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さわやか信州というキャッチコピー

長野市のタグライン候補が3つあると小耳に挟んだ。見ればどれもJPOPの歌詞だった。あなたらしくとか、私らしさとか、自分らしくとか。しかも英語。I Feelなんとか。コークかよ。この3つの中から選ぼうとしていることがすごい。どれも選ばれてほしくないけど、強いて選ぶなら……。
とにかく、さまざまな大人のチェックを経て世に出ていることに驚く。

あるひとりのおじさんがタグラインって言葉を知って、これオラホたちもやろうずと言い出して、外部からそれらしき人を呼び、タウンミーティングとか横文字の茶話会を開き、そこで大学生と子育て夫婦と移住者あたりにインタビューをして、それらしき人が「うーむ、やはり関係人口がどうこうでー」とかレポート出して、結果出てきたのがJPOPの歌詞だったんだろうきっと。ありとあらゆるおじさんがそれを目にして「いいじゃないか」とか言いながら「若者にウケそうだ」とか言いながら次々と印鑑を押してのJPOP。

長野市は来るもの拒まず、去るもの追わずのドライな関係性と、清濁併せ呑む平等さという門前文化の上に立脚しているんじゃないかと私は10年住んでようやく思うようになった。だから、I Feelとか私らしさとかにピンとこなさすぎる。そんなこと行政が言い出したら、知らない町で暮らしているみたいな気分になる。

タグラインが市民のためではなく、行政に入り込んでいる数多の自称クリエイティブな人たちのお財布に入るためのひとつの「案件」に過ぎないのだろうということは、どうしたって成果物として出てきた3つの案の仕上がりを見ると思ってしまう。土日にゴミ拾ったことないだろう。朝6時から草むしったことないだろう。

小さなコミュニティ・地区で見たら格好良いのに、俯瞰で見るとすごい格好悪い町になってきている。

※「さわやか信州というキャッチコピー」ってタイトルなのに、さわやか信州について書いていた箇所を知らずにカットしていた。長野県が昔使っていたキャッチコピーが「さわやか信州」で、これにまさるものないだろうというくらい私は好きでした。

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