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小鳥のサイズについて

先ほどあった出来事をそのまま書くと、家の換気扇の隙間から1羽の小鳥が侵入してきた。明け方ふと目が覚め水を飲もうとキッチンへ向かうと、換気扇がガタゴト、ガタゴトと鳴っている。じっと見ていると、ひょっこり小鳥が換気扇から登場したのだ。私はすかさず窓を解放した。

冷静に書くとこういうことなのだが、家の中で見る野鳥の怖さをご存知か。小鳥小鳥と書いているが、室内にいるとそこそこデカい。ちょっとしたネズミくらいのサイズはある。飛ぶネズミだ。飛行速度も外で見るよりぐっと速い。行き場をなくした小鳥だ。焦っているのだろう。壁に激突し、鳴き、羽を落とし、ぐるぐると旋回していた。恐怖しかない。朝の4時に声が出た。怖い、と。普段の暮らしの中に野生の何かが闖入することで、日常がぐにゃりと歪む。

ちなみに開け放った窓から外へ出ていったところを目視していない。くまなく室内を探し、「わー!」とか「あー!」とか大きな声を出したり手をパンパン叩いたりしたけどその姿を目にすることはなかった。ただ、どこかにいる気がずっとしている。出ていくところを見ていないというその1点が、いつものリビングに、いつもの和室に、いつもの自室にものすごい警戒心を抱いている。いるなら出てこい。

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