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ピアノの歴史

以下の文章は自分の読書感想を思いつくまま書いたもの。個人の主観を多分に含んでいるため、苦手な方は回れ右してください。

本の情報(読了日1/17)

書名:ピアノの歴史
作者:スチュアート・アイサコフ
訳:中村友
出版社:河出書房出版社
ISBN:978-4-309-27408-9

この本ではピアノが誕生した経緯から現在の世界中でのピアノ普及に至るまでの歴史をほとんどすべて紹介している。

ピアノがオルガンの一種であることはいうまでもないが、その最初期は今とは全く違う姿と音色だった。小型で繊細な見た目だった。音色はより乾いた感じで、より小さくよりきびきびした響きで、はかなかった。自分はこの事実を意外だと思った。最初から現在の大きく堂々たる姿で、歌うような調べをもっていると思い込んでいたからだ。

初期の巡業音楽家の生活は過酷だった。なぜなら道中野盗や孤独と戦い続けることを強いられたからだ。自分はクララ・シューマンのエピソードが一番好きだ。彼女は批評家たちからの意見のほか、正しいピアノが選ばれるか、ふさわしい作品を演奏できるか、など多くのことを心配していた。当時はピアノのクオリティは一定ではなくまともに演奏すらできないものも少なくはなかったのだ。

ピアノ一本で生計を立てた女性として、クララ・シューマンは我慢強くパワフルな女性というイメージをもっていたためとても驚いた。この本では彼女のエピソードの後、様々な種類のピアノや演奏家たちがくぐり抜けたハプニングなどが紹介されている。それを読むと彼らの心配事が最もなことだと思えてくる。

楽器に関する歴史の本を読んだのははじめてだった。かなり長くて歴史をただ並べた解説本という印象を受けた。自分で調べたり学校の授業で受けたものには限界があって、知らないことは果てしないと実感した。

随分長い間ピアノを弾いていないが、教本の名前は今でも覚えているし、いくつかの楽曲はまだ弾くことができる。その1つ1つに歴史や思いがつまっており、膨大な先人の努力によって今のピアノがあると改めて認識できた。

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