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手のひらをじっと見る人を見る

4年計画で携わっている仕事の2年目が始まった。そんな新たなスタートの日。
撮影終わりの移動で通り過ぎた住宅街の中の民家のひとつが一瞬カレー屋に見えて、「いまそこにカレー屋なかったですか?」という話になる。サーッと通過しただけだから自信はない。ないが、目の端っこに「CURRY」と書かれた小さな看板、そして湯気が立ち込めるカレーらしき絵も見えたような、見えなかったような気がした。CUURY(きゅうり)だったかもしれない。自信はない。本当になんということもない住宅街に突然カレー屋がある不自然さも自信のなさに拍車をかけた。そしてカレー屋だった。調べたらカレー屋だった。そのカレー屋に行く目的がなければ行かないような住宅街。スクールゾーンの住宅街。行くしかないだろう。
大戸屋で会社員の上司と部下が隣の席で、上司が「白飯は大盛りにしないが唐揚げは3つ増量する」というようなことをすごく声高に宣言していて、どんな顔してそのしょうもない宣言を聞いているのかと気になって部下の顔を見たら自分の手のひらを見ていた。メニューでも、スマホでも、タブレットでも、上司の顔でもなく、手のひら。じっと見ていた。手のひらじっと見る人をじっと見る私。

しかしきょうもよく笑った。ユーモアの日だった。

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