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イタリア滞在147日目・148日目・149日目

乗り物に乗っている時に筆がよく進みます。乗り物に乗っているときはいつも不思議な居心地で。環境は人を変えると言いますが、乗り物に乗っていると僕は普段通りに過ごせなくなります。これはバルバレスコ村へと向かうFlixbusの中で書いています。

木金は午前語学学校。土曜日はお肉が美味しいお店で「牛の内臓を堪能する会」に行ってきました。飲み放題付きで70ユーロ。これは安い。

もうすぐオーブンが使えなくなる部屋に行くのですが、「それまでに」とピザを練習しています。よく伸びるちぎれないピザ生地作るのむずい。味はいんだけどね。
先週の土曜に買ったSlow Foodサルシッチャ。サルシッチャはスーパーでも買ったことがあるのだけど、きちんとした調理をしたことはなくて。20~30分茹でて、水で冷やして引き締めてフライパンで焼き目をつける。めっちゃ手間ひまかけたけれど美味しく出来上がりました。スーパーのでも同じくらい惜しいのだろうか。
土曜朝は恒例メルカートです。ここのお肉屋さん、やっぱり人が並んでた。
Il Maialettoというお店が会場です。内臓を食べる会は毎年やっているらしい。
ワインもずらり。
バンコで無限Cavaがいただけます。
最初は立食形式。内臓のフリットが無限に出てきます。
Polmoneは肺。Schienaliは背中のどこか。
cervelloは脳。脳、美味しいよね。蟹も蟹味噌が一番好き。
Animelleは心臓と肝臓の近くにあるスポンジ状のもの。これが一番好きだった。白子みたい。
Cuore. 心臓。多分切ってあると思うのだけれど、牛の心臓って細長いのかな。
Popette di Lampredotto. ランプレドットのポルペッテ。イタリアンパセリが程よい風味を出してmolto buono. サルサなしのポルペッテなら人生一旨い。
2回目のSchienali
2回目のpolmone. 
出てきた皿は一瞬でなくなる。品は3,4周くらいしてようやく余り始めた。
アンティパストでこんだけワインが消費される。
遅れましたがこれが今回のmenuです。ワインのペアリングは全て泡。内臓のような油物は泡との相性がいいらしい。この回をホストしているのはワインソムリエ兼イタリアでシャンパンの第一人者の人がやっている。
右の人がお店のオーナー。テーブルに置く前にもしゃべったり配ったりしてた。
2本目の泡です。プロセッコ。僕はそれほどだったけれど、イベント参加者の中には気に入っていた人もいた。
プリモ。carcerato. 「囚人」といった意味かな。監獄に入れられている人に出されていた昔のトスカーナ料理(ピストイア)。仔牛のモツと肉の切れ端で作流。
プリモ。Bruschetta di Lungua. 牛の下のプルスケッタ。coppa di nervetti. nervettiは膝と脛の軟骨。このcoppaがむちゃんこ美味しくて。今回の料理でこの品が一番好きだった。 ソースはマヨネーズとサルサヴェルデ。ソースはまあまあです。
料理の前にはオーナーが説明してくれる。
プリモ。Risotto di Lampredotto. トスカーナですね。
セコンド。Cacciuccata di Rigaglie. "Cacciucco(カチュッコ)"というトスカーナの西海岸リヴォルノで作られる海鮮トマトスープがあるのだけど、Cacciuccataはそれをもじったもの?「考えられるだけの全ての内臓を煮込んだ」一品。興味深い味だったからリチェッタを聞いたらソフリット、スーゴ・ディ・カルネが味のベースらしい。
セコンドに合わせてシャンパン登場です。
セコンド。cioncia alla pesciatina. Pesciaの料理。パンも入ってる。

ここらで僕は泥酔してしまい「ちょっと休憩」と寝落ちしたら

気づいたら食後酒が出てました。ビンの隣にあるのはカンヌッチみたいなお菓子。vin santoに浸して柔らかくして食べるのが習わしです。ここのカンヌッチ(みたいな名前)が今まで食べた中で一番美味しかった。自家製。サクサク。
たくさんのワインが空きました。

イタリア料理で特筆すべきことは「食材を無駄にしないこと」。

イタリアというと南イタリアのような陽気さと豊富な食材が想起されますが、山岳地帯では豚を飼い、屠殺し、保存食を作ります。作られるのはプロシュートやサラミ、サルシッチャだけでなく、コッパやラルドなど一頭の豚からいろいろな食材が作られます。無駄になる食材はない。

今回の食事会は牛ですが、内臓のような日持ちしない食材は保存食としてではなく、その時期にだけ食べられる料理として消費されていたのでしょう。イタリアに来たからにはそういった品を食べたいと常々望んでいたのですが、ようやっとその席に着くという幸運に恵まれました。

単に内臓を食べるだけなら、他でも味わうことはできますが、この量、この種類を一度に堪能できるのはなかなか珍しいと思う。貴重な会だった。

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不定期連載。実験的に始めます。買い切り。

イタリア滞在期(2022.10~)を連載中です。イタリア料理、ナチュラルワイン、日々のこと。エッセィ。

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