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基礎講座「算命学」③陰占入門

ご購読いただき、ありがとうございます。基礎では、宿命を読むのに不可欠な知識/技法を解説します。入門レベルですが、しっかり理解すれば、事例によってかなり深いところまで読めるようになると思います。
第1回では、次のことを説明しました。

  • 生年月日の干支暦から陰占が導かれて、陰占を読むことで運勢がわかる。

  • 陰占からは陽占と後天運が導かれて、陽占を読むことで心理(性格・欲求など)が、後天運を読むことで運勢と心理の変化がわかる。

  • 天中殺は、いずれにも関係する。

今回から占技に入って「陰占」です。「十干」「十二支」「相生/相剋」を暗記していることが前提なので、復習をお願いします。
次回以降は「陽占」「天中殺」をやって、最後は鑑定の手順を解説します。独学しているかたは教科書として、学校などで勉強しているかたは参考書として、ご活用ください。


1.はじめに

陰占を出す

陰占とは、生まれた年・月・日の干支を縦書きで右から左へ並べたものです。たとえば、1994年12月7日生まれのひとは、干支暦にすると「甲戌年」「丙子月」「丁卯日」生まれになるので、陰占は次の通りとなります。
 丁 丙 甲
 卯 子 戌
干支は十干(干)と十二支(支)の組合せですが、干は天の気をあらわすので「天干」、支は地の気をあらわすので「地支」ともいいます。また、6つの干/支がある場所を次のようにいいます。
 日干 月干 年干
 日支 月支 年支
生年月日の干支暦は、昔は万年暦という本で調べていたのですが、いまは入力したら自動かつ無料で出してくれるサイトが複数あるので、ありがたく利用しましょう。「算命学 無料 宿命」で検索してください。
あるいは、スマホの無料アプリもあります。私のおすすめは「算命学の万年暦。」で、陰占/陽占/大運はもちろん、守護神/忌神や数理法の点数も表示してくれるので、とても便利です(*1)。Playストアで入手してください。また、紹介を快諾いただいたので、御礼で宣伝させてください。制作者の算命学作家スタスタレイン工房さんは「宿パー」という自分の宿命がプリントされたパーカーを販売しています。「宿命を着る」というコンセプトが気に入って、私も注文しました。よかったらどうぞ。
https://sg.starstarrain.work/

*1 「算命学の万年暦。」について
このアプリは、冬至説(冬至から新しい年干支になる)が前提です。新しい年干支は立春からとするのが多数なので、12月22日付近から2月3日付近の間に生まれたかたは、ほかのサイト/アプリとは年干支が異なります。また、高尾学館系なので、朱学院系とは陽占の星が一部異なる場合があります。
悩ましい問題ですが、とりあえずは学んでいる学校/先生/サイトにしたがうのがよいと思います。ちなみに、私は朱学院系なので、「算命学の万年暦。」は補助的に使っています(守護神/忌神、数理法、19世紀以前の人物の陰占/陽占など)。

地支の蔵干

さて、陰占の出しかたについて、もうひとつ知っておくべきことがあります。それは、生年月日の干/支の6文字以外にも、地支には干(「蔵干」といいます)が含まれるということです。
第2回でお話したように、地支は時間の気ですが、われわれが時間を認識できるのは天の気を受けて地の空間が変わっていくからで(たとえば、四季の移り変わり)「天に木の気がめぐると、地では春=寅/卯/辰になり、木が生い茂る」「だから、寅/卯/辰には木の気が含まれる」というのが蔵干の理屈です。
同じ五行の蔵干(本元)だけでなく、複数の蔵干(初元/中元)を含む地支もあります。なぜそうなるのか、一応理屈はあります(*2)が、基礎が終わってからじゃないと難しいので、省略します。いまは「蔵干のうち一番影響が強いのは本元だ」ということを押さえておけば十分です。

では、地支の下に蔵干を加えましょう。
 丁 丙 甲
 卯 子 戌
     辛
     丁
 乙 癸 戊
蔵干まで自動的に出してくれるもの(さきほどの「算命学の万年暦。」など)もあるので、基礎ではそれを利用しましょう。

*2 流派で蔵干が異なる
算命学と四柱推命とでは、この理屈が異なるために、同じ地支でも蔵干が異なります。また、四柱推命でも流派によって蔵干が異なります。このテキストでは、算命学の蔵干を前提にします。

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