「違法薬物を乱用する人」の性格って?
こんにちは。Jobgram公式キャラクターの「おみそ」です。
突然ちょっと物騒なお話ですが、違法薬物を使用する人はどのような性格だと思いますか? 「自堕落」「不良」のようなイメージでしょうか。
実際に薬物を乱用してしまった人たちに共通した性格傾向はあるのか、そんなことを調べた研究論文があります。今回は、この論文をもとに「大麻の問題使用をする人の性格」についてお話しします。
大麻の使用
ここからは、問題のある大麻使用とビッグファイブ理論の関連を分析したオーストラリアの大学の研究結果をもとに、お話しします。
ご存知の通り、世界では大麻を合法としている地域もあるので、「違法薬物」にあたらないケースもあるのですが、ここでは主に「問題のある大麻使用」、つまり事故や犯罪につながったり、依存症になるような危険な使い方をした人を対象に考えます。
※この研究は、一定条件を満たした過去の5つの研究結果をメタ分析したものです(n=5,334人)
※ビッグファイブ理論とは?
現在、世界の研究者から最も信頼されているパーソナリティ理論。人間の性格を5つの因子で分類し、それぞれスコア化したもの。近年は、心理学の領域のみならず、脳神経科学、遺伝学、進化論、政治学、精神医学、犯罪学などと結びつき、新たな知見をもたらしている。
大麻の問題使用者とビッグファイブの関連
神経質傾向:r= 0.33
開放性:r= 0.18
協調性:r= −0.29
誠実性:r= −0.29
「神経質傾向」「開放性」がプラス、「協調性」「誠実性」がマイナスの関連を示していますね。
まずは、神経質傾向と開放性が持つ特徴について詳しく見てみましょう。
■神経質傾向
神経質傾向は、生命の危機などリスクへの敏感さを示したもの。トラブル、プレッシャーのかかる仕事やテストなど、心に負荷がかかる出来事に対してどう反応するかによって、心の繊細さ・鈍感さを予測できます。
神経質傾向が高い人の特徴は、リスクへの感受性が高いため、物事をネガティブに捉え、動揺しやすい傾向。それは同時に、緻密で繊細な気配りのできる特性とも言えます。
■開放性
開放性は、想像力の広がり、拡散的思考、芸術的感受性を示したもの。全く異なる情報同士を結びつけて新しいものを発想したり、ものごとの共通点を見出すような性質です。
開放性が高い人の特徴は、目の前の現実を受け止めるよりも、その先を想像する傾向。創造力や遊び心がある。前例や常識にとらわれない改革派であるため組織を乱すこともあります。
では次に、協調性と誠実性が持つ特徴について詳しく見てみましょう。
■ 協調性
協調性は言葉のイメージ通り、他人への愛着や相手の立場に立って物事を考えられるかといった共感能力を示したもの。「チームワーク」と言い換えてもいいでしょう。周囲の人たちをどれだけ思いやれるか、歩調を合わせて進むことができるかといった、チームで物事を成していく性質の高低を表しています。
協調性が低い人の特徴は、相手の感情を察し寄り添うのが苦手で、同調圧力を避ける傾向。そして、協調性があまりにも低すぎると反社会的な行動をとったり、社会に馴染めず引きこもりになることもあります。
■ 誠実性
誠実性は、本能的な衝動を抑える自己コントロール能力を示したもの。すぐに結果が出ないような中長期的な目標に対し、どう対応していくかを示すのが誠実性です。勤勉性、継続性、真面目さなどと言い換えられます。
誠実性の低い人の特徴は、注意散漫で飽きっぽい傾向。衝動を抑えられず長時間の集中力がなかったり、ダイエットや早起きなどの習慣が続きにくいことがあります。アルコールやギャンブルなどには、はまりやすく抜け出しにくい傾向も。
大麻の問題使用者の特徴
神経質傾向が高い
おみその考察:神経質傾向が高い人は、普通に暮らしていても生きづらさを感じるような繊細さを持っています。そうしたストレスを和らげたくて、一種の麻酔である大麻に手を出してしまう人もいるのかもですね。
