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若手スタッフのマネジメントは「言語化」と「仕組化」が不可欠。ギクシャクしない人間関係を築くためのコミュニケーションのコツとは?

若手スタッフとのコミュニケーションを活性化に注力されている株式会社リガーレジャパン様の代表取締役社長 加藤 慶様(以下、加藤)、経営企画部部長 仁位 彩香様(以下、仁位)に、社内コミュニケーションのコツやjobyの活用法をお伺いしました。若手スタッフとの距離感などにお悩みの方には必見の内容です。

若手スタッフが怖がらずに自分のやりたいことや意見を発言できる文化をつくる

―貴社の事業内容を教えてください
加藤:
当社は創業時から、WebサービサーやSIerなどのお客様に、システム・エンジニアリング・サービスやシステムエンジニアの派遣、常駐開発支援を行っています。汎用系や業務系、Web系まで幅広いスキルを持ったエンジニアスタッフが、お客様の開発プロジェクトを外部からご支援しています。
また、当社ではモダンな言語やAIといった先端技術にも対応した受託開発にも注力しており、主に金融業界、通信業界のお客様と直接取引をさせていただいております。

―貴社サービスの体制やマネジメントはどのような仕組みですか?
加藤:
私が営業総責任者を担い、現場にはマネジメント1名と3名の営業担当者がいます。最近では、育ってきた若手営業担当者をリーダーとして小チームを作り、お客様はもちろん、エンジニアスタッフのみなさんと日々向き合っています。

仁位:
スタッフのマネジメントの考え方や制度は私が設計しています。一般的な組織ですと、メンバーとリーダーといった垂直的なかたちが多いのではと思いますが、当社は垂直的な組織に加え、隣の部署の先輩や斜め上の組織リーダーが「メンター」としてスタッフをサポートする、水平的な連携も持ち合わせております。

―貴社サービスの特徴を教えてください
加藤:
当社は、IT人材不足が叫ばれるようになった2016年に創業しました。IT人材の確保のために、教育と経験が大切だと考えています。技術的な基礎教育のカリキュラムを受けていただき、その後、受託開発チームでプロジェクトメンバーとして経験を積んで、徐々に難易度が高いエンジニアリングに挑戦できるような環境づくりを特徴にしたいですね。最近では得意としている金融業や情報通信業のお客さまから、アプリケーション開発やバックエンド開発、インフラ開発などのIT領域のご相談も急増しております。お客さまのご要望に応えるべく、ITエンジニアの採用と育成も強化しております。

―貴社が大切にされている想いや文化があれば教えてください
仁位:
当社の社員平均年齢は27歳となっており、一般的なIT起業と比べても若手層が活躍しています。
そのため、若手スタッフが怖がらずに自分のやりたいことや意見を発言できるような環境整備を心がけております。会社が指示した決まりごとに当てはめて考えるのではなく、今いるメンバーがどういったものを求めていて、どんな困りごとがあるのかをキャッチアップしたいですね。ひとりひとりが主体性をもって発言し、行動する、そんな実感を持ってもらえる文化を作りたいです。
例えば、帰社日や全社会というオープンな場で発言をする機会を設け、制度、手当といった会社に求めたいことを提案できる。そしてその提案が全社の仕組みに取り入れられ、主体性の実感がわく取り組みを大切にしています。

垂直水平的な組織のコミュニケーション

―エンジニアスタッフのリテンションやモチベーションを高めるために、課題に感じていることはありますか?
仁位:
私が一番、課題だと感じたのは、コロナ禍のリモートでのコミュニケーションです。文字が中心でかつ、画面をONにしてきちんと話す機会がなく、声だけで表情や視線など非言語情報が読み取れず、コミュニケーションが難しかったですね。言語情報だけでは、温度感が伝わらなかったり、文書に残すことによってキツく捉えられるといったギャップを感じました。
スタッフを注意したり指導するときは、温度感が大切だと思います。チャットだけだと、「余計に注意された」と自己肯定感を下げてしまったり、否定されたような感じになってしまうスタッフがいました。もちろんそれだけで退職、というケースはなかったのですが、「注意した人と話したくない」、「自分は何をやってもダメだ」とネガティブになってしまったスタッフがいました。

そのため、コロナ禍が明け、徐々に対面の機会も増えたので、目と目を合わせて話をする機会を大切にしようと考えました。月に1回、いわゆる1on1を本格的に導入しました。
当社はさきほどお伝えした通り、メンバーとリーダー、メンバーとメンター、の垂直水平的な組織をとっています。メンバーとリーダー、すなわち垂直組織での1on1は毎月。メンバーとメンター、すなわち水平組織での1on1は隔月で実施しています。特にITエンジニアは、「人間力」と「技術力」のメンタリングが必要です。人間力と技術力を兼ねそろえたスタッフは社内外から魅力的に映りますし、本人の肯定感も高まります。なので、寄り添って課題や悩みなどの話を伺って、今では一緒に解決していく活動に時間を割いています。

