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これからの時代、「弱点」はどう扱うべきか  ー 我が子が先生の言ったことを全く理解していない、と感じたら・・・ ー

「先生の言ったことを全く理解していない」
もし、自分の子供がそうだったらどうでしょうか。
ひょっとしたら、その子は非常に豊かな「想像力」を持っているのかもしれません。
前に立っている先生が話す言葉から、全く違うことを妄想している子供がいるのも事実です。
一言一言から、いろんなイメージが浮かび上がり、自分で勝手に物語や話を作っているのかもしれません。
この力こそ、今、社会で盛んに言われている「想像力」です。
 しかし、学校生活の中(卒業した人なら社会生活で)で、この能力は非常に日常を過ごしにくくさせます。
その理由は、言われたこと以外にいろんなイメージが同居していたりしていて、どれが本当に言われた言葉か分からないからです。
 一方で、世の中にインパクトを与える「イノベーション」を生み出すのはそういう人たちである可能性も高いのです。
(ただ、こういう人は、周りを意識もなく傷付けたりすることもあるので、小さいうちは保護者の注意が必要でありますが)
私自身、いろんな「天才」達を私自身身近で見てきましたし、一緒に身近で育ってきました。だからこそ、普通の(今までの時代の)社会生活は苦しいだろうな、という人はなんとなく分かります。(私も我慢しながら社会生活を送っていますので、似たようなことを感じています)
 

「弱点克服」の弊害


 さて、90年代に高校までを卒業した私にとっては、「弱点」は補強すべきものだとされていました。だから中学受験の塾では、「弱点克服」が合格への第一歩として、「弱点克服」「弱点克服」と言われ続けていました。嫌でも、得意な部分より、苦手な部分に目を向けさせられました。そんな当時の私の足を引っ張っていた科目は「国語」。苦手科目に時間をかけるあまり、国語(現代文)が得意になりましたが、何度も1位や満点を取っていた算数が5年生後半頃から出来なくなっていったのも事実です。
もし、4年生の時に、弱点克服に懸命にならずに、算数だけを好きなだけ勉強していたらどうなっていたかと時々考えたりもします。

「弱点」の意識を克服と「保留」という考え方


ただ、幸いなことに私の場合、中学受験では、まだ算数を自分の中では得意で点数を取れる科目として考えられて、中学受験を終えられたのは大きなことだったと今改めて感じています。私立中学に入り、進度は速く、着いていくのはやっとで、なかなか数学だけをということも出来なくなり、高校ではついに数学を一旦諦めざるおえませんでした。(教科書の書き方が自分に混乱を生んでいたのも事実。途中式が省かれていると、混乱してしまっていました。)
しかし、2年間の浪人時代に、小学校の時、算数が得意だったことを思い出したことで、高校時代に苦手意識が染み付いた「数学」が、
「出来るかも」→「大丈夫」に変わっていきました。
 
それはもちろん自分だけの力ではなく、予備校の先生との出会い、中学時代に中学の代数と幾何(図形)をしっかり教えて下さった中学時代の先生との出会い、浪人時代の友人との出会い、これら全てが失った「数学への自信」を蘇えらせてくれたのです。
その結果、現役時代には想像すら出来なかった京都大学に手が届くところまで学力が伸び、本番の入試では、高校時代は0点も取ったことがあった数学は、会心の出来で、後の私の人生にいろんな局面で大きな影響を与えてくれました。(予備校の先生からは、なぜそこまで取れていて大学に落ちるんだ、と言われるくらいでした。ただ、他の英国が全然、当日出来なかったので納得ではありました。)
最後の最後に特に数学への努力が報われたからこそ、アフリカで数学を教えてみようという考えに至りました。しかも、なぜ、出来ないのか、どこでついまずくかも、実体験から分かっています。
この経験が、次の一歩が踏み出させてくれたのです。全く数学が出来なかった自分に、自分で教え、最後に結果を出させていたからです。
 
このように私の場合は、予備校で「好きな科目」として数学が戻って来られたから今の大きな支えになっていますが、そうでなかったら、ずっと自分自身に「自信」と「信頼」「期待」を失ったままでしょう。
こうなってしまった素(もと)は、私の場合、「弱点」にばかり目を向けてしまい、得意分野が間違いなく疎かになっていたことです。それに対して、今、振り返って思うことがあるのです。

それは、どんどんテクノロジーが発展するこれからの時代、

「弱点」は横に一旦、「保留」にしておいて、好きなことのみに時間を忘れて熱中すればよい

ということです。
 
好きなことなら、自然と向き合う時間も増えます。それがさらに「武器」を強くしてくれます。「好き」はいろんなものを引き寄せるのです。
企業も突然、今まで60代だった経営者が40代に代わることも当たり前に聞く時代。
そうすると全然価値観が異なり、新しい経営者は、外部に対して、今までとは違うことを
打ち出していくことを求められ、また独自性を打ち出そうとします。
そこで必要になるのが、「好き」でやってきたことなのです。それしかないのです。
いきなりスポットライトを浴び出すのです。今はそういう世の中です。
 
最後に「運」という要素も書いておこうと思います。「出会い」という要素が人の人生に大きな影響を与えると考えています。それは私自身が40年間、ここまで「運」でいろんな貴重な体験・経験をさせて頂いてきたからです。特に人との「ご縁」は極上のものを与えて頂いたと日々、感謝しています。
 
ここまでのまとめになりますが、
 
弱点は、今後ますますテクノロジーが補ってくれるようになります。
 
だからこそ、夢中になれるもの、好きなことに向き合う姿勢でよいと思うのです。
好きなことだけに熱中できている人生って幸せだと思います。(そんな人、ほとんどいませんが)
 
「弱点」は、「逃げた」と捉えるのではなく、「保留」にしておけばいいの

です。
 
 
参考:東京大学先端科学技術研究センター 中邑研究室
   「異才発掘プロジェクトROCKET」
   神田ベスリクリニック

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