開放性が高い
おみその考察:開放性が高い人は、好奇心が旺盛で新しいものへの興味が強いのです。大麻を使うことが「どうなるのかわからない恐怖」ではなく、「非日常への興味・興奮」に繋がりやすいのかもしれません。
協調性が低い
おみその考察:協調性の低い人は、社会との結びつきが薄かったり、罪悪感を感じにくい傾向があります。そのため、違法行為との関連も高くなります(もちろん個人・環境によって異なりますし、統計的にリスクが高いということです)。もしかすると、他の人よりも薬物乱用へのハードルが低い可能性があるのかも。
誠実性が低い
おみその考察:誠実性が低い人は、本能的な衝動を我慢するのが苦手で、薬物に限らず何かに依存しやすいところがあります。環境やタイミングによりますが誠実性が平均〜高い人よりも、薬物依存に陥るリスクは高くなるようです。
“Jobgram的”違法薬物乱用のリスクがある人の特徴
Jobgramでは、「思考パターン」「行動パターン」「ビッグファイブ」という異なる診断ロジックを横断し、その人の性格特性として特徴的な部分をわかりやすく補足している特徴ラベルという項目があります。
前述の特徴をJobgramの特徴ラベルに置き換えると、以下の2つが当てはまります。
「制御不能」(協調性が低い・誠実性が低い)
おみその考察:このラベルが付くのは、他人から見て「何をするか予測できず、良くも悪くもコントロールが難しい人」。保有スキルや職場環境によって、成果を出すかトラブルを起こすか分かれるタイプです。スタートアップ起業家に多い傾向はあります。良くも悪くも破天荒な人が多そうですね。
「独自の感性」「憑依型」(開放性高い・神経質傾向高い)
おみその考察:このラベルが付くのは、いわゆる「アーティスティックな人」。繊細かつクリエイティブでとても危なっかしい存在です。一般社会にない刺激や感性の獲得を求めて薬物乱用に至ってしまう……といった可能性もありそうです。
Jobgramで性格診断を受けた際に、この2つの特徴ラベルが表示された人は、「そういうリスクが他人よりも高い」ことを自覚し、頭の片隅に入れておくとよいかもですね。
おみそのまとめ
今回は、「違法薬物を乱用してしまう人の性格」をテーマにあれこれお話しました。
これはおみその親友の話なのですが、当時親友が勤めていた会社のボスは以下のような人でした。
性格診断をしたわけではなく、普段の言動から推測したらしいのですが、なかなか荒れてますね。おみその親友は、そんなボスの性格から会社の将来にリスクを感じ、別の会社に転職したそうです。
そしてその後、ボスは違法薬物の所持・使用で逮捕されたとのことです……
もちろんこれは非常に極端な例であり、同様の性格特性を持つ人は悪い人・違法行為をする というわけでは決してありません。性格特性にはそれぞれメリット・デメリット両方があり、「この性格特性だからこの人は良い/悪い」といったことはありません。各特性が良い方向に活かされるのが理想ですが。
ただ、入社するかもしれない企業を経営している人がどんな性格特性を持っているかは、選考の段階でもっと開示されてもいいのでは?とおみそは考えています。
企業は、採用選考中に応募者からたくさんの情報を取得しますが、企業側から応募者に開示される情報はごくわずかです。(企業は応募者にリファレンスチェックするけど、企業の経営者・上司のリファレンスは開示されないなど)
とくにスタートアップなど小規模の会社は、経営者の性格特性・価値観に会社の成長性やカルチャーが大きく左右されます。
企業・応募者間の情報非対称性をなくすことで、不幸な採用ミスマッチを減らせるはず。
「そういうプロダクトを頑張ってつくっていこう!」と改めて思ったおみそでした。
ビッグファイブを始めとした性格特性を診断したい人はこちらから(無料・5分)。自身にどんな可能性やリスクがあるかを認識しておくと、「人生」を攻略しやすくなるかもですよ。