―水平組織のメンターはどんな基準でアサインされるのですか?
仁位:
基準は1つです。ヒアリングに長けているかどうか。自分の話ばかりせず、聴き上手なメンバーはもうメンター決定です(笑)
メンターは「人間力」を育てる担当で、組織マネジメントをするマネージャーとは違います。自分の意見をしっかり伝える、そしてコミュニケーションを通して一緒に考えるトレーニングを担当します。そうすることで、プロジェクトに入ったり現場に行っても、コミュニケーションを図れるエンジニアとして活躍できるようにもなります。

加藤:
定番になった資格取得のためのイベントや勉強会などの社内企画は、水平組織のメンター活動で発案され、実施しています。20歳代前半のスタッフは大学生のころがコロナ禍だったため、非言語情報を伴う対面のコミュニケーションに慣れておらず、最初は本人たちはWeb会議でいいと言っていました。でもいまでは「人間力」の重要性に気づき、積極的に発言していただいていますね。あと、水平組織のメンターがいると、メンタル不調の早期発見もできるようになりました。メンタル面の不調があって、病院に行くと、すぐ診断がついてしまいます。そうなったら会社としても休業要請を受けて「病気の方」として見てしまい、業務や環境を変えるといった改善ができにくくなり、結果的に休業に入ってしまいます。組織のマネージャーとメンターの2つの心の眼で向き合える1on1を行っています。

―「人間力」と「技術力」を育む1on1の悩みや課題は何ですか?
仁位:
入社直後の方であったり、若い方に声をかけたとき「大丈夫です」というふたつ返事に困っています。たしかに社会人経験も浅く、まだ会社に慣れていない中で、困りごとや相談は口に出しにくいと思います。言語化が苦手なスタッフも多いです。しかし、同調するだけのコミュニケーションだったら「話さなくてもいいんじゃない?」ってなりますし、1on1として成立しません。具体的なSOSの中身もわからないですし、何をもって満足をしているかも分かりません。
「困ったことがあったら口にしても安心」という信頼関係があれば、アラートも出しやすいし受け取りやすくなります。そのため、メンバーと組織リーダー間、メンバーとメンター間では、信頼関係の構築が不可欠だと思っています。
悩みが多種多様で、違う環境や同じ場所で業務を行っている人もいます。原因の追及や解決アイディアも対話からはじめることで根本的な対策につながると考えています。

「joby」はコミュニケーションの呼び水

―「joby」をご利用いただくにあたって、選んでいただいた経緯や狙いを教えてください
加藤:
もともと、1on1を実施した後のレポートを組織で共有はしていたのですが、レポートという体裁だと変化に気付き難く、視覚的にスタッフの動きが捉えることができないという課題がありました。その解決策として、パルスサーベイの導入の検討を始めたところ、jobyと出会いました。他サービスよりも変化が分かりやすく、分析だけでなくアクションができるという特徴に可能性を感じました。スタッフの具体的なコンディション変化をパっと見て分かるようなもの、一目で分かるようなものが欲しかったんです。

―「joby」導入の決め手となったポイントはありますか?
仁位:
いままでは、マネージャーやメンターが直感でスタッフと面談を通して向き合っていましたが、コンディションの傾向を捉え、それをデータで確認できることが一番の決め手ですね

―「joby」で役に立った機能はありますか?
仁位:
シンプル過ぎる、ストレスとやりがいのマトリックスグラフですね。これでかなりスタッフの状況が可視化できたように感じます。また、過去回答との比較や前月との差も分かりやすく、1on1には欠かせないツールになっています。当社は若手層が活躍しており、マネージャーも若い方が多いです。初めてリーダーを経験される方でも、メンバーのストレスとやりがいの2つを抑えておけば、マネジメントは回しやすくなると思います。
1on1を実施する前に、メンバーが今どういう状態なのかを認識して臨めることになるので、1on1で話すべき内容も自然とフォーカスできます。質の高い1on1ができるようになったと実感しています。
あと、状態の把握だけではなく、リアクション機能を使うことで、組織としてフィードバックできるので、コミュニケーションのきっかけになっていると思います。リアクション機能は会話のラリーをするのではなく、「返信不要」というメッセージとともにリーダーのつぶやき、のような形で活用しています。やり取りの続きが必要な場合は「jobyを見ましたけど」と前置きをしてチャットでフォローするようにしています。

―「joby」を活用する上で、貴社ならではの工夫があれば教えてください
仁位:
垂直水平的な組織なので、権限設定を工夫しています。マネージャーは配下メンバー全体の回答を、メンターメンターは担当メンバーだけの内容を、という設定ですね。また、スタッフ本人に何度もヒアリングがいかないよう、スタッフへのヒアリングは「人間力」を育む1on1を実施するメンターに集約しています。
回答スコアが下がったり上がったりするのはよくあるのですが、気を付けていることは、回答を提出しない方への声がけです。情報が取れないことを防ぐために、未提出1回目なら「忘れてるのかな?」と様子を見ますが、未提出2回目の場合は提出いただくよう連絡して回答を促しています。

