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基礎講座「算命学」①算命学の全体像

ご購読いただき、ありがとうございます。
基礎講座(全6回)では、宿命を読むのに不可欠な知識/技法を解説します。基礎とはいえ、しっかり理解すれば、事例によってかなり深いところまで読めるようになります。
すべての習い事に共通することだと思いますが、上達するには「知識が2割、実践が8割」で、とにかく早く自分でやってみる(占ってみる)ことです。また、他人よりも自分のことを占いたいという場合には、この基礎講座を読んだ後、興味がある知識/技法をネットで拾い読みすれば、十分だと思います。
今回は、ガイダンスというか、算命学のガイドマップのようなお話をしたいと思います。
独学しているかたは教科書として、学校などで勉強しているかたは参考書として、この基礎講座をご活用ください。


1.算命学とは?

難しいけどよく当たる

みなさんは算命学のどんなところに興味をお持ちですか?
私の場合、「難しいけどよく当たる」という噂を耳にしたのが算命学に興味を持つきっかけでした。早速本を買って占うとよく当たっているし、「算命学ならもっといろいろ読めるのではないか」と期待して学びはじめました…が、難しい。
どこが難しいかというと、占いかたではなくて、なぜそう占うのかという理屈で、わかったようでよくわからない禅問答のような説明に困惑しました。でも占うと、不思議なことに当たっている…。はじめの頃は、その繰り返しでした。
たとえば、「天中殺とは、時間と空間の不自然な融合だ」と説明されても、そもそも、算命学において時間/空間とは何かが説明されていないから、よくわからない。でも過去を振り返ってみると、天中殺と不自然な出来事の時期とが重なっている…。そういうかたは多いのではないでしょうか?
人気占い師のなかにも、算命学を参考にしているひとは多くいます。
たとえば、細木数子氏の六星占術は(彼女に占いの手ほどきをした)神煕玲氏の占いをパクったものです(*1)が、神煕玲氏は算命学宗家である故高尾義政氏の弟子です。また、ゲッターズ飯田氏の五星三心占いも(天中殺グループや十大主星など)算命学をベースにアレンジしたものです。

*1 六星占術とは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E6%98%9F%E5%8D%A0%E8%A1%93

なぜ当たるのか?

では、算命学が当たるのは、なぜでしょう?
それは、算命学が「気」の思想にもとづいているからです。詳しくは第2回で解説しますが、気とはこの世のすべてのもの/こと(*2)を形づくる/動かす究極の存在で、五感ではわからないエネルギーを帯びた空気のようなものをイメージしてください。
オカルトみたいに思われたかたもいらっしゃるかたもいるかもしれませんが、中国はもちろん、日本でも江戸時代までは常識でした。「元気」「気合」「天気」「空気」「電気」「景気」「雰囲気」「殺気」「人気」「色気」「短気」「陽気」「気晴らし」「気にする」「気を配る」「気を悪くする」など、気を含む単語が多くあるのはそのためです。
そして、算命学は、次のように主張します。

  • 気は、一定の法則にしたがい動いている。

  • だから、その法則でもの/ことを分析すれば、性質や未来がわかる。

*2 気と森羅万象
この世にあるすべての物質=もの、この世で起こるすべての現象=こと(心理現象も含みます)を全部まとめて「森羅万象」といいます。気の思想では、気が集まって物質が生成し、その気が散って物質は消滅し、気が伝わることで現象が起こる、とします。

現代の科学では、もの=物質は究極的には17の素粒子からできていることがわかっているので、気というただ一つのものから世界が形づくられているという主張は、明らかに間違っているように思います。
しかし、矛盾はしないのです。ここで「形づくる」というのは、気が物質などの究極の構成「要素」だという意味ではなく、背後にあって、もの=物質を生み、こと=現象を起こして、これらを動かす「エネルギー」のようなものだという意味です。
たとえば、条件は同じのに「一方では起こって他方では起こらない」ということって、ありますよね?その原因について、科学では「誤差」「確率」で説明しますが、気の思想では「一方では気が働いて他方では気が働いていないからだ」と考えます。そして、もの=物質の世界だけではなく、こと=現象(心理現象なども含めて、あらゆる出来事)の世界でも同じだと主張します。
もちろん、科学で証明されているわけではありません。だからといって、「気なんてものは妄想だ」と決めつけてしまうのは、悪しき科学万能主義です。科学で説明できないことは、世のなかに五万とあります。
それに、近年では、物質の最小単位は(素粒子ではなく)振動する「ひも」のようなものだという仮説(超ひも理論)が有力ですが、同じ存在が振舞いかたで異なる現れかたをするというのは、気の思想に通じるように思います。

思想と占術

また、有用なものをわざわざ否定する必要なんてありません。
東洋医学の施術(漢方や鍼灸など)を受けた経験のあるかたは多いと思いますが、東洋医学も算命学と同じ気の思想がベースにあります。東洋医学の有効性を否定するひとはいないと思いますが、身体のなかの気を観るのが東洋医学なのに対して、心のなかの気を観るのが算命学なのです。
算命学が難しいのは思想がベースにあるからです。思想とは、われわれが生きている世界はどんなもので(世界観)、だから、われわれはこう生きるべきだ(人生観)、ということを伝えるものです。
算命学が主張するのは、簡単に言えば、次のようなことです(自然思想)。

  • 人間も自然も同じ気でできていて、同じ気の法則にしたがっている。

  • だから、人間は自然の一部で、人間のことは自然を観察すればわかる。

算命学は元来「ひとはなぜ生まれて、なぜ死ぬのか」「ひとはどう生きるべきか」を探究した思想であって(第2回で解説します)、占術、すなわち、そこから創られた技法は、人びとを占うことによって思想の正しさを検証するものなのです。
算命学を学ぶひとの多くは、思想だけでなく、占術の予測力の高さから、人間を知るための(直観だけに頼らない)合理的な技法を手にすることに(私を含めて)大きな魅力を感じているのだと思います。

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