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イタリア産のエキストラバージンオリーブオイル15種比較

オリーブオイルが大好き。パスタ好きあるあるですが、僕はパスタにオリーブオイルと塩だけで食べられる人材です。

EXVオリーブオイル、いわゆるエクストラバージンオリーブオイルに一度こだわり始めると興味は尽きることなく。。。気づけばお家には15本ものエクストラバージンオリーブオイルが揃ってしまいました(イタリア産以外を含めるともっと…)

エクストラバージンオリーブオイルはイタリアでだけ作られるわけではありません。スペイン、スイス、日本など、それこそ星の数ほどの種類があります。それらを何個も買ってテイスティングしているうちに、舌触り、香り、味、料理の出来栄えに違いを感じるようになりました

この違いは使っているオリーブの品種や加工方法などから生まれるのですが、ここではイタリアの州別に素人目線で感想を綴ります。

トスカーナ・ウンブリア

イタリア中部、トスカーナは海もあれば山もあり、どんな食材とも合うと言われます。味わいは少しピリッとしつつも、マイルドな味わい。困ったらトスカーナ。肉でも魚でもなんでも使える。サルサ・ヴェルデとよく合う。トスカーナとウンブリアは地理的に近く、採れるオリーブの品種も近い。

Extra Vargine di Oliva "il moro"

「海抜400m海抜400mの標高の高い立地で、ビオロジックによる自然農法で育てた樹齢100年~800年のトスカーナの古代品種のオリーブを使用。 ノンフィルターで通常のオリーブオイルよりも確かな強いコクがあり、尚かつピュアで驚くようなフルーティーな味わいを兼ね備えています。(中略)レッキーノ種、モライオーロ種、フラントイオ種に加え、古代トスカーナ品種のロケット種をブレンド」

イルモーロ(il moro)。GWに親友の結婚式の帰りに神戸でふらりと入ったお店で見つけたオリーブオイル。この前ふらっと寄った西荻窪のBig Smail Store(旧:MERI Principessa)にも売ってました。ナチュラルワインも作るカルロ・タンガネッリ(Carlo Tanganelli)さんが作っているEXVオリーブオイルで、まろやかな風味に加えて少しだけピリッとした味わい。悪いものが入ってない感じ。価格は3,000〜4,000円くらい。主張の弱い料理の仕上げに相性良さげ?カポナータにかけたら美味しかった。

TERRE NOSTRE TOSCANA IGP エクストラバージン オリーブオイル

「アーモンドやアーティチョークなどのような、果実味あふれるまろやかな甘みが特徴です」
https://www.mitsubishi-shokuhin.com/processedfoods/003149.html

テッレノーステレ(Terre Nostre)はオリーブオイルっぽい青みがかった香りが強め。スパイシーさもなかなかで荒ぶれている印象。ザ・トスカーナって感じ。サイズも小さめで、トスカーナのEXVオリーブオイルを試すにはちょうど良いサイズ。価格は1000円ほど。イトーヨーカドーでよく見かける。地方を問わず料理の仕上げに良さげ。

‎BARTOLINI EMILIOエクストラバージン オリーブオイル Toscano I.G.P.


バルトリーニ・エミリオ エクストラバージンオリーブオイル

トスカーナ州のEXVオリーブオイル。後に紹介するウンブリアのものよりスパイシーさが強め。成城石井で売っている。価格は2000円(458g)ほど。トスカーナ料理の材料、料理の仕上げどちらにも良さげ。

‎BARTOLINI EMILIO エクストラバージン オリーブオイル Umbria D.O.P.

バルトリーニ エミリオ DOP エクストラバージン オリーブオイル

ウンブリア州のEXVオリーブオイル。ウンブリアはトスカーナの右にある州。イルモーロ同様、ブレンド品種っぽい角がとれた味わい。スパイシーさは控えめ、マイルド。いい意味でイルモーロよりも主張が強い。オリーブの品種はモライオーロ、フラントイオ、レッチーノ種の3種類をブレンドしたもの(?)。成城石井で売っている。価格は2000円(458g)ほど。ウンブリア料理の材料に使うのが良さげ。

シチリア

シチリアはイタリア南にある島であり州。味わいはおおらか。個人的には太陽のような味わい。気持ちよく香りが広がる。マグロ、カジキマグロ、甲殻類に合うのだとか。

Ogghiu Olio Extra Versine di Oliva

オッギュ エキストラバージンオリーブオイル

シチリアのEXVオリーブオイル。オリーブの品種はチェラソーラ、ノッチェーラ、ビアンコリッラの3品種ブレンド。しっかりとした青い香り、舌に留まる苦味、粘土のある舌触りが特徴。458gで価格は2,000円ほど。カルディで売ってる。手軽に買えるシチリアらしいEXVオリーブオイルとして重宝している。カポナータ、マリナータ、スカペーチェによく使う。

Centonze Case di Latomie

オーガニックエクストラバージンオリーブオイル 丸瓶230g・チェントンツェCentonze

シチリアのEXVオリーブオイル。オリーブの品種は樹齢は100年を超えたノチェラーラ・デル・ベリーチェ。モナコ王室御用達。初めて買ったシチリアのEXVオリーブオイルで、何にでも合うから多用していた。上品な青い香り、上品な苦味と上品な舌触り。しかしシチリアらしさの主張もある。だが高い。230gで価格は2,000円ほど。EATALYで買いました。

LORENZO N°5 OLIO EXTRA VERGINE DI OLIVA NOCELLARA

バルベーラ ロレンツォNo.5 エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルシチリア

シチリアのEXVオリーブオイル。バルベーラ社の高級ライン。オリーブの品種はノチェッラーラ。ビンが洒落ていてイタリア料理のお店に置いてあることも多い。ツンと刺すような青い香り、粘度は少なく、ほんのりとした甘さと後からじわりと苦味がある。料理の仕上げに良さげ。500mlで価格は4,000〜5,000円。僕はAmazonのセール時に買いました。

リグーリア

オリーブはタジャスカという単一種が使われる。繊細でデリケートな香り。サラダ、生魚に合うとか。やさしい味わい。ジェノヴァ・ペーストに使う。

Terre Bormane Olio Extra Vergine di Olive

テッレ・ボルマーネ

リグーリア州のタジャスカ種のオリーブを使ったもの。ジェノバペーストやステュファートする料理に大量に必要だったので買いました。淡い青みがかった香り、とろんとした舌触りとわずかな苦味。価格は500mlで3,000〜4,000円でちょっと高いけれど、この量で売っているものが少ないので個人的には気に入っている。ネット通販で買えます。

ROI OLIO EXTRA VERGINE D'OLIVA Monocultivar Taggiasca

ロイ オリアローラ 250ML

最初に買ったリグーリアのEXVオリーブオイル。タッジャスカ種とオリアローラ種のブレンド。テッレ・ボルマーネに比べて苦味が少なく、ほんのりとした甘みがある。「Monocultivar Taggiasca」は「タジャスカの単品種」という意味だけれどEATALYのHPではブレンドとある。ジェノバペーストといった料理の材料よりも繊細な料理の仕上げと相性が良さそう。オリーブオイル不得意そうな人にも抵抗なく食べてもらえる気がする。魚料理やサラダに合うとか。価格は250mlで2,000円ほど。

OLIO SPLENDIDO - NIASCA PORTOFINO


ニアスカ ポルトフィーノ スプレンディド


リグーリアのEXVオリーブオイル。EATALYで買った。HPでは「フルーティー・繊細・甘い・クリア・トロリとしている」とある。おそらくタジャスカ種系統のオリーブを使っていると思われるが明記されていない。ほんのりとした苦味を感じるが、買ってから日が経っているのでテイスティングはあまり正確じゃない。226gで価格は3,000円ほど。

ARDOINO EXV オリーブ オイル フルクトゥス

アルドイノ エキストラヴァージン オリーブオイル フルクトゥス

リグーリア州のEXVオリーブオイル。味わい的にはトスカーナに近いと感じるスパイシーな味わい。オリーブの品種はフラントイオ/モライオーロペンドリーノの2種で、BARTOLINI EMILIOのウンブリアに近い。タッジャスカ種を使っていないのでリグーリアらしさはない。価格は250mlで1,000〜2,000円でお試しにはお手頃。BARTOLINI EMILIと違って2品種のブレンドなので角が取れ切れておらず料理の仕上げに良さげ。

その他の地域

De Cecco Olio di Oliva extra virgin organic olive oil 750ml

ディチェコ オーガニック エクストラバージンオリーブオイル

オリーブの品種は不明。おそらくブレンド。品川のポップアップショップで買った。シチリアっぽい青みのある香り。とろりとした食感、ほんのりとした甘み、後からじわりとくる苦味。価格は500mlで1,500円ほど。イタリア料理の材料として使っている。

GIROLOMONI ORGANIC EXTRA VIRGIN OLIVE OIL DA AGRICOLTURA BIOLOGICA

ジロロモーニ 有機エキストラヴァージンオリーブオイル

カラブリアのEXVオリーブオイル。自然食糧品店"グルッペ"で買った。価格は500mlで2,000〜3,000円ほど。粘性は低く、口当たりは甘み、じんわりと広がる苦み。料理の材料に使うと重たくなる印象がある。仕上げのアレンジとして使うのが良さげ?

Tartuflanghe Extra Virgin Olive Oil with White Truffles

タルトゥフランゲ 白トリュフオイル

最高級アルバ産トリュフを使った白トリュフオリーブオイル。卵料理の仕上げに使っている。EATALYで買った。価格は100mlで4,000円ほど。高い。ご覧の通り透明のガラス容器に入っているので保存時は紙の箱を捨てずにその中に入れて劣化しないように注意。香りは上品だけど主張は弱い。繊細な料理の仕上げに良さげ。

OLIO EXTRAVERGINE DI OLIVA ALL AROMA DI TARTUFO BIANCO

白トリュフ エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル

人生一美味しいと思ってる白トリュフのEXVオリーブオイル。イギリスのBorough Market、バラ・マーケットでお土産に買った。本当に美味しくて一時期はパスタにこれと塩だけかけて食べていた。ピエモンテ州アルバと並ぶトリュフの銘産地、マルケのアクアラーニャで作られている。これほど美味と感じるEXVオリーブオイルならば、是非また、飲んでみたいものだ。


結び

各EXVオリーブオイルの紹介にさりげなくオリーブの品種を書いていたけれど、どのオリーブを使っているかで大まかな味の方向性が決まる。品質は栽培方法や栽培から加工に至るまでの時間や加工方法で変わってくるのでさておき、EXVオリーブオイルを選ぶときはどの品種、どの産地のオリーブが好きかで選ぶと調理の幅が広がる。よく見るのは下記6種。

・タッジャスカ
・モライオーロ
・フラントイオ
・ノッチェラーラ
・ビアンコリッラ
・オリアローラ

イタリアに行ったら各地方のオリーブを実際に食べてみたい。

【知識】オリーブの品種 - オロバイレン

お気に入りのEXVオリーブオイル

「実際にどのオリーブオイルを買うのがおすすめ?」という質問をたまに受けるけれど、イタリア産と書いてあるEXVオリーブオイルが個人的には好きです。どの地方で作ったか書いてあるとなおよし。自分の好みがわかるなら、その品種を使っているEXVオイルを買いましょう。

トスカーナ、シチリア、リグーリアの3種類を持っていると料理の幅が広がるので各地方から3つお気に入りのEXVオリーブオイルを選ぶと、

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不定期連載。実験的に始めます。買い切り。

イタリア滞在期(2022.10~)を連載中です。イタリア料理、ナチュラルワイン、日々のこと。エッセィ。

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