―「joby」が実際に効果があったと感じていることはありますか?
仁位:
何も事前に相談がないのに突然「最近どう?」って聞くと、スタッフも「どうした急に?」と変な勘繰りを持つ可能性があると思います。事前にメンバーからメンタルややりがい、ひとことコメントとして回収できていると、jobyの情報を受けている管理職であれば声がけがしやすくなったと感じます。
1on1や面談以外の社内の会話でも簡単な前情報になっていて、コミュニケーションの呼び水になっていることは間違いありません。スタッフとの話のネタが増えて雑談する機会も増えました。「1on1で改めて話すぞ」とかしこまったアプローチとは違った会話ができるようになりました。

加藤:
当社はもともと離職率はかなり低かったのですが、今年に入り、新卒含めて、15人の仲間が増えました。これまでの採用ペースから考えると、急増です。これから離職の抑制という観点でも「joby」がどこまで影響しているのかは様子を見てみたいと思います。

仁位:
幸いなことに、おおよそ全員、充実状態の枠に入っている状況が続いています。jobyを導入する前から人事として把握していた、もともと体調を崩しやすいスタッフの場合は、いきなりスコアが下がったり上がったりするので、みんな正しく今の状況を回答してくれているんだな、と感じますね。

―「joby」導入時の全社案内や説明で工夫されたことはありますか?
仁位:
当社には、メールで週報や月報を送ってもらう社内ルールがあります。また新しく報告業務がきて「面倒だな」と思ってもらわないように、「毎月やらないといけないリスト」を社内イントラに入れて告知しました。毎月7日にはjoby入れてね、というスケジュールを組み、順番通りに対応いただけるようにルーティン化しました。任意回答としてしまうと漏れてしまうので、業務の一環として最初はアナウンスしました。中途入社の方も回答していただいていますが、反発や違和感はありませんね。素直な社員が多いことに感謝しています。

―「joby」の今後の活用についてのお考えをお聞かせください
仁位:
現状では、1on1の結果とjobyの結果が社内システム上、離れたところにあります。それぞれを個別に見に行かなければならず、確認者の確認工数がとられているような気がしています。社内システムのなかに情報を蓄積してRPAで情報を連携させるような仕組みを作って立体的な状況確認ができるようにしたいですね。
そうなると、前回の1on1とjobyを瞬時に同時確認できるようになります。社内コミュニケーションの効果が分かったり、アプローチを変えることもできるのでは?と考えています。joby→1on1→joby→1on1という時系列で確認できれば、視覚的に理解しやすくなり打ち手もわかりやすくなると思っています。

今後の貴社の取り組みについて、意気込みを教えてください

―今後の貴社の取り組みについて、意気込みを教えてください
仁位:
新しい仲間が何人増えたとしても、メンターが比例して増えれば純回転する組織を作りたいですね。中堅、ミドル層の育成が叶う体制づくりに直結しますが、垂直水平的な組織にとっては、「言語化」と「仕組化」が大切だと考えています。
言語化が苦手な若いスタッフが多いため、短文でも構わないから、きちんと報告すると会社はメッセージとして受け取り、それがコミュニケーションのきっかけになることを意識してほしいです。情報整理の力をつけるための研修機会を設けることも検討しています。
同時に、属人化を防ぐため、情報管理や社内規定の見直しも視野に入れて、人事制度を常に点検したいと思います。スタッフからの意見や提案がバンバン出てきて、みんなでディスカッションし、制度化していくプロセスを作る。そうすることで仕組化につながると考えています。
「技術力」と「人間力」の重要性をメンバーに伝え続けたいので、会社で様々な研修を行ったり人と話す機会を作ったり、経験を積むことで、それらの力をまとめて紡いでいきたいです。

加藤:
私は長く人材の業界で従事しているので、IT業界未経験者層や未経験に近い方を、人手不足が叫ばれているIT業界で活躍できるような社会システムを作りたいと思っています。加えて、海外人材の活躍環境支援にも業容を拡大するつもりです。
直近では、事業の加速化のため、いまはシンプルに社員の人数を増やしていきたいと考えています。仲間集めのための採用活動を強化していく予定です。採用強化でスタッフ急増中のなか、課題としては、中間層が育たないと会社として成り立たないと実感しています。中間層の育成においては、業務への責任意識はもちろん、マネジメントやリーダーシップの知識を自発的に吸収したりアンテナを張るなどの意識を持ってもらえるような体制を作りたいです。
「技術力」はもちろんのこと、これから必要な人材として「人間力」を高めることも当然必要になってきます。メンタルケアやコミュニケーション、人間関係形成が育成テーマの軸になると考えています。

■■■取材にお応えいただいたjoby利用企業■■■
企業名:株式会社リガーレジャパン
住所:東京都墨田区両国2-13-8 両国駅前ビル 3階
連絡先:代表取締役 加藤 慶
e-mail:info@rigarejapan.co.jp


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