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受験と就職に役に立たないことは、人生の役に立つ

大学では何か学問を専攻するが、大学進学をする人の半分くらいは就職のことも考えて学部を選ぶと思う。よって人気なのは商学部・経済学部・法学部・社会学部などだ。

実際に文学部で文学について学んでいた先輩は「就活の時は、大学で勉強したことは就職後に活かせないからアピールしづらくて、本当に大変だった」と言っていた。

私自身は国際政治を学んでいた。正直気持ち的には同じだ。政治を勉強しても別に就活面接で「…で、これを入社後活かして参りたいと思います」とは言いにくかった。


しかし私は今年には入って、大慌てで文学・ヨーロッパ史・宗教学・疫病の歴史・占いの歴史・心理学など、いわゆる「将来役にたたない」と思われていたことを勉強しなおしている。


なぜかというと、私は作家になりたいので小説を書くのだが、自分の書きたいテーマに対して、それ相応に資料を読んで勉強が必要だからだ。


しかも不思議なことに、たとえば今も二つの作品を並行して作っているが、全然違うテーマにも関わらず、どこかでこの人類の歴史とか心理学とか、何かしら繋がっている。


別に勉強しなくても物語は書けるかもしれないが、やっぱり詳細を知っている方が奥が深くなると思う。


芋づる式にいろんなことが気になったり、情報量が増えて作品への反映に混乱をしたり、ドツボにハマるのが欠点だが…。


でもそれこそ、文学だってなくても生きていける。しかし、あるから心に豊かさが増えるものである。


同じように、知り得たところで会社の仕事でも、資産運用でも、家事でも、人間関係でも、これらの知識は、私の日常に何にも役に立たない。


でも知っていると、何か自分の存在を空から俯瞰して見ている感じがしてくるのだ。

自分中心で生きているのに、急にこれらの知識を知ると、自分が何ものなのかを何百ページもある歴史の教科書の中で定義づけるようなイメージだ。

過去から現世の流れとか、宇宙があって地球があってとか、他国があってこの国があって、とか。

そこに架空の物語も作っていくので、急に視野が広がりすぎて、自分自身の捉え方が大きくぶれそうになる。


よく宇宙の広さに比べると自分の悩みなんてゴミのようだとかなんとかいう例えがあるが、そんな感じである。

それが、まさに日常生活に関係ない知識を入れていけばいくほど、実現されていく気がする。

どうでもいいことが、心を救うし、心を豊かにする。物事の考え方を1つから2つにする。この世のわからないことを理解するのに役立つ。

これまでと全然違う物差しを持つのが楽しいと最近感じる。


ただ本当に、唯一私が困っていることは、時間がないことだ。こういうインプットの時間をしっかり確保したいが、なかなかそうもいかない。

作家の人たち、漫画家などが、徹夜で作品作りを続ける生活になるのが本当に理解できる。私は6〜8時間寝ないと体が持たないタイプなのだが、こんなのでプロなんて目指せるのだろうか…。

まぁそんなことは本当にデビューができてから悩もうと思う。

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