見出し画像

イタリア滞在108日目・109日目

以前一緒に働いていたスリランカの人が仕事中に「Thank you for my brother」と言ってくれることがあって、彼なりの感謝の伝え方なのかなと思っていたのです。この前、フィレンツェで自転車を取り出そうと駐輪場でもがいている方がいて、ちょっと手助けしたらまたも「Thank you for my brother」と言われました。イタリア国外に住む人たちの常套句なのでしょうか。

フィレンツェの試飲会に行ってきました。

Vini Migranti
めちゃ並んでる
試飲会恒例、グラスをもらいます。紙コップは試飲後の余ったワインを捨てる用。グラスは5ユーロで借りられて、帰る時に返却する。
出店者は9割型はイタリア。少しだけ国外からの参加もあって、ここはフランスでSAKEを作っているところを紹介していた。
日本酒、割とこだわり強い方だと思うのだけど、美味しかった。
Le Vent
La Lupinella
Rosato Toscana
Sangiovese Toscana
Mastro di Baglio
GP Terre Siciliane Bianco
Zino
Vino Bianco
PIANOGRILLO
Grillo "Flaneur"
Frappato, Curva Minore
オリーブオイルも試飲させていただきました。サムネのやつね。ぶっちゃけこれがこの日一番美味しかった。
このホールトマトが首位タイです。
このマーク、VIGNAIOLI Indipendenti、という資格を示すものらしい。
Sara e Sara
Picolit. 食後酒はいろいろ飲んで「全部甘いだけじゃん」と思い始めていたのですが、この子はよかった。ハチミツっぽい甘みでなくスッと身体に溶けていく。
Firenze Centraleまで歩くよ
30分くらい
気づいたらチェントロに着いていた。
語学学校の教科書を買おうと本屋にふらっと寄ったら漫画が充実している。
なんかすげえなって思っちゃった。
好きな漫画が置いてあると嬉しい。

歩くこと、ってすごく大切だと思っていて。大人になるとよく時間の進みが早くなる、って言うじゃないですか。それって仕事とか生活が変わり映えしない、というのも一因ではあると思うのですが、交通機関を多用することも大きいと思うんです。自転車、バス、電車。そこから景色を眺めているならまた心持ちも変わりますが、もしそこで変わり映えのない行動をしていると、その1日もまた変わり映えしないものとなってしまう。

交通機関にはもちろんメリットも沢山あって、こうして僕がイタリアに来られているのも飛行機があるからこそ。でも、もしイタリアでバスや電車、トラムを多用する生活を送ったならそれはきっととてもつまらないものになってしまうんじゃ、って思ってて。

試飲会に一緒に行っていた人たちにフィレンツェの中央まで歩いて帰りますって伝えたら「何もないよ」と言われたんです。でも、何もないなんてことは絶対になくて。小さなバールや、レストラン、その地域の特色を示す何事かがあるはずなんです。行き交う人の数、人種、表情、服装。情報はいくらでもある。もし仮に本当に何もなかったとしても、本当に何もないことがわかる。

試飲会の会場から駅までの道のりはそれほど愉快なものではなかったけれど、ふとSanta Maria Novella駅がふと左手に現れた時、僕の中でフィレンツェの地図が更新されたんです。ああ、この道と駅は繋がってて、これくらいの距離で、この道にはこんな店があるんだなって。幼い頃、自分の住む街が世界の全てだった頃ってこうしたマッピングの繰り返しをしていたはずで、それがきっと生きる楽しみの一つだと思う。少なくとも僕にとっては。


日曜日に行った試飲会はこちら。

ここから先は

1,039字 / 3画像
不定期連載。実験的に始めます。買い切り。

イタリア滞在期(2022.10~)を連載中です。イタリア料理、ナチュラルワイン、日々のこと。エッセィ。

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

Grazie per leggere. Ci vediamo. 読んでくれてありがとう。また会おう!