだなと思った。真面目に仕事してよかった。
クソみたいなことも、今なら笑って話せる。
あと、本当に嫌だったことはすぐ忘れられる脳みそなので、数ヶ月後には美しい思い出になっていると思う。

転職活動しているときのいつぞやの日記に『この苦しみも数ヶ月後の私は忘れているんだろうと思うと自分に腹が立つ』と書いていて笑った。ごめんな、過去の自分。

これからも地獄はやってくるんだと思う。
でも、自分の決断に間違いがなかったと言い続けられる人生でありたい。

石の上にも三年ということわざの通り、私は石の上にきっちり三年乗った。
だから、また別の石に乗りに行く。次は3年と言わず、できるだけ長く続けたいなぁ。

あと、別の叶えたい夢も見つけたから、諦めずにチャレンジしていこうと思う。体調には気をつけて、ほどほどに貯金もできるようにがんばるぞー。



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