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歯の着色とホワイトニング〜過酸化水素で漂白?〜

笑った時にこぼれる白い歯。それだけで素敵ですよね。歯を白くしたいけれど、どの歯磨き粉を使えば良いのか迷ってしまう。芸能人ほど真っ白じゃなくて良いけれど、健康的で小綺麗に見える程度に白くしたい。

今日は、歯の着色がどうやって起こるのか?どうすれば白くなるのか?まとめてみました。自宅で自作のホワイトニング剤を作ってホワイトニングすることを想像したあなた!ごめんなさい、医者の端くれとして、今の段階では筆者はそれはお勧めできません

歯医者さん、あるいは市販の商品を使って、ホワイトニングをするときの効果や安全性にご興味のある方はご覧ください

最後の方に筆者のおすすめの商品もご紹介しています。もし、まどろっこしい説明をかっ飛ばして商品だけ知りたいと言う方は、一番下までスクロールしてください^^

歯が着色する原因

私たちの歯は、もともとオフホワイト色(黄色っぽい白色)をしています。下の図に示すように、歯の一番外側にある「エナメル質」は透明です。その下にある「象牙質」が象牙色(黄色っぽい白色)をしているため、私たちの歯は、透明のエナメル質の下から透けるオフホワイト色が、本来の歯の色です。

しかし、時間と共に、黄色、オレンジ、茶色と、着色していきます。

ミュゼHPより引用

では、歯が着色する原因をざっと復習しましょう。

1. ステイン(コーヒー、タバコなど)
2. 歯髄(歯の神経)の損傷
3. お薬の副作用(テトラサイクリンという抗生剤の副作用など)
4. 銀歯による歯の着色
5. 歯の発達段階での過剰なフッ素への曝露
6. エナメル質が擦り減ってくることによる色の変化

ハーバード・ヘルス・パブリシング

医学的な難しい・特殊な状況は、横に置いておきましょう。多くの原因は、ステインと、時間と共にエナメル質が擦り減ってくること、のようですね。

主なホワイトニングの方法

歯を白くする製品は、大きく分けて2つの方法でアプローチをしています。

1. 表面のステインを除去する
2. ハイドロゲンペロキサイドで歯を漂白する

1は馴染みがありますが、2の「漂白」と聞くと怖い感じがしますね。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1のステイン除去には、化学的にステインを取り除く方法や、物理的にステインを擦り取ったり吸着したりする方法が含まれます。市販の歯磨き粉によく含まれている成分です。

この方法では、歯そのものの色を変えることはできませんので、ホワイトニングの効果は限られます

確かに、市販のホワイトニング歯磨き粉には「ステイン除去」成分が含まれていますよね。炭の粉を配合した製品も見かけたことがあります。

あんなに商品の前で悩んで、頑張って選び抜いたホワイトニング歯磨き粉なのに、「あまりホワイトニング効果がない」と言われてしまいました。悲しいですが、実際、筆者も効果を強く実感したことがないです。効果を実感されている方もいるのかも知れませんが汗。

2の歯を漂白する方法では、ハイドロゲンペロキサイドを使って歯の色を白くします。この方法では、数段階、歯の色を白くすることができます

「歯の色」は下記のように段階別に色番号がついています。歯の漂白をすると、歯そのものの色を、今の色番号より何段階か白くできる、とのことでした。

EPARK HPより引用

では、歯を漂白するハイドロゲンペロキサイドとは何者なのか見ていきましょう。

ハイドロゲンペロキサイドとは、過酸化水素H2O2のことです。
高濃度で使用すると体にもちろん害となりますが、安全で適切な方法で歯医者さんが実際にホワイトニングに使用しています。日本では、薬事法で許可されていないため、市販のオーラルケア製品には配合できませんが、アメリカでは安全な低濃度での過酸化水素の配合が許可されています。

ここまでをまとめます。
もしあなたの歯の色が「3番」で、その上にお茶やワインによるステインも重なって、黄ばんでいたとします。ステイン除去(つまりクリーニング)をすると、ステインは取り除けますが、歯の色は依然「3番」です。しかし、歯の漂白を取り入れることで、「3番」から「1.5〜2番」のように実際に白くする事ができる、と言うことでした。

では、実際に過酸化水素で歯の漂白をする安全な方法を見ていきましょう。

歯医者さんに相談しよう

ハーバード大学の消費者向け広報サイトの情報をもとに、歯の漂白について見て行きましょう。

アメリカ歯科学会では、過酸化水素配合の製品を使うときは、歯医者さんに相談することを推奨しています。知覚過敏や歯茎が後退している方は、過酸化水素に刺激を感じる可能性があります。また、過酸化水素は、一般的に歯のエナメル層のみを漂白しますので、セラミックなどの詰め物が漂白されずに残って、結果的に色むらができる可能性もあります。

ハーバード・ヘルス・パブリシング

日本では、過酸化水素配合のホワイトニング商品は、海外商品を直接(あるいは歯医者さんを通じて)購入することになります。または、歯医者さんで過酸化水素でホワイトニングをしてもらうこともできます。アメリカの歯医者さんの団体は、自分で使う場合でも、一旦は歯医者さんに使っても良いか相談した方が安全と言っていますね。

と言うのも、歯の着色の原因によっては、過酸化水素が漂白できない場合もあるからです。

例えば、一般的なステイン(年齢によるステイン、喫煙、コーヒー、お茶など)は、過酸化水素に反応しやすい事がわかっています。しかし、子供の時にテトラサイクリンというお薬に曝露したことで発生する歯の着色には、効果が低いと考えられます。

先ほど、過酸化水素は、歯のエナメル質そのものを白くする、という話がありましたが、歯の表面のステインによる着色にも効果が高いとのこと。ただし、あくまで一般論で、場合によっては効果がない可能性もあるので事前に歯医者さんに相談してね、とのことでした。

安全性と効果

過酸化水素による歯のホワイトニングの、長期的な安全性に関するデータは、確立していません。(つまり医学的に「絶対大丈夫!」と太鼓判を押せる状態ではない。)そういう状況なので、先ほどのようにアメリカの歯科学会などは、使用する前に歯の専門家に相談するように推奨しているわけです。

コクラン(Cochrane Collaboration)というかなりの権威ある科学団体が、今までに行われた科学的な使用データをまとめたところ、

過酸化水素によるホワイトニング製品は、効果が期待できる。しかしながら、消費者は副作用についても理解するべきである。例えば、歯の知覚過敏であったり歯茎への刺激など

という見解を出しているようです。コクランとは医者の中では有名な権威のある組織です。これだけ過酸化水素によるホワイトニングが歯医者さんで行われていますし、またコクランがデータを元に認めていることからも、効果が期待できるのは間違いなさそうです。ただし、人によって、めちゃくちゃ白くなる人と、ちょっとだけ白くなる、など個人差はあるでしょうが。

副作用としては、「知覚過敏・歯茎への刺激」といった表面的な不快感や痛みが挙げられていますが、消毒剤や漂白剤として使われる過酸化水素を口の中に入れて大丈夫?と不安な方に、理系的見解をシェアさせていただきます。

過酸化水素とは H2O2です。ステインを分解して、H2O2からできる産物は、水H2Oと水素H2です。口の中にもともとある粘膜や歯の成分と化学反応をするので、刺激や痛みを生じる可能性がありますが、粘膜は再生しますし、過酸化水素から発生する物質はわずかな酸素と水素、と言うことを考えると、筆者は過酸化水素を「安全な濃度と安全な方法で」使用するのは、問題がないと思います。

もちろん、不安な方は使用されない方が良いですし、小さなお子さんは、許容できる過酸化水素の量が少ないので、使用は薦められません。歯を白くする効果と、不安や副作用といったデメリットを良く比較・理解した上で、ご希望の方は試されるのが良いと思います。また歯医者さんに相談したり、歯医者さんでホワイトニングをするのも、良い選択肢です。

アメリカのハイドロゲンペロキサイド(過酸化水素)配合歯科製品と歯医者さんの比較

アメリカで市販されている過酸化水素配合のホワイトニング製品と、歯医者さんで行う過酸化水素によるホワイトニングを比較しましょう。当たり前ですが、市販製品の過酸化水素の濃度は歯医者さんに比べると低いです。コスト面では、市販製品の方が一般的に安価なようです。

まとめると、歯医者さんは、費用はかかるが、より高い効果が期待でき、専門的な観点から適切な指導を得られるので安心。市販製品は、手軽で比較的安価に試せる、と言ったところでしょう。市販製品の入手方法は、海外製品をインターネットあるいは歯医者さん経由で手に入れる形になるかと思います。(アメリカでは5%までは市販で配合することが許可されています)

まとめ

以上の通り、もし歯自体を白くしたいのであれば、過酸化水素入りのホワイトニングをするのが良いと言うお話でしたね。

また、特に海外の歯のホワイトニング製品を比べるときは、「ステイン除去」が目的の製品なのか「歯自体を白くする過酸化水素」が入っているのか、その辺りを比べると、ホワイトニング効果や副作用をある程度予測できるかもしれません。

実際に試そうとしても、どの製品を試せば良いかわからなかったら残念なので、以下に筆者が使った製品を紹介します。ご参考に!

コルゲート・オプティックホワイト歯磨き粉

さて、ここからは筆者の体験談と、それに基づくおすすめ商品のご紹介です。

アメリカでは過酸化水素配合のホワイトニング製品は色々市販されています。薬液が染み込んだテープを一定時間歯に貼り付けたり、その上からライトをあてる商品、ジェルを歯に塗るなど、、、

筆者も色々試したのですが、一番使いやすくて効果も実感できた商品を紹介します。それがコルゲートと言う歯科ブランドのオプティックホワイトと言う歯磨き粉シリーズです。(テープやジェルを塗るのは時間を別にとらないといけないので、筆者には煩わしかったです。効果的にもオプティックホワイトは2週間で4段階白くするので、テープなどと同じくらい効果がある気がします。個人的意見ですが。)

コルゲートとは、歯医者さんが良く推奨している安心の歯科ブランドです。筆者のかかりつけの歯科でも、毎回コルゲート製品をオマケとしてくれます。

コルゲートでは過酸化水素が配合されたホワイトニング歯磨き粉を3種類(過酸化水素2%、3%、あるいは5%)販売しています。

5%配合のコルゲート「オプティックホワイト・プロ」

自社で行った試験をもとに、
 2%なら6週間の使用で最大4段階まで歯を白くする
 3%なら10倍白くする
 5%(市販で最高濃度)なら15年もののステインも除去

と、謳っています。

筆者はどれも使ったことがあり、どれも刺激は感じたことはありません。しかし、初めての方であれば、2%をひとつ試してみられるのが良いと思います。5%の商品は、新商品なので今試していますが、3%に比べると「過酸化水素味」を感じる気がします。不愉快ではないのですが、化学的な味を感じる気がするのと、そこまで強い過酸化水素を使う必要性を感じていません。なので、次回からは2%か3%に戻す予定です。(急激に2週間で白くしたいのであれば5%が良いかも知れないですが、急いでいないのであれば2〜3%を長時間使用し続けても良いかもしれないですね。5%の方が価格も高いですし。)2%と3%の製品は、筆者の感覚からすると、普通の歯磨き粉と全く同じでした。

有名な商品なので、色々なサイトから販売していると思いますが、もしよかったら、筆者が関わっている販売サイトでも扱っているので、もし買われるのであればポチッと下から購入していただけると嬉しいです。筆者が帰国するときに家族に大量買いして買って帰る歯磨き粉です。ぜひよかったら試してみてください!アマゾンや楽天で検索しても出てくると思いますよ

フロス

最後に言い忘れました。
歯のホワイトニングと同じくらい、いえ、それ以上に、歯と歯茎の健康が大事ですよね!
歯磨きとフロスは2点セットです。毎日しましょう。最悪どちらかしかできないと言う究極の選択に迫られたら、歯医者さんによっては「フロス」と言います。とにかく、フロスは必須です。

以上です。今日も良い1日を!よかったら「好き」してもらえると嬉しいです!

読み飛ばし可能(免責事項など)

正確な記載を心がけていますが、誤りがあった場合、コメントで教えていただけると幸いです。また筆者の体験があなたには当てはまらない可能性もあります。ご了承ください。気になることや不安なことがあれば、歯医者さんに相談してくださいね。




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