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台北の秘密の隠れ家 過去の味を今に伝える「龍門美景紅油炒手」

繁忙な東京の日常の中で、ふと立ち止まり、ひと息つく瞬間を求める私たち。銀座の賑やかな通りを歩きながら、ちょうど良いコーヒーや心地よいアフタヌーンティーを探すように、海外の都市でも心のオアシスを探すことができます。この度、台北東区の路地で、日本とはひと味違う味の時間旅行を体験できる場所を見つけました。

その名も「龍門美景紅油炒手」。台北の人気ショッピングモール「頂好名店城」の地下にひっそりと佇むこの店は、40年以上もの間、変わらぬ味を守り続けています。この都市の喧騒から一歩足を踏み入れると、そこはまるでタイムカプセル。過去の素朴で温かな時代にタイムスリップしたかのようです。

店主の李根久さんは、台湾へ移住してきた四川の退役軍人。四川、彼の故郷では、四川料理は家庭の味として愛されています。台北での新しい生活の中で彼が抱いた郷愁の気持ちから、この店が生まれました。そして、台湾の人々に、彼の郷里の独特の風味を伝えることを決意したのです。

店内はコンパクトで、席数も限られていますが、提供される料理は心を込めた逸品ぞろい。中でもワンタンのような「炒手」は特筆もの。しかし、日本のワンタンとは一線を画すその味わい。皮はもちもちとしていて、中の具材はジューシー。特製のタレに浸けることで、香ばしい辛味が広がります。こちらの辛さはただの刺激ではなく、じわりと心に響く深みがあります。そして、その炒手と共に味わう炸醬麵や擔擔麵も、食べた人の心に深く刻まれることでしょう。


20代後半から40歳前半の日本の女性たちにとって、旅先での食体験は、ただの食事以上のもの。それは遠い国での新しい出会いや冒険、そして心の慰めとなることも。銀座での素敵なカフェ探しのように、「龍門美景紅油炒手」も、賑やかな台北の中で心が休まる場所としてオススメしたい店の一つです。


次の台湾旅行の際には、ぜひ東区を訪れて、この隠れ家的な存在の店を訪ねてみてください。料理の深い味わいはもちろん、遠い記憶や懐かしさに包まれるような時間を過ごすことができるでしょう。

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