見出し画像

イタリア滞在74日目

ピエモンテ州のLasserra(旧Agriturismo Il BuonVicino)のアグリツーリズモの2日目。昨晩はワインをたらふく飲み、時刻はmezzanotte(夜の12時)。「朝ごはんは何時にする?」と聞かれて9時と答え、ベッドに飛び込んでそのまま爆睡。目が覚めたら9時でした。

キッチンから駐車場を眺める。僕がぐっすり寝てる間に4兄弟は起きてもう働いていた。
colazione。朝食です。イタリアの朝食はコーヒー、ヨーグルト、ブリオッシュなど調理を必要としないライトなものが主流。日本で育った身としては調理を必要としない朝食はむしろ不自然に感じるのですが、「夜半に寝て起きて朝食を摂る」という体験を初めてしたこの日にその意味がわかった。二日酔いの内臓がぐるぐるしている朝に固形物なんか入るわけない。
食堂は20〜30人座れるスペース。
こちらは自家製のジャム。何種類かあって僕はpesche、モモが気に入りました。
宿の入り口で売ってる。
2日目は近くにあるはちみつ工場見学。
入り口
これの中に蜂を飼う。
動画を見せてもらう。プロフェッショナルは手で触ることができるらしい。びっくりした。
試食。お土産に黒糖みたいな蜂蜜とかを書いました。
蜜を絞って、残った巣をろうにして再利用
近くをお散歩
イタリアでは開封済みのチーズをサランラップで巻いたりするのだけど「サランラップは環境に悪いから」と同じく巣を再利用。アンチ・バクテリア。
"Il dono del silenzio: la natura ha cosi tanta da dirci. Impariamo ad ascoltare e sopratutto a stare zitti!"
沈黙の贈り物:自然は私たちに多くのことを教えてくれます。 聞くこと、そして何よりも静かにすることを学びましょう!
"Ogni anno la plastica invade Terra e Oceani, rispettiamo l'ambiente prima di lamentarci, ogni grande cambiamento inizia da un piccolo gesto quotidiano."
"Le api: ogni singola ape rappresenta una cellula, tutte insieme formano l'animale, le sciame. Collaborano ogni giorno creando un sistema perfettamente funzionante."
トントゥってフィンランドだけかと思っていたけれどイタリアにもいた。
ワインと蜂みちとジャムを片手に帰ります。駅まで送ってもらいました。ありがたし。
夜はおきにのお店へ。
生ハムとストラッチャテッラ。生ハムうまし。
フォカッチャも美味しかった。

1日目にAugustoのパートナーが「私たちのアグリツーリズモはイタリアで一番よ」みたいなこと言っていたけれど、本当に最高な2日間だった。アグリツーリズモと宿泊の連絡をしている時に「よかったら近くの蜂蜜工場を見学しませんか?」と言ってくれて。もー願ったり叶ったり。ワインやディナーだけでも十分なのに、ここまでしてくれるなんて。蜂蜜工場は立地的にはカンティーナのすぐ裏にあるのだけど、山道なので車で行く。10分。夏場は歩いて行けるとか。

見せてもらった動画では工場を手作業で作っているところから見られた。イタリアのどこもそうかはわからないけれど、手作業でなんでもやってしまうところはいいなあって思ったりする。

帰りの車の中でLeonardoに「ワイナリーの人手は足りてる?」って聞いたら「僕たちのカンティーナはとても小さいから、今は足りている」と言っていた(と認識した)。この回答というか、結論がすごく印象的で。というのもイタリアの農村の生活というのを初めてきちんと目にしたから。

イタリアと聞くと怠惰なイメージを持ちがちだと思うのですが、住んでみると朝から晩まで働いている人が多いと感じます。僕が注目しているのはミラノのバールやレストランなどの飲食店が多いですが、バールや朝の8時から、レストランは12時半から、途中休憩を挟みつつそれぞれ夜遅くまで。仕込みや片付け、朝の準備も含めるともっと。イタリアには至る所にパン屋がありますが、ここも朝早くから営業している。

今の季節はワイン造りはオフシーズンではあるものの、枝の剪定作業を手作業で毎日やっているそうです。美味しいナチュラルワインを作っている人たちはこうした地道な働き方をしていると知識としてはあったものの、その生活の実態を肌で知るのは初めて。地産地消、km0、郷土料理、家族経営、そういった単語レベルの概念を身体で感じた。と同時に、この中に余所者が入って行くのは容易なことではないのだろうなとも。

イタリアは友達と会う時に互いに頬をくっつけてキスの音を鳴らす「Baci」をする風習があります。イタリア人の知り合いはこれまで何人かできましたがBaciをしたのは今回が初めて。夜のディナーのときにしてもらえたのですが、心地よい距離感でいられる農村がやっぱり好きだ。

以下オフショット。

ここから先は

156字 / 23画像
不定期連載。実験的に始めます。買い切り。

イタリア滞在期(2022.10~)を連載中です。イタリア料理、ナチュラルワイン、日々のこと。エッセィ。

Grazie per leggere. Ci vediamo. 読んでくれてありがとう。また会おう!