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イタリア滞在121日目・122日目・123日目・124日目

Abbiamo notizia buona e la cattiva。良いニュースと悪いニュースがある。良いニュースから聞こうか。土曜日にヴィアレッジョのカルネバーレにダメもとで行ったらめちゃ楽しかった。悪い方は?日曜日から火曜日は自堕落に過ごしてしまった。

2月はカルネバーレの季節。トスカーナで有名なカルネバーレ、Carnevale Viareggioへ行ってきました。

朝はメルカートよ。例のリコッタが美味しいとこね。
sopressata naturale. 奥のでっかいお肉。サラミらしいのだけど今までに食べたことのないタイプで美味しかった。
うっかり逆方向の電車に乗ってしまって、引き返すのに2駅分無賃乗車してしまったの。駅員さん来て罰金されないかビクビクしながら引き返しました。
大きなイベントなので、会場までの道のりは調べずに前の人について行きます。
チケットはオンラインでも買えるのだけど現地で買いました。オンラインで買う場合は日付指定しないと買えなかったのと、なぜかオンラインの方が少し高かったんですよね。
観覧席付きの席を買いたい場合、オンラインで座席指定ができる。でも数日前にアクセスした時はほとんどの席が埋まっていたから(黒色)、ガチで見に行きたい人は早めのご予約をお勧めします。
チケットを買いました。途中入退場もできるのだけど、チケットを使わずに腕に紙の紐を巻く方式です。出入り口で再入場したい旨を伝えると巻いてもらえます。合理的でいいね。
観覧席(裏側)
山車です。ヴィアレッジョのカルネバーレは紙で作った超巨大な山車が闊歩するのが名物だそうです。もちろん仮装している人もいっぱい。
踊り歌い練り歩く。
アコ!指も動くよ。
王室。山車と山車の間を自主仮装した人たちが盛り上げます。
ちっちゃい子もたくさんいる。日本のソーラン節のようなガチ勢だけが練り歩いているわけじゃなくて、どちらかというと町のお祭りに近い。おじさんおばさんが結構な割合でいる。もちろんガチダンス、演技しているグループもいる。
最初のゴリラが反対側の道を進んでいく。あのゴリラは立ち上がります。
山車の上には人が乗っている。山車は静止した状態で進むのではなく、動きます。機械化しているところもあれば、人力で動かしている部分もあって微笑ましい。
気合いのこもった仮装。
フィドル、もといヴァイオリン。指は動くよ。
楽しく踊って、カメラサービスも欠かさない。
政治的なものもある。仮装文化はもとを正すと政治思想と人を切り離すためにあったみたい。
せっかくだからと9割がたの山車を見てきました。全部見たかったのだけどお腹空いちゃったから途中で抜けた。
ヴィアレッジョはトスカーナのリグーリア海沿いにある。練り歩きの途中で夕日がいー感じだったら海に行きたかったのだけど日没には間に合わず。でもいー写真撮れた。
これは小一時間歩き回って入ったレストランのFritto misto con alici di Monterosso。aliciはアンチョビ。イカ、タコ、アンチョビ、ズッキーニ、ニンジン。生トマト、レモン。
フリットは美味しかったのだけど、ちょっと食べきれない。油っこくて。みなさん揚げ物にはレモン絞る派ですか?搾らない派ですか?僕は絞らない派。「レモンは好みで使うものであって作り手はかけて欲しいとは考えてない。なぜなら最初からかかっていないから」という主義のもと断固として自分からはレモンを搾らない禁をこの日初めて破りました。無理。生トマトが添えられている理由がよくわかる。たくさん盛られているのは嬉しいけれど、この量一人はきつい。レモンは好みに応じてかけるかを選ぶのではなく、必要に応じて絞れるように添えられているのだなと体で理解しました笑
余談だけど、アンチョビのフリットとイカ・タコのフリットが並列で並べられているのはすごく違和感があった。料理としては「Fritto misto」「Fritto misto con alici di Monterosso」「Fritto solo pesce」の3種類があって。「一番面白そーなの頼も!」と真ん中のを頼んだのですが失敗だった。イカ・タコのタンパクさとアンチョビの青魚感って真逆なんですよ。よく考えるまでもなく合わせるワインも違うし、口の中に残る青臭さと有無はダンチ。料理として明らかに失敗じゃないかと思う。
カルネバーレは2月中の週末に今後も何度か予定されているのだけど、花火があるのは初日だけ。せっかくだからと見て帰りました。予定だと20時半からになっていたので「時間潰すか〜」とお店でのんびりしていたら19時半に唐突に始まった。慌てて海沿いに移動して堪能しました。打ち上げてたの20分くらいかな。花火好きなんだけど見るのは久しぶり。コロナもあったしね。人生で一番間近で迫力あって観れたかも。500mも離れてなかったと思う。
帰りがけにFrittellaを買いました。揚げパンに砂糖をまぶしたお菓子。揚げドーナッツ。会計の仕方がちょっといいとこのバール方式。お金払ってレシートもらって、そのレシートをもとに作ってもらう。揚げたてを食べられる。この出店は家族経営ぽい。次の電車があるから急いでたんだけど、左端のお母さんにレシート渡したら放置されちゃって(揚げパンは揚げたそばから砂糖をまぶすから揚げたてがないと待ちになる)。割と早くに並んでたのに、花火がえりに割れ先にと前へ進んでいくイタリア人に何人も先を越されてしまった。作っているのは真ん中の姉妹で、みんな姉妹にレシート渡してたみたい。僕のレシートは放置されてマジ電車乗り遅れそうだった。走った。
真ん中のがfrittellaね。フリウリやヴェネトの方のお菓子らしい。レストランを探す前にカルネバーレらしいお菓子を置いてそうな出店も探してたんだけどパニーノ屋くらいしかなくて。ここで妥協した。味わいたいじゃん、祭り気分。フリッテッラは日本ではいももちの立ち位置かな。

Carnevale Viareggio、ヴェネツィアのからは(日本での)知名度は下がるけれどヨーロッパでは有名らしい。「ヴィアレッジョ カーニバル」で検索すると紹介記事がちらほら出てくる。でもガチで見に行って写真や様子を伝えている人はいないなと思って体験談書いてみました。

「カルネバーレ」と頑なに書いたけれど、日本語だとカーニバル、謝肉祭。お祭りです。カルネバーレと言うだけあって、お肉にちなんだもので、復活祭の前にお肉を断つキリスト教の宗教的意味合いがあるそうです。断つ前にお祭りしよーぜ!Facciamo una festa!!

イベント自体は山車と仮装がメインで、僕の好きな食やワインはそれほどフィーチャーされてない。カルネバーレ限定のお菓子も期待してたけれどなかったし。でも、すっごい楽しめたんです。不思議。

山車とか全然興味ないんですよね、昔から。高校の頃の学園祭で山車作った気がするけれど興味がなかったことだけをよく覚えている。仮装もしないし用意もないから「楽しめたらラッキー」くらいの心持ちで望んだのです。でも、パレード前の生演奏や山車から流れる大音響、ダンス、笑顔、その場の雰囲気がすごくて。日本の祭りと根本的な精神が違うなと思った。

謝肉祭ってキリスト教的には肉を断つと言う意味合いがあるけれど、「冬は食べるものが少ないから理由をつけて飢えを凌ごう」と言うのが食文化的な流れだと思うんですよね。そういう文化の流れを感じた(気になった)。

とはいえはそれは過去の話。飽食の現代ではその意味合いは薄れているのですが、食といえば困ったのは晩御飯を食べる場所。カルネバーレは毎週やっているからいつ行くか決めずに、必然レストランの予約をしていない僕に落ち度があるのですが、レストランどこも予約でいっぱいだったんです。「祭りだし入れるダロ」と安易に考えていたら大失敗。3回は断られた。事後だからわかるんですけど、花火が21時に終わるから(当日の変更?で20時に終わったけど)、みんなその後に晩御飯を食べにいい店行くわけですよ。だから店はどこも予約でいっぱい。日本的には21時にご飯食べないからうっかりしてた。

そんなこんなでカルネバーレレポでした。

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不定期連載。実験的に始めます。買い切り。

イタリア滞在期(2022.10~)を連載中です。イタリア料理、ナチュラルワイン、日々のこと。エッセィ